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フォーエヴァー・ヤング

メル・ギブソン主演 スティーブ・マイナー監督作品。
1939年、新型機の胴体着陸を成功させたアメリカ空軍ダニエル・マコーミック大尉、通称ダンは、恋人のヘレンと楽しい時を過ごし、友人のハリーに子供ができたこともあり、プロポーズを考えるが勇気が出ず、気を取り直そうとハリーに電話すると、外に出たヘレンが交通事故に遭い、植物状態になってしまう。
ヘレンの回復を待つダンは、1年間の冷凍睡眠実験に志願する。
若い兵士スティーヴンが基地に届け物をしていると、その間に2人の少年が基地内の倉庫に入り込み、冷凍ベッドの周りで遊んでいると、ベッドの蓋が開き、中には凍ったダンが眠っていた。覗き込んだ少年たちは、凍ったダンに反射的にジャケットをつかまれ、逃げ出す。
少年たちはその事を話すが、誰にも信じてもらえなかった。一方、その夜、目覚めたダンは、ジャケットを腰巻にして外へと出て行く。ハリーに電話を掛けようとするが、ヘリコプターを初めて見て驚き、さらに、現時が1992年であることに驚くのだった。

結末 ネタバレ注意

翌日、ダンは基地を訪ね、自身の全てを話すが信じてもらえず、ジャケットの名札を頼りに少年ナットとフィリックスを訪ねる。驚かれるが、力になってもらい、ハリーの行方を捜すため、図書館へ行く。
図書館で、ナットは片想いしているアリスに遭遇。声をかけるが、うまく気を引くことができない。一方、一刻も早くハリーの行方を知りたいダンは、懇願するため受付嬢のデビーの手を握り見つめ、ちょっと勘違いさせてしまう。
ダンはナット達の作った、木の上の秘密基地に身を寄せて休む。すると家の中から、ナットの母クレアの悲鳴が聞こえ、家に飛び込み、クレアを押し倒そうとする彼女の顔見知りのフレッドを殴り倒し、その際ケガした手を診てもらい、家に泊めてもらうことになる。ダンは現代のテレビに釘付けになる。
ハリーの住所がわかったダンは飛び出して向かう。だが人違い。肩を落として帰る途中、航空ショーを見かけ、会場にフェンスを乗り越えて入り、かつて乗っていた飛行機を懐かしむ。そこでクレアと遭遇し、勤め先の病院の医師ジョンを紹介され、家に戻る。
ナットと食事を作り、クレアの部屋のクローゼットに雨漏りを見つけるダン。
一方、軍では、冷凍ベッドが外に出されて、ダンの言っていたことが真実と知り、ようやく大慌てで、ダンを捜し始めた。
ダンは思い出のダイナーを見つけ、あの時の席に佇み、肩に塩を掛けた。
ダンが屋根を直していると、体が痺れ、屋根から落ちかける。その夜、クレアに手当てをしてもらい、CDで思い出の曲を聞いていると、思わずクレアにキスしてしまった。
ダンはナットに、恋の相談の答えとして、アリスに告白するようアドバイス。ナットはアリスの家に行き、アリスの部屋の窓に向かって告白する。アリスのお父さんにも聞かれてしまう。だが印象は悪くなかった。
雨の日、ナットはフライトジャケットを用意し、木の上で飛行機の操縦を教えてもらう。だがそれが終わるとダンは苦しみだし、ジョンの病院へと運ばれる。ジョンは血液異常を確認するが、ダンはFBIによって手配中だった。
ダンの老化が進む中、クレアとナットはダンを連れ出し、見つかったハリーの家へと向かう。
家に着くと、ハリーの娘に迎えられる。だがハリーはすでに他界していた。聞けば彼女が生まれる前に亡くなったという。だが彼女はダンの事に気づき、すべてを話す。
ハリーは実験の不備に気付き、実験の中止を考えていたが、薬品火災に巻き込まれて死亡。そして戦争が始まって、忘れ去られてしまった。
物置にあった資料から、老化は止まらないということと、子供と写るヘレンの写真を見つけ、落胆するダン。だがその子はハリーの娘が2歳の時に撮ったもので、ヘレンは目覚め回復し、故郷で生きていることを知る。
FBIに見つかり、逃げるダンたちはカーチェイスで航空ショーの会場へ。懐かしの飛行機にダンは一人乗りこみ、飛び立った。
追いかけてきた、ハリーの研究は今もって最先端だと称賛するキャメロン博士に、クレアは資料を渡し、ナットがいないことに気づく。
機内には、ダンの前にナットが現れる。その頃、資料に満足したキャメロンは、ヘレンを着陸先に呼び寄せるよう手配した。
老化が進み、苦しみだすダンを、ナットが操縦を手伝いカバー。着陸し、岬に建つ一軒家を訪ねると、庭にいたヘレンと再会。二人は抱き合い、ダンのプロポーズにヘレンはYESと答え、誓いのキスをして、ナットと海を眺めた。
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管理人の批評

1992年、アメリカの作品です。
共演:イライジャ・ウッド ジェイミー・リー・カーティス
昨今ようやく話題になり真実味を帯びてきた冷凍保存技術を下地に置いた、日本の10年先を行くアメリカならではの作品です。
冷凍保存という荒唐無稽に思える事象を、大国アメリカが成立させていることに、ハリウッド映画の強みがあると思います。「思い描いたものは現実になる」という言葉がありますが、今やCGで何でも描ける時代なので、幾様にも未来を描くことができるわけですが、この作品はCGやVFXがない時代ですから、相当勇気が要ったんじゃないかなと思います。
とはいえ、日本でも手塚治虫氏が『ブラックジャック』の中でモチーフに使った回がありますから、冷蔵庫冷凍庫が世の中に登場したあたりから、なんとなく想像の中に芽生えていたのかもしれません。
メル・ギブソンといえば『マッドマックス』シリーズが浮かびますが、時代背景もあってか、多くの恋愛作品に出演しています。90年代は多くの恋愛映画が生まれ、今の恋愛映画は文化の違いなどもありますが、やり尽くされてしまったのも不作の原因かもしれません。
イライジャ・ウッドといえば『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズですが、子役時代から活躍していることは、こういった作品で確認できるほどの優れた才能と技術を持った俳優さんです。ただ類に漏れず、子役時代から活動してしまったためか、背が思うより小さいのはご愛嬌ですが、ヒーローを求める映画業界においては役が付きにくいのも事実です。
恋人同士でご覧になるのがおすすめです。結婚を考えているが勇気が出ない方、またはそんなパートナーを抱えている方に観ていただきたい、背中を押してくれる作品です。