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グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち

マット・デイモン主演 ロビン・ウィリアムス ベン・アフレック共演 ガス・ヴァン・サント監督作品。
マサチューセッツ工科大学の清掃員のバイトをするウィル。彼はランボー教授が学生に向けて廊下に書いた数学の難問を匿名で解き、ランボー教授を驚かせるだけの能力を持ち、法律なども丸暗記しているほどの記憶力を持つ天才ながら、仲間のチャック達と夜の街で酒を飲んだり暴れたりと自堕落な生活を送っている。
ある日、とうとう収監されてしまったウィルは、聞き込みで突き止めたランボー教授と接見し、二つの条件を呑めば、外に出してくれるという。
一つ目の条件は、ランボーと数学の難問を考える事。これにはウィルも乗り気。だが二つ目の条件は、自堕落な生活を改めるため、性格改善セラピーを受け、更生する事だった。
セラピーに乗り気しないウィルは次々とセラピストを逆に心理分析して弱さをつつき、怒らせ、門前払いを次々と食らう。困ったランボーは、大学時代の旧友ショーンを頼る。
ウィルの態度にきわめて温厚なショーン。だがウィルがショーンの亡き妻の事をつつくと、ショーンは胸倉を掴んで詰め寄り、激怒。また終わりかと思ったが、ショーンはランボーにセラピーの継続を申し出た。

結末 ネタバレ注意

2回目のセラピーで、ウィルには知識はあるが、心は空虚だと看て取り、ショーンは君の事を知りたいと告げ、ウィルは自分の事を、恋愛を軸に語り始めた。
そしてあのバーで知り合ったハーバード大学の女子学生スカイラーと関係を深めていくウィル。
ランボーの元には、ウィルの存在を知った企業からの手紙が舞い込み、セラピーを早く終わらせろとショーンとケンカに。そしてウィルは企業の面接にチャックを行かせ、スカイラ―と愉しむ。
しかし、スカイラ―にカリフォルニアに誘われたウィルは、互いの育ってきた環境の違いに、関係の破綻に臆病になり、スカイラ―とケンカ別れしてしまう。
更に荒れるウィルは、ランボーともぶつかり、別れを告げる。
ショーンを頼った自暴自棄のウィルは、将来の夢に就いて聞かれ、はぐらかし、ショーンに追い返されてしまう。
ウィルはスカイラ―に詫びるが、2人は別れる。スカイラ―はカリフォルニアへと旅立ち、ウィルはチャックと解体作業のバイトをし、元通りの時間を過ごす。だが、チャックはキレ、友人として、才能を持つウィルに才能を活かせと尻を叩く。
一方、ウィルの才能をいろいろと必要とするランボーは、ウィルを突っぱねたショーンに、才能を活かせなかったショーン自身と重ね、放り出したのではと詰め寄り、言いがかりを付けるが、そこにウィルが現れる。
ショーンはランボーを追い出し、ウィルを温かく迎え入れ、泣くウィルを抱きしめるのだった。
就職を決めたウィルは、ショーンと別れ、チャック達からは車をプレゼントされる。
ショーンもランボーと和解し、休暇を取り、旅に出ようとしていた。
そしてウィルはショーンの家のポストに手紙を残した。
チャックはウィルを誘いに家を訪ね、ウィルがいなくなっていたので、ほほ笑む。
ショーンはウィルからの手紙を読む。するとウィルは就職を辞め、車を運転してスカイラ―のいるカリフォルニアへと向かっていた。

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管理人の批評

1997年、アメリカの作品です。
この作品は若き日の(無名の)マット・デイモンとベン・アフレックが書いた脚本を、ロビン・ウィリアムスが出演を快諾した事によって製作が実現された映画です。
この映画が表現するように、若者というのは皆、大なり小なり才能を持っていて、だけどどこか素直になれないでいる。だから大人にはそれを分かった上で、温かく見守ってほしい、迎えてほしい、そう思うのではないでしょうか?
マット・デイモンはこの映画で、堕落した若き天才、恋を楽しみ悩む青年、空虚な人間、心のガラスが割れる瞬間、新たな道へと進む青年を演じ切っています。「オーシャンズ」シリーズ、「ボーン」シリーズと活躍するマットの原点がここにあります。
私が見てもらいたいのは、解体作業の後にベン・アフレック演じるチャックが、元通りの生活に戻って良かったというウィルの尻を叩くシーンです。自分達のその日暮らしの堕落した生活が良くないとわかりながら、そうするしかできない自分達に取って、隣の天才ウィルには、友達として成功してほしい。やっぱり、才能に気付くのは大人だけではないんですね。
そして台詞が素晴らしい。「おまえは宝くじの当たり券を持っていながら、それを引き換えに行く勇気が無いんだ」日本語用の字幕なので、原文はどうなのかわかりませんが、私はこれに感銘を受けました。
それにショーンがウィルを抱きしめながら「君は悪くない」と包み込むのも素晴らしい。
この映画を学生と教師に見てもらいたいです。ですが、ドラマとして成立しているので見る人を選びません。どなたにも見てもらいたい作品です。