クリント・イーストウッド主演 リチャード・ベンジャミン監督作品。
1930年代、元刑事で金欠の探偵マイク・マーフィーは、相棒のデールが悪の大物コルの経理士から秘密帳簿を買い受け、コルともう一人の悪の大物、ピットとの間で高く買ってくれる方に売ろうと動き、ピットに殺されてしまう。
コルから依頼を受けたマイクは、帳簿を探すが税理士も殺され、デールの恋人のジニーも行方不明に。
事務所内でデールの質札を見つけたマイクは、秘書のアディーに取りに行かせる。だがマイクは、ピット達に恋人のキャロラインを誘拐されてしまうのだった。
そんな中、ジニーから連絡が入り、マイクは帳簿の手掛かりを得るが、ジニーはピットの手下に追われ、交通事故に遭わされてしまう。
マイクはボクシングジムのロッカーから帳簿を見つけ、家で支度してから、ピットとの人質交換に行こうとするが、コル、ピット、それぞれの手下達と鉢合わせし銃撃戦に。そこに、事件を追い、成り行きを見守っていたマイクの元同僚のスピア警部が、飛んできた銃弾をかわし、ショットガンで銃撃戦を終わらせた。
マイクはピットの自動車整備工場に押しかけるが、キャロラインはおらず、銃を向けられる。そこにスピアが介入し、銃撃戦。だがスピアはピットを殺してしまい、マイク達は生き残った手下を拷問して居場所を吐かせた。
変装した二人はクラブに潜入。キャロラインを救出。だがコル達がアディーを人質にして現れ、帳簿の入ったトランクと交換する事に。だがコル達は、マイクがトランクに仕掛けていた爆弾によって爆発した。
マイクとスピアはジニーの歌うクラブで、ひょんなことからケンカに発展。外に出てにらみ合った。
1984年、アメリカの作品です。
共演:バート・レイノルズ
この作品では一風変わったクリント・イーストウッドが見られます。銃の下手なクリントは面白いです。
この作品は風合いが面白い作りになっていて、30年代を表現するのが見事と言いますか、古き良き風合いを醸し出しているのが、序盤から作品としての昔の良さを作っている感じがします。
タネも仕かけもない単純な物語です。ただ、それくらい単純な時代があった事は間違いありません。もしかしたら銃の下手さも精度が低いからなのかもしれません。力と力のぶつかり合いが、いつしか暴力と呼ばれるようになり、それに応じて暴力性が加速して、凄惨な事件が起きやすくなってしまった。そんな印象があります。この作品では、未熟なひと時を垣間見せ、思い出させてくれることでしょう。
この作品は、昔の時代を生きた方、戦後から日本で頑張ってきた人々に見ていただきたい作品です。アメリカの出来事ではありますが、日本でも同じような事はありました。Vシネマなどで描かれる暴力団の物語ではついていけないという方、「ALWAYS」では物足りない、そんな方々におすすめです。