ウィル・スミス主演 アンディ・テナント監督作品。
男性サポートの恋愛コンサルタント、アレックス・ヒッチは、心理学などを駆使し、さえない会計士アルバートを、彼が片思いする取引先の資産家美女アレグラと結びつけるほどの抜群の腕の持ち主。
ある日、バーで見かけたゴシップ誌の記者サラの、男を寄せ付けない振る舞いを気に入ったアレックスは、彼女をデートに誘う。
だがジェットスキーに乗り移る時に彼女の頭を蹴り飛ばしたり、サラの先祖の名前が載った本を見せると、悲しい過去を掘り当てたり、裏目裏目に。
だがサラは、取材対象であるアレグラのデート相手のアルバートの傍にアレックスがいる事に気付き、再びデートを受けるのだった。
料理教室でのデートでアレルギー反応を起こし、顔がパンパンに晴れ上がったアレックス。途中退席し、サラはアレックスを看病して、一晩過ごし、キスをするほどの仲になった。
恋をして上機嫌のサラだったが、親友が男に遊ばれて捨てられたため、その遊び人の男と、アドバイスをしたというデートドクターを復讐の為捜す事にし、それがアレックスだと知ってしまう。
サラは意固地に記事にしようとするが、編集長はサラを思って止める。
サラはアレックスを訪ね、不穏な空気を感じたアレックスは、一方的に仕事を非難されケンカ。アレックスは仕事と顔を世間に晒されてしまう。
それにより、アルバートの恋にも支障を来してしまった。
アレックスは、サラと親友が参加するお見合いパーティーに乱入。そこで話をして初めて、自分を訪ねてきた遊び人の男が、本気でないのを断った事を腹いせに逆恨みし、自分の名刺を出した事を知り、誤解だと主張した。
後日、理解したサラはアレックスに謝罪。だが生きづらくなったアレックスは街を離れようとしていた。
だが、アルバートに、愛のなんたるかを諭され、アレグラにアルバートは本気で愛していると伝え、理解を求めると、アレグラは純粋にアルバートの魅力に触れていた。そしてやってきたアルバートとアレグラは抱き合った。
アレックスはサラの元へ行き、ドア越しに愛を告白。だがサラは男と家を出る。アレックスはめげずにサラを追い、想いを伝え続ける。
命がけの行動にサラは根負けし、アレックスは、一緒にいる男はサラの妹の旦那とわかる。
アルバートとアレグラの結婚式に招かれたアレックスは、一人さびしく過ごすサラの親友と、自分の孫を引き合わせるために命がけの行動に出る老婆とアイコンタクトを送り合った。
2005年、アメリカの作品です。
ウィル・スミスといえば、近年では重厚でシリアスな作品が多いようですが、こういったアットホームなコメディーもできる、そして挑戦する俳優です。
勘違いされてはいけないので、彼は元々はスタンダップコメディアンではなく、ミュージシャンが前身です。それがいつの間にかスター俳優となっていました。
この作品は、デートドクターというセラピー中心のアメリカ社会と自由経済主義、大学での心理学の勉強が生み出したアメリカ的な職業に、非常に日本的な風合いが兼ね備わった地に足のついたドラマです。
アメリカらしい社会の中でも、人間の生活というのは日本と大差無いのだなと感じさせてくれます。
先ほど、アメリカはセラピー中心だと書きましたが、おそらくアメリカ人はヒーロー意識が強いゆえに、あまり悩みを外に出せず、抱えた悩みは友人や職場の同僚より、カウンセリングの先生に相談するのが一般的なのでしょう。
そしてそれを改善するのも、行動しかないのでしょう。ある本によると、精神科医のほとんどの治療は薬漬けで、有効な治療手段を持ちえないと言われています。
まずは悩みを曝け出し、誰かと分かち合い、一緒に考え、奮い立たせて行動に移す。それしかないのかも知れません。
さて、映画ですが、この話はそういったプロが、実際自分の事になるとどうなるの?といういかにもな切り口であり、テーマの作品。
良かった頃の月9を見ているような、そんな感じを思い出させてくれる、ある種、アメリカの映画としては古い映画かもしれません。