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刑事ニコ 法の死角

スティーブン・セガール主演 シャロン・ストーン共演 アンドリュー・デイビス監督作品。
ニコ・トスカーン。彼は日本で合気道を修得し、その実力を買われCIAにスカウトされる。
しかし、ベトナムでの同僚への拷問に嫌気が差したニコは、その場で上司とケンカ別れ。
88年、シカゴでニコは妻サラと結婚し、息子ジュリアーノを設け、市警の刑事として働いていた。
ある日、ニコは同僚の女刑事ジャクソンと、ニコの姪で不良の彼女を、悪の道へと誘う男から救い、薬の売人であるその男から、巨大な薬物取引情報を得る。
取引の行われる精肉工場を張り、見事押さえるニコ達。だが出てきたのは、麻薬ではなくプラスチック爆弾だった。
犯人のサルバーノをじっくり取り調べようとするニコだったが、FBIの圧力によりサルバーノは釈放される。
意気揚々とするサルバーノだったが、裏で糸を引く黒幕ゼーガンの登場に首をすくめる。ゼーガンこそ、ニコがベトナムで殴った、拷問を命令した上司であり、今は出世してCIAの大物になっていた。
納得がいかず、サルバーノを尾行するニコは、教会で神父に呼び止められ、地下室に隠れる多くのメキシコからの移民を守ってほしいと頼まれる。
そして神父はミサが行われる日、教会での爆弾テロで命を落としてしまうのだった。

結末 ネタバレ注意

FBIを責め、ニコは単独で捜査を開始。一方、ジャクソンはミサを訪れていた何の関係も無いハリソン上院議員の秘書の死に疑問を持つ。
サルバーノの部下に絡まれ、返り討ちにしたニコは、その夜、CIA時代の同僚フォックスに忠告される。するとFBIと市警の上司がニコの前に現れ、ニコを連行し、停職処分を下した。
ジャクソンの調べで、ハリソン議員と秘書は麻薬白書を作成中で、麻薬ビジネスにCIAの大物が絡んでいると知る。
仲間から銃を貰ったニコは、地下室の難民の中にいるシスターから、一緒に来た神父が、そのCIAの大物の正体の手掛かりを秘書に渡すはずだったが、あの爆弾テロに恐怖を感じ、逃げていると聞かされる。
またしても狙われたニコは返り討ちにするも、仲間にサラたち家族を任せ、単独で捜査を行い、締め上げたFBI捜査官から、C4爆弾の紛失を聞かされる。保管庫への侵入記録にはCIAのフォックスの名が使われていた。
ニコはフォックスから、暗殺チームがシカゴに来ている事を知る。
一方、ジャクソンはシスターからの電話で神父の保護要請を受けるが、CIAがその電話を盗聴。神父は捕まってしまう。
ゼーガンとサルバーノは手掛かりの在り処を聞き出すため、神父に自白剤を投与。だがニコ達が踏み込み、銃撃戦に。しかし、仲間達が撃たれ、ニコはやむなく逃走。
上司と、家族の隠れ家へ行き、仲間の無事を知ったニコは、家族の制止を振り切り、ゼーガンのアパートを見張る。するとフォックスに銃を突きつけられる。
駐車場へと連れて来られ、ゼーガン達が現れる。
銃撃戦が展開される中、サルバーノとフォックスが撃たれ、負傷。ニコはフォックスの銃を取り、サルバーノをビルから落とす。
カーチェイスの末、ニコは捕まり、拉致され、ゼーガンの拷問を受け、自白剤を投与される。しかし薬が効いたフリをして反撃し、全員を殺して脱出し、ジャクソン達に介抱されるのだった。
ニコは自宅でハリソン議員から訪問され感謝を述べられ、大法廷で証言台に立ち、判事に自身の過去とCIAの腐敗した真実を語った。
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管理人の批評

1988年、アメリカの作品です。
タイトルに「沈黙」と付いていない事で、お気付きの方もおりますでしょうが、セガールのデビュー作品です。若いです。
現在のどっしりとした大岩のような体型でなく、ややスタイリッシュなその姿にやはり若さを感じ、ある意味では貴重な作品です。
最初にじっくりとキャラクター説明を行い、ある意味ではセガール自身の説明にもなり、セガールを映画スターとして決定づけた瞬間にも取れます。
アクションシーンの詳述は難しいため、「返り討ち」といった言葉で片付けてしまいました。こればかりは実際に観てもらうしかありません。
まったく負ける事の無いセガール。彼の人気がなぜ根強いかといえば、最強の象徴という事だけでなく、流れるような動きで見せる合気道の美しさにあると考えます。
ブルース・リー、ジャッキー・チェンらのカンフーは組手であり、対戦により、更に攻撃を受けた相手の防御やリアクションによって華が咲きます。
一方、合気道は相手の力を利用し、組み伏せる護身術的側面が強い武道です。
更に相手は皆、合気道など知らない外国人ばかり。皆ものの見事に受け身などが取れず、骨を折られています。
今回は若い刑事という事もあり、やや攻撃的なセガールとなり、受け身的な現在のセガール映画とは一味違うものになっています。