スティーブン・セガール主演 フェリックス・エンリケス・アルカラ監督作品。
友人で同僚のフランクが調査の為鉱山に向かったが、事故死に見せかけて殺された。フランクはハンナコール社が毒性の産業廃棄物を山に捨てていると掴んでいた。
ジャック・タガート(スティーブン・セガール)はセスナでケンタッキー州の田舎町へ潜入する。
ラフな格好の牧師ボブ・グッダールが協力者となり、彼の薦めで、閉鎖的な町の人たちと打ち解ける為に大工仕事を手伝う。
奇病に侵された男の子を見舞ったり、ホームセンターでの買い物や教会のミサに出席したり。パーティーに参加したジャックは男の子から、山でよく光を見ると言い、UFOの絵をプレゼントされる。
保安官に睨まれながら、町で孤立するサラ・キーログに話しかける。彼女は過去の事件が原因で孤立していた。
夜、家に放たれた2匹の蛇を捕まえたジャックは逃げるトラックを確認。翌朝、しらを切る2人組に挨拶し、2人の車に蛇を放ち、2人は逃げ出し、轢かれ掛け、車はクラッシュした。
手下のしくじりに苛立つ取締役オリン・ジュニアは父オリン・ハンナに連絡するが、焦るなと言われるが、なんとかジャックを消そうと考える。
買い物中のサラと出くわしたジャック。サラは卸した自家製のハチミツが売れず、少し買い物を諦めていた。ジャックはサラが諦めた商品とハチミツを買い占め、サラを車で送る。送ってもらった後、荷台の荷物で買ってもらった事に気付いたサラは階段修理を頼む事にする。
ホームセンターの美人姉妹と会話した後、ジャックはジュニアの手下達に絡まれ、大勢を1人でなぎ倒す。グルの保安官が駆けつけるが、ボブが正当防衛を主張し、難を逃れる。
ボブはハンナコール社の悪事に気付いていたが、寄付を貰い、葛藤していた。
サラ家の修理に訪れたジャックは銃を見られるものの、夕食に誘われる。
ジャックは図書館の古新聞でサラが父親殺しの容疑を掛けられたと知り、同情的な掃除夫のコットンと出会い、素性を明かして捜査情報を交換。
一方、オリンはジュニアに、ジャックが環境保護庁の調査官だと調べ、保安官のロイドを使って罠に嵌めろと指示した。
そして、冗談を交わして帰宅したコットンが、ジュニアの手下達に迎えられた。
夕食を味わうジャックは、サラの兄アールを紹介される。アールは3週間ぶりに帰宅したらしいが、サラに対し過保護気味に思えた。
ジャックは倒れるコットンを間一髪病院に担ぎ込み、怒りに燃え、濡れ衣で包囲するロイド達をなぎ倒し、それを目撃したサラに調査官である事を説明するが、サラに裏切りであると捕えられてしまう。
ジュニアの報告に、オリンは新たな手を回す。
ジャックはカーター一家から差し入れと、反省したサラから父の残した地図を貰う。運転中、大型トラックに襲われ、鉱山に逃げ込み、降参するふりをして、下の池に落とした。
ジャックは教会のミサに出席し、実情を話し、同意を求め、ボブが証言台に立つと宣言した。
祭りが行われ、ジャックがギターを弾いていると、オリン・ジュニアはサラに絡み、侮辱し、ジャックにひねられる。するとハンナ社長がジャックを買収しようと近づくが、話を蹴る。
オリン親子は炭鉱の封鎖とジャックの始末を考え、サラはアールにどの炭鉱に毒物を捨てているのか教えて欲しいと頼み、ジャックとワルツを踊っていると、教会が火事に。ボブの行方も知れず、アールは怒り、覚悟を決め、ジャックを炭鉱へと案内する事にし、後で落ち合う事を決め、サラを連れ帰る。
だが、帰宅したアールはサラにボブ牧師殺害をほのめかし、ジャック殺害を計画。サラの蜂を焼き、サラを閉じ込めた。
炭鉱で合流したジャックとアールは内部へ。ジャックは、アールがサラをレイプし、それに怒った父親を殺し、未成年で法的責任を問われないサラに罪をなすりつけたと推理。すると待ち伏せしていた作業員たちが現れ、ジャックはアールのショットガンを掴み、毒樽が破裂。その戦いを不利と判じたジュニアは外へ出て爆破。ジャックは別の出口から脱出した。
朝、ジャックはサラを救出。彼女を証人として保護するよう上司に連絡し、迎えを要請。来た車に乗せるが、罠と気付き、逃げようとする車に車をぶつけ、ダイナーに逃げ込んだ男を射殺。サラを救出し、残ったもう一人の男の近くのガソリン溜まりに発煙筒を投げるもキャッチされ、火を2度撃ちこみ、帰した。
ハンナは買収したジャックの上司を叱責。ジャックはサラを家に置き、裁判。
たった5万ドルの罰金で済んでしまうオリン親子を捕まえ、ジャックは役所を辞めて、徹底的に張り付くと宣言。
元上司を逮捕し、ジュニアの部下達を叩きのめし、証拠を提出させる。
カジノに乗り込んだジャックは、用心棒を叩きのめし、中で楽しむオリン親子の元へ。ジャックは実は辞職などせず、FBIと逮捕に現れた。ジュニアはFBIを一人撃ち、ジャックに肩を撃たれる。
そしてジャックはサラの元を訪ね、新しい養蜂箱をプレゼントした。
1997年、アメリカの作品です。
セガールアクションと環境問題、更に田舎というコミュニティの問題や法律、汚職など様々な問題を散りばめた作品です。
最初は雄大な自然を空撮で送り届けながら、次第に埃っぽさや、夕暮れ、夜の闇、火、街のネオンなど、どんどんと汚い風景に変わっていきます。そこに監督の伝えたい事があるのかもしれません。
97年は早いかもしれませんが、この頃から環境問題について考える事が多くなってきました。CO2削減案を盛り込んだ京都議定書やブッシュ大統領の対立候補ゴア氏の「不都合な真実」、それらの極め付きが東日本大震災の福島第一原発事故なのかもしれません。決して結び付くわけではありませんが、何か繋がるものを感じ取られる方もいらっしゃるかもしれません。
この作品でのセガールアクションは東洋武術の精神よりも、アメリカの強さを押し出された感覚があります。柔より剛ですね。アメリカ映画らしさとセガールの得意とするダークさがマッチした作品という事では、完成度の高い素晴らしい作品だと思います。