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デーヴ

ケヴィン・クライン主演 シガニー・ウィーバー、ベン・キングスレー共演 イヴァン・レイトマン監督作品。
アメリカ大統領ビル・ミッチェルは自らの影武者を探していた。依頼を受けたシークレットサービスは方々を回り、大統領そっくりでモノマネでイベントに出演し、自分を頼る、困った派遣社員達を親身にして、友人の会計士マーリー・ブラムに押し付け泣かせる派遣会社社長デーヴ・コヴィックをスカウトする。
メイクをし、髪型を整え、デーヴは大統領と対面。直接合格を貰い、いざやる仕事は身代わりとしてホテルを出て車に乗るだけ。もちろんデーヴも承知のうえ、いやむしろ、それだけの仕事だからこそ引き受け、ちょっとはしゃいでしまったものの大成功で車に乗り込み、尾行がいない事を確認したシークレットサービスは、あとはデーブを自宅へ送り届けるだけだった…。

結末 ネタバレ注意

わざわざ影武者を用意した大統領はホテルに留まり、女性秘書と情事を始めた。だが大統領は意識不明の植物状態に陥り、秘書は慌てて首席補佐官のボブ・アレクサンダーに連絡。ボブは役立たずの副大統領への連絡を避けるため、デーヴを呼び戻し、ホワイトハウスへ。
デーブはボブ達に頼まれ、ベッドで主治医を騙すところからスタート。回復をアピールし、政治制度や政治家達の顔を覚えさせられ、派遣会社には「恋に落ち、駆け落ちの為休む」と連絡。マスコミ対策の為、癖も覚えるよう言われるが、それに関してはデーヴの方が熟知していた。
ホワイトハウスのバルコニーからのあいさつで、浮気を知って怒る妻エレンを騙すことにも成功。更にデーヴの陽気な性格も相まって、大統領の人気も向上させ、エレンが関心するホームレス問題で行ったホームレスの子供の施設で手品を見せ、エレンは機嫌を良くする。だがデーヴがシャワーを浴びていると激怒したエレンに迫られる。デーブは新聞を見て、エレン肝入りの福祉法案が大統領によって拒否された事を知り、補佐官のボブとアランを呼びつけ、可決を迫るが、その為には、6億5千万ドルの大金が必要で、「やりたいなら自分で出せ」と冷たくあしらわれる。
デーヴは深夜、マーリーをホワイトハウスに呼びつけ、財務書類を見せ、翌日、100回記念の閣議で取材陣が集まる中、自国車の宣伝広告費などを回す事で予算を捻出する方法を発表し、止めようとしていたボブ以外から拍手を貰った。
エレンに部屋に訪ねられ、カマを掛けられたデーヴは偽物とバレてしまう。エレンは植物状態のビルを見舞うが、既に夫婦間に愛情は無かった。
2人は荷物をまとめてホワイトハウスを秘密の通路から脱出。途中警察に交通違反で止められ、デーブはとっさに、自分達はモノマネコンビの夫婦で営業帰りだとネタを披露し、切り抜ける。そして2人は話し合い、 大統領の仕事の重要性を考え、ホワイトハウスへと戻った。
デーヴの暴走にボブが激怒する中、デーヴは記者会見でボブのクビを宣言。そして完全雇用政策を提言した。
アフリカを遊説していたナンス副大統領が帰国。アフリカ土産をデーブに渡し、自分は裏金など貰っていないと訴えた。それはボブが裏金を作った際、マスコミに嗅ぎつけられたため、ナンスになすりつけていたのだった。
デーヴはナンスの汚名を晴らすためアランに相談。だがボブが腹いせに会見を開き、汚職関係者はナンスだけでなく、大統領もだと暴露した。
その夜、デーヴはナンスと話し、ナンスは元は靴屋の主人で、政治に関心を持ち、新聞を見て選挙が始まる時、妻に出馬を勧められ決断をしたという話を聞き、彼が良い人だと知った。
デーヴは上院下院を招集。議会で汚職の発案者はボブであるという証拠を提示し、ナンスの無実を証明するが、倒れ、救急車で運ばれた。
病院の前で救急隊員の姿に扮し、スカウトからずっとそばに居てくれたシークレットサービスのウィルキンソンに別れと再会を誓い、去って行った。
大統領の植物状態が発表され、本物の大統領ビルは死去。大統領業務はナンスに引き継がれ、ボブ達は起訴された。
そしてデーヴは市議選に立候補し、その準備に追われていた。そこに未亡人になったエレンが現れ、デーヴは再会を喜び奥へ。キスをするが、みんなに見られている事に気付き、ブラインドを下げ、ドアの前にボディーガードのウィルキンソンが立った。
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管理人の批評

1993年、アメリカの作品です。
主役を演じたケヴィン・クラインはおそらくコメディアン出身の俳優さんでしょう(ウィキでも見ればわかる事でしょうが)。一人二役は他にも「ワイルド・ワイルド・ウエスト」で披露しておりますし、一人二役は彼の専売特許でなく、エディー・マーフィーやベン・スティラーも映画で披露しており、遊び心のある人ならやってくれる技の一つでしょう。
とても面白い俳優さんで「ワイルド…」含め、今作もとても面白いし、内容も良いと思うのですが、不思議とあまり日本では有名ではないようです。これも運なのでしょうか?
ちなみに大統領は決定権はあっても法案作成はできないそうです。権力の分立ですね。
アメリカ大統領を気易く演じられるのはさすが自由の国といった感じです。日本では天皇陛下を演じることは出来るだけ避ける風潮があるようですね。そして総理大臣をやるドラマはあっても映画が少ないのは、思いっきり喜劇にするか、真面目腐ってしまうか、実際の政治の方が皮肉にも面白いのか、あるいは題材にする価値が無いのか、日本の問題を簡単に割り切れないからだと思われます。
この映画はコメディーとして伏線がとても優れていますね。最初こそ風刺の利いたブラックジョークですが、モノマネショー、汚職問題、エレンの太もも、ウィルキンソンという風に2度目に確認しながら見ると面白い。あえてこの結末部分を先に読んでしまうのも手としてはありだと思われます。
90年代のハリウッド映画っぽい、愛を結末にしたほんわかとした、ファミリーっぽい作品ですが、先述の通り、政治がテーマなのでブラックジョークもあり、いい大人が楽しむ映画だと思います。ただ、大統領に成りすますという大胆不敵さ以外に派手さが無い。そこがこの映画の弱いところで、現在でもそんなに響いていない理由だと思われます。
「デーヴ」というタイトルだけでは題名として物足りない気がしますね。