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飛べ!フェニックス

ジェームズ・スチュアート主演 ロバート・アルドリッチ監督作品。
フランク・タウンズ機長のアラブコ飛行機は、砂漠を飛行中、砂嵐に巻き込まれて墜落し不時着。生き残った12名は無線が壊れた中、助けを待つ事にする。
ハリス大尉は水を探しに行くと表明。設計技師のドーフマン博士は残った部品を使えば新たな飛行機を作る事が出来ると進言するが、却下される。
大尉の部下であるワッソン軍曹が足をくじいてしまい、ハリス大尉はカルロスを連れて出発する。
コッブはショックで狂ってしまい、行方知れず。ワッソンは行きたくなくて、足をくじいたというのが嘘だとばれてしまう。
そしてタウンズは、死んだコッブを見つけた。
副機長のモランはドーフマンの話に乗り、タウンズに食い下がり、許可が貰えないまま、飛行機造りを始める。
ワッソンは作業中、近くに倒れるハリスを見つけるが、何もしようとはしない。
ハリスはその後ドーフマンに見つけられ、介抱され、ドーフマンは完成の見えない飛行機造りを一人で進めていく。

結末 ネタバレ注意

ケガをしたガブリエルは、自分が足手まといであると感じ、自殺する。
貴重な水の減りが激しい事に疑問を感じたタウンズは、飛行機造りで人一倍働くドーフマンが勝手に拝領している事を突き止め、弁護に立つモランとケンカする。
モランはメンツを捨て、諦め気味のタウンズを奮い立たせ、そのやる気に感じいったタウンズは、再び士気を取り戻す。
スタンディッシュが完成した飛行機をフェニックス号と名付けた頃、ハリスは近くを通る遊牧民を見つけ、ワッソンと水を貰いに行こうとするが、ワッソンは命令を拒否。仕方なく、アラビア語が喋れるルノーを連れ、交渉に向かう。
しかし、2人と遊牧民の群れが消える。タウンズとモランは様子を見に行き、2人の死体と、足を怪我したラクダを見つけ、始末した。
タウンズは、それ見た事かとほくそ笑むワッソンを、殴り倒した。
飛行機の運転に当たり、タウンズとドーフマンは、テストをするしないでまたケンカをしてしまう。タウンズは反省し、ドーフマンをリーダーと認め、彼の元に一致団結する。だが、タウンズとモランはドーフマンの会社が製造しているのは模型飛行機であり、彼が本物の飛行機を作った事は一度も無いと知り、原理は一緒だから大丈夫という彼に落胆、呆れ果てる。だがドーフマンのプライドと自信は過剰だった。
エンジンを回す時が来て、必要なスターターカートリッジの数は限られていた。
次々と失敗して、使い捨てていくタウンズにドーフマンは怖気づくが、自棄気味のタウンズは構わず続け、エンジンが始動し、プロペラが回り出す。
6人で飛行機を引っ張りながら、疲労しつつ飛行機へ乗り込み、フェニックス号は上昇に成功。
フェニックス号はタウンズ機長と他6名、猿一匹を乗せ、オアシスに到着。近くに住み働く作業員たちに唖然とされながら、オアシスに飛び込む。その光景を見ながら、タウンズはモラン、ドーフマンと17日間の苦闘を互いに讃えあった。
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管理人の批評

1965年、アメリカの作品です。
私達が現在テレビで見る事の出来る映画の多くは、80年代から90年代のスター俳優中心のドラマティック作品、それに比べて2000年代から現在に至る撮影技術の向上が飛躍的な作品、あるいはモノクロか古典的に有名な作品だと思われます。
その中でこの作品は極めて異端であり、残念な事に当時のスターである出演者を、ほとんど知らないというのが実情です。ただ、そういう意味では、内容で楽しむ作品と捉えた方がいいでしょう。
今でこそ環境の悪化で砂漠化が叫ばれておりますが、映画には砂漠や荒野がたくさん出てきますね。特に西部劇、マカロニウエスタンを始め、「クレオパトラ」など。そういう意味ではラスベガスも砂漠の真ん中ですから、砂漠には事欠かないのが映画の世界と言えるかもしれません。つまり砂漠はベタです。
今でしたら、こういう状態に、つまり密室に閉じ込められた集団の、内部の個人の動きそれぞれを、俳優達の卓越した演技と共に楽しむ事が出来るのでしょうが、この作品の主軸は、「墜落した飛行機を作り直して脱出する」という脚本主体なので、演劇好きの方には、やや満足いただけないかもしれません。
かといって、飛行機技術の知識や、サバイバル技術の詰まった、参考書的作品でもございません。
では、この映画は何なのか、と申しますと、「面白い設定を入念な想像力で補強されたベター作品」ではないでしょうか?