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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1)へ


バック・トゥ・ザ・フューチャー PARTU

マイケル・J・フォックス主演 ロバート・ゼメキス監督作品。
車磨き係の老ビフに見送られ、生ゴミなどのバイオ燃料で空を飛ぶデロリアンにジェニファーを乗せて、未来へと向かうマーティとドクは2015年10月21日に。
だがドクはジェニファーを催眠装置で眠らせる。デロリアンを見られたため、やむなく連れて来たのだった。
ドクはあまり変わらない美容整形と若返り治療を受け、マーティに、息子が泥棒をして15年、娘が脱獄させようとして20年収監される事になり、一家離散になるので、「グリフにNOと言え」と伝え、自動靴ひも結び靴などの未来風の恰好をさせ、カフェへ。
するとそこで更に老いたビフに会い、「マーティは人生を破滅にした愚か者」と言われ、するとそこにグリフが現れ、祖父であるビフを連れて行った。
そこにマーティJrが現れ、グリフに投げられ、マーティの隠れるカウンターの中へ。
マーティはすり替わり、「腰抜けチキン」と挑発され、ケンカに。外に出て、ホバーボードでチェイスし、池の上で立ち往生した所を追って来て、敢えて池に落ちて避ける。グリフ達はガラスに激突した。
マーティは時計台への寄付を求められつつ、ニュースでスポーツカジノの大穴を知り、全てのスポーツの結果が載ったスポーツ年鑑を購入し、大金持ちになろうと画策する。
だが、計画の成功に喜ぶドクと合流し、たしなめられ、眠らせておいていたジェニファーが警察に保護され、2015年のジェニファーと勘違いされ、未来の家へと送られてしまう。
本人との遭遇を防ぐため、年鑑を捨てて追う。だがその年鑑を、隠れてタイムマシンの存在を知ったビフが回収した。

結末 ネタバレ注意

ジェニファーが送られたマーティとジェニファーの未来の家は治安の悪い住宅地。結婚式も簡素だったようだ。その理由を、訪ねてきたマーティの母親が、マーティはチキンと呼ばれるとカッとなって、その結果事故や不運に見舞われてしまったという。
デロリアンで追ってきたドクはマーティを置いて救出に向かうが、マーティも未来の自分を見たくてつい向かう。するとそこに、タクシーでビフが現れ、デロリアンに乗り込んだ。
中年マーティは高校時代のクラスメート・ニードルスに挑発され、ついカードを不正使用し、それをモニターしていた社長のフジツー・イトー氏からクビを宣告される。
ドクから出方を教わったジェニファーは玄関へ向かうも、未来のジェニファーと鉢合わせて気絶。ドクは彼女を回収する。
ドクはマーティに混乱を起こしてしまった事を反省し、西部開拓時代に行けない事を悔しがるも、85年に戻ったらデロリアンを分解する事を決め、研究テーマを女性に変更すると漏らす。
その頃、ビフがタイムスリップから戻り、その衝撃にフラフラと外に出るが、杖の取っ手を折り落とした。

85年に戻り、気絶したジェニファーを彼女の家の前のソファに寝かせ、窓に付いた鉄格子を不思議がる。
帰宅したマーティがベッドに潜り込もうとすると、知らない女の子が寝ており、別の家族が住んでいる事に驚き、外へ飛び出す。
街は荒廃し、学校は6年前に燃やされ、巨大なビフのビルが建っていた。
ビルの入り口で流れるビデオには、西部の荒くれ者マッド・ドッグ・タネンの末裔、ビフは21歳で馬券を当て続け、大金持ちになり、マーティの母ロレインと結婚していた。ショックを受けるマーティはビフの部下に捕まり、気絶する。
目覚めたマーティは別人のようなロレインに会い、驚いていると、そこにビフが現れ、2人に暴力をふるう。ロレインとマーティら3人の子供はビフに養われ、3人の子供の父ジョージは12年前に死んでいた。
墓地で確認するマーティにドクが殺人だったと告げる。
廃墟となったドクの研究所で、時空の流れが変わり、写真に映った年鑑や杖で犯人がビフと分かるが、未来へ行っても別の未来となり、ドクは捕まって精神病院送りとされるため、年鑑を渡されたのが過去のいつだったのか正確な時間を聞き出すために、ビフのビルへと戻る。
ビフは1955年11月12日の雷の日だったと答えるが、同時に老ビフからマーティが来ることも忠告されており、銃を取り出す。
マーティはマッチをくすねて屋上へと逃亡。
しかしビフに追い詰められ、ビフはジョージを殺した事を告白。マーティは屋上から飛び降り、ビフが覗くと、デロリアンで浮上。ビフはガルウィングで気絶させられる。
そして元に戻ればすべて大丈夫だと、2人はそのまま55年へ。
また看板の裏にデロリアンを隠した2人は、老ビフとデロリアンを未来に戻す必要があるため泳がせ、年鑑を渡されてから回収する事にし、ドクは55年の自分はマーティを戻すために一生懸命動き回っていると考え、デロリアンの修理に残り、変装用の服代をトランクの各時代の紙幣から捻出し、目立たないようにと注意して、トランシーバーを持たせて送り出す。
全身黒ずくめのブルースブラザーズのような格好で決めたマーティは、連絡を取りつつ、家から出て、修理工場から車を取りに行くビフを尾行し、ビフの車へ潜り込む。
街でロレインをからかい、抵抗されたビフは車の運転席に座っていた老ビフに促され、助手席に座り、帰宅。ガレージでラジオを聞きながら試合の結果で証明し、年鑑を肌身離さず持つよう伝え、消える。
マーティはガレージに閉じ込められ、ドクに助けを求める。
夕方、ビフはパーティへ行くため車で出発。マーティはまた車の後ろに紛れこみ、自転車で助けに来たドクと入れ違いに。
ドクは街へと出るが、時計台の前で準備中の自分とニアミスし、工具を渡して、会話して逃げる。
一方、会場で一人になったビフを背後からつけ狙うマーティだが、本は先生に没収されてしまう。マーティは先生を追って先生の部屋へ。
机の下に隠れて、手を伸ばし、挟まれても声を出すのを我慢して、ようやく年鑑を手に入れたマーティ。だがカバーの中身はエロ本。ドクに失敗を伝える連絡を入れる背後で、両親の出逢いが始まっていた。
それを見届けたマーティは、ビフに近寄り、気絶させ、年鑑を奪うが、ビフの手下達に追われて逃げる。
ドクはデロリアンで向かおうと浮上し、看板にぶつかり、タイマーが100年前にずれる。
マーティが会場に逃げ隠れた為、舞台で演奏する昨日のマーティが手下達に狙われてしまう。手下達は演奏終了を舞台袖で待つが、マーティは錘を落とし、倒す。
外に出たマーティは、復活したビフから勝負を持ちかけられ、断る。だが、チキンと言われ引き返し、飛び出してきた昨日のマーティの開けたドアにぶつかり、気絶。年鑑を奪ったことがバレ、回収され、腹を蹴られ、車で逃げられる。
ドクと合流し、追いついたマーティはホバーボードで背後から近付くも、気付かれ、殺されかけるが、トンネルへ。殴られるものの、アクロバティックにボンネットから回収に成功。
逃げようとするも、そこはトンネルの反対側。入り口を塞がれるが、マーティは間一髪。デロリアンから垂らされた看板に掛っていた旗ひもを手繰って上昇。ビフはトラックへ追突し、また肥やしまみれになった。
宅地開発地に戻ったマーティは年鑑をマッチを使って燃やすと、マッチからビフの名は消え、新聞もジョージは名誉市民に、ドクも表彰された。
喜びも束の間、ドクとデロリアンは雷に打たれて消えてしまった。
呆然とするマーティの元に、車が止まり、中から男が現れる。男は電報局の者で、手紙を70年預かり、この場所に配達して届けるという賭けに負けた事を悔しがりながら、マーティに手紙を渡す。
手紙はドクからで、なんと100年前の西部開拓時代にいた。
マーティは喜び、昨日のマーティを未来へと送り返した直後のドクに駆け寄り、彼を気絶させた。
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管理人の批評

1989年、アメリカの作品です。
共演:クリストファー・ロイド リー・トンプソン トーマス・F・ウィルソン
現在テレビラジオネットなどで報道されておりますが、遂に現実がこの日に追い付いてしまいました。その注目は企業の多くがしており、ナイキが自動で靴ひもを結ぶ(締める)靴を開発し、発表。ペプシも劇中に登場したペプシパーフェクトをアメリカ内本数限定発売、価格はなんと約2800円だそうです。そしてこの日に焦点を合わせつつ、残念ながら空を飛ぶ車は間に合いませんでしたが、その開発は進んでおり、飛行機のように翼を広げるタイプは実用間近(ただボンドカーに近いかと)。ホバーボードもリニアモーターカーの開発で、公園などに特定の磁石を地面に埋め込んだ場合は実用可能と報道されております。
ちなみに、未来の世界で携帯電話、スマートフォンを持つ人物は一人も現れません。ファックスやテレビ電話です。この時代に、まさかインターネットなどが出来るとは想像しませんし、どう表現するのか?そしてこの作品はタイムスリップがメインであり、未来の想像は遊びに過ぎません。
ですが、未来編の後に、マーティがトランシーバーを使うくだりを見て、将来連絡を簡単に取り合う機械を夢見た携帯電話の開発者は何人かいた事でしょう。
さて、物語の方はと言いますと、この物語の作り方は全ての最高傑作にしてお手本なんじゃないかと思えるほどの秀逸さ。
メインとなる縦軸を据え置きつつ、その為にクリアしなければいけない課題を次々と解決していく。その途中に起きる小ネタ(時に伏線)で笑いを取り、観客を飽きさせない工夫。ドラクエ並みのソフトを一本作ったような完成度の高さです。
物語を進ませながら、次々と伏線を埋め込んでいくのは、決して脚本の力だけではないと考えます。もう全てが監督の頭の中で出来上がっていたのでしょう。
未来、ねじれた過去、そしてまた50年代と、3つの世界を創り出した今作。おそらく大ヒットが既に見込まれ、とてつもない大金が投入された事でしょう。それをコンピュータグラフィックでなく、ほとんどがスタッフの手作りによるという所が、映画としてのレベルの高さを窺えさせ、今なお感動を呼ぶのかもしれません。
特にまた50年代を再撮影するというのは、あまりに心くすぐられます。絡み合わせ、なおかつ前作との相違を作らないようにするという制約を設けるのは、自分達への厳しい姿勢が覗えます。
やはり映画監督になるのなら、映画製作に携わるなら、これくらい手の込んで、なおかつ人を感動させられる作品を、その人生の中で一作は作ってもらいたいものです。
日本ではこのマーティとドクの関係がドラえもんとのび太のような関係なので、日本では、いや今や世界中で『物語の構成法』と『何かに出逢うときの感動』が半永久的に味わえるのです。
そしてこの映画の最後に、翌90年夏に公開されるPARTVの予告編が流れます。これで更に観客は興奮の熱狂に包まれるのです。