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北海ハイジャック

ロジャー・ムーア主演 アンドリュー・V・マクラグレン監督作品。
民間特殊部隊を訓練するフォークスは契約先のロイド保険の依頼で石油基地の非常事態訓練を考えることになっていた。
一方、石油基地への運搬船エスターに取材と称し世界各国の新聞記者が乗り込む。だが、彼らはルー・クレーマーを筆頭とする強請犯であり、2つの石油基地ルークスとジェニファーに機雷を仕掛け、資源基地と労働者を人質に、ジェニファー基地の責任者キングに、政府へ2500万ポンドを各国紙幣で用意せよと命令する。タイムリミットはたったの丸1日。
深夜、女性首相を中心に会議が行われる中、1人が、カネについてはロイド保険が払うので問題はなく、ロイド保険が何かを考えているはずと連絡を入れてみる。
フォークスとその軍人上がりの部下たちとの訓練映像を見せられ、反対するが他に手立てのない海軍のブリスデン提督は手際よく訓練中のフォークスを訪ねて、協力を申し出る。そこでフォークスは、副官に化けて自分も人質になることを提案する。
何の連絡もないことに腹を立てるクレーマー。催促にキングはブリスデンが金を持ってヘリで着陸すると説明し、留飲を下げる。
ヘリの中、ブリスデンはフォークスにやり方を否定されながら上陸。フォークスはクレーマーからの連絡に焦りや優越を見抜く。
一方、エスターでは人質となった船長が部下に劇物の薬品棚の鍵を取らせた。

結末 ネタバレ注意

提督は、交渉でヘリを返すことを認めさせ、フォークスはルークスの見せかけ爆破の命令と3人の避難を行う。
一方、船では劇薬の取り出し方法を考えていた。その結果、船酔いの広報ヘリングを取りに行かせるが、やはりクレーマーたちを連れてきたグルと考え直し、先回りして監禁する。そして薬品を取り出すが、見られてしまう。
そして食事の時間、劇物入りの食事を出すがバレ、船員は殺され、逃げ延びたサラは海へと飛び込んだ。
ブリスデンはわざと連絡し、クレーマーの気を逸らし、虚偽爆破を見せる。そして30分ごとに連絡してクレーマーを寝させず、さらに、ブリスデンにタバコを落とす練習をさせる。
クレーマーを苛立たせ、ヘリでキング、ブリスデンと上陸するが、クレーマーはフォークスに危険を感じ、追い返す。そして怖気づき始めたヘリングを始末する。
戻ったフォークスは、首相に連絡し、エスターの爆破命令と引き換えに自分たちの命を賭ける。
そして先ほどから見せる女性嫌いの理由を、独身の伯母と5人の姉に育てられ、さらに前妻との生活中、転がり込んできた前妻の5人の姉妹の話をして、遺言が全財産を飼い猫に遺すことの正当性についての添え書きを高官に頼む。
フォークスは派手なウェットスーツで潜り、爆弾の準備の中、エスターへ潜入。
時間になり、電話が不通になるが、提督がクレーマーに進言し、電話へ。
計画通りに運ぶ中、ヘリが来て、フォークスは敵に背を向けてしまうが、ボートの中に隠れていたサラに助けてもらい、フォークスの部下たちが制圧。フォークスも襲われてしまうが、ハリスを海に落とした。
ブリスデン提督はタバコを落とす。拾おうと屈んだ提督の後ろから、フォークスが銛でクレーマーを射抜いた。
シュルマンもフォークスの部下に撃たれ、フォークスは信号弾を出し、最悪の事態を想定して用意していたヘリの爆弾は落下してしまうが、逸れていった。
サラをシャワーで温め、感謝し、最後の力を使おうとするクレーマーを止め、フォークスはコードを抜いた。
そして首相と提督から、ルークス、エスター、ジェニファーという白猫が、勲章の代わりに贈られた。
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管理人の批評

1980年、アメリカの作品です。
共演:ジェームズ・メイソン アンソニー・パーキンス
「007」シリーズでおなじみのロジャー・ムーアが主演した「007」以外の貴重な作品です。
俳優として、人気の作品で役が当たっている以上、他の役を望まないというのがファンや視聴者の希望ですが、ましてやイギリスという狭い島国の俳優である以上、ハリウッドなど海外進出するのが常道ですし、欧米では俳優という仕事への理解や奥深さというものが人気よりも上ですから、見る側の理解も得られるのが当たり前で、 最近では日本でも、イメージを変える役にあえて挑戦する若手の俳優も増えています。
ただし、「007」を意識しているからこそ、車に乗らず、女性を遠ざけ、敵の愛する猫を近づける、という荒業をやってのけ、成功したわけです。
ただし、国防という任務から離れられなかったのは、やはり映画の宿命であると思われ、大衆娯楽というのは、実は非常に狭いものであるという印象を感じざるを得ません。
ちなみに、この作品は「007」シリーズ第11作、「ムーンレイカー」(’79)と第12作「ユア・アイズ・オンリー」(’81)の間に作られています。
前述の通り、イギリスは島国ですから、海洋開発も進んでいます。海上に石油プラントや防衛用の見張り施設、灯台はもちろんですが、使われなくなった石油プラントの一つが売りに出され、今や国家になってしまった場所もあります。
首相役に女性を置くというのはイギリスという舞台ならではですが、キャラクターがはっきりしつつも、配慮であり、忖度があったと思われる、ユーモアだったと思われます。
この作品は「007」を見て、ロジャー・ムーアのファンになった方にはぜひ見ていただきたいですし、イギリスという国のリアルな部分を(やや古い話ではありますが)、見てみたいという方にもおすすめです。