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紅の豚

声の主演 森山周一郎 宮崎駿監督作品。
要請を受け、空賊マンマ・ユートから奪われた金貨半分と人質となっていた子供15人を鮮やかな飛行機操縦で取り返したパイロットの豚、ポルコ・ロッソ。豚に邪魔され業を煮やした空賊連合は、凄腕と評判のアメリカ人飛行機乗りミスター・ドナルド・カーチスを雇い入れる。その会合を行っていたホテル・アドリアーナにポルコが現れ、鉢合わせとなるが、マダム・ジーナに仲裁された。だがジーナはその日、3人目の結婚相手の死亡の報せが届いていた。
そして空賊連合はミスター・カーチスと客船を襲撃して、ポルコに宣戦布告。だがポルコは相手にせず、エンジンの不調を感じ、ミラノへ向かった。だがその途上、ミスター・カーチスに襲撃され、撃墜される。ポルコは身を隠し、2日後、ジーナに安否の連絡を入れ、彼女の心配をよそにミラノへと向かった。
工場に着くや、ピッコロの見積もりで貯金を全部持っていかれ、しかもピッコロは17歳の孫娘フィオに全てを任せ、不安がる。だが、徹夜で図面を見ていたフィオに感心し、任せる覚悟を決めた。
ピッコロ一族の女たちが働き、フィオが工夫をどんどん入れ、費用はどんどん嵩んでいく。気晴らしに映画館に出かけたポルコは、元同僚のフェラーリ少佐と再会。彼から監視されていると忠告され、外で迎えに来たフィオを連れ、秘密警察の尾行を巻き、深夜、こっそり飛び立つことにしたポルコに、フィオは心配と調整不足からついていくと申し出、ポルコは叱り、呆れる。だが工場のためにも、フィオを人質として連れて行くことにする。
工場の裏手から川に出て、銃弾を避けようと橋の下を滑走。無事空に上がり、助けに来たフェラーリに、空軍の網の抜け道へと誘導してもらうのだった。
一方、ミスター・カーチスはホテル・アドリアーナのジーナの庭に忍び込み、実はハリウッドから俳優としてオファーされていることを明かし、ジーナを誘い、アメリカへ連れて行こうと声をかける。だがジーナはポルコを思っていると知り、驚く。
ポルコは給油先でアドリア海周辺の不景気を嘆き、隠れ家の島へと帰還。するとテントの中から待ち伏せしていた空賊連合の集団が現れ、ポルコを捕縛。飛行機を壊そうと動く。だがそれを聞いたフィオは怒り、連合を説得。リターンマッチを希望すると、契約が切れたはずのミスター・カーチスが現れ、話し合いの末、フィオを気に入ったカーチスがフィオと修理代金の債権を賭け、再戦が決定した。

結末 ネタバレ注意

空賊連合が島の抜け道から全員引き揚げ、屈強な男たちとやり取りを繰り広げたフィオは今頃震えが。その夜、眠れないフィオにポルコは話をする。
空軍時代、結婚を控えた戦友と、その結婚相手に連れ帰ることを誓い、戦場に飛び立ち、仲間をやられ、逃げ延びた一人のパイロットは雲の平原へとたどり着き、そこで無数に飛ぶ飛行機たちの、その墓場でジーナと結婚するはずだった戦友ベルリーニ達がさらに空の上へと消えて行った。
リターンマッチ当日、会場はお祭り騒ぎ。開戦。ミスター・カーチスが先に上を取る。だがすぐさまポルコが逆転。殺しをしない主義のポルコは余裕を見せ、頭に来たカーチスは本気を出し、とうとう互角の争いを見せる。その頃、ホテルにいたジーナは、フェラーリからの通信で空軍が迫っていると知り、急いで会場へと向かう。
会場では、ポルコが根詰まり、ミスター・カーチスが弾切れで、2人は飛行機を降りて殴り合う。連合は即席リングを作り、ボクシング対決に変更。埒が明かず、お互いに本音を乗せて殴り合い、ポルコはカーチスから、ジーナの想いを聞かされ赤面。そこにジーナが現れ、互いにクロスカウンターが決まり、水の中へと倒れる。ジーナからの呼びかけに、ポルコは起き上がり、勝利が決定。フィオが賞金の修理代を受け取り、ポルコはフィオをジーナに任せ、故郷に、元の世界に帰すよう頼んだ。フィオは別れのキスをした。
ポルコはカーチスを起こし、2人でイタリア空軍を引き付け、みんなが逃げる時間稼ぎを行った。
フィオがミラノへと帰る日、ポルコは現れなかった。その後、フィオはピッコロ社を継ぎ、毎年の夏休みにはホテル・アドリアーナで過ごすことを習慣にした。空賊連合の親分たちもみな年を取り、昔のことをよく話し、俳優になったミスター・カーチスもたまに手紙をよこす。ジーナの賭けがどうなったのか、それはフィオとジーナ、2人だけの秘密。

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管理人の批評

1992年、日本スタジオジブリの作品です。
声の共演:加藤登紀子 岡村明美 大塚明夫 上条恒彦 桂三枝(現・桂文枝)
主題歌「時には昔の話を」加藤登紀子
今も日本テレビの「金曜ロードショー」で何度かお目にかかる不朽の名作です。スタジオジブリ作品は日本テレビでは優遇されておりますが、その中でもお目にかかる回数の上位に上がる作品でしょう。私見ではベスト10に入るかと思われます。
地中海イタリア周辺を舞台に描かれた、飛行機乗りたちの青春を描いた作品ですが、割とリアルであるにもかかわらず、作品の設定や背景を周知するように描かないのも不親切ではありますが、スタジオジブリらしい、宮崎監督らしい作品であると思いますし、原作がありますので、そちらをご一読された方がいいというのも、監督の狙いではあるのかなと思います。
私はこの作品は好きなのですが、ダウンタウンの松本さんは納得いっていないようだと、ラジオでおっしゃられておりました。その理由の一つが、なぜ豚なのかがわからない、ということでした。一応の理由としては、かつての敵たちが下劣だと思っている「豚」にあえてなることによって、敵たちを苛立たせる目的であるというのが一つの説ですが、確かにそれでも必然的な理由とはなりませんね。ただ私はやはりこの作品の風合いが好きなので、設定に疑問があっても、メッセージとして伝えたいことは伝わっているのではないのかな、と思います。
ちなみに、ポルコの隠れ家となった孤島のモデルとなった島が日本にいくつかあり、旅行ツアーが組まれているそうなので、行ってみてはいかがでしょう?
この作品は男映画の内容なんですが、それをジブリの画がコミカルでポップに描いているというのが、人気で愛される理由なのではないかと思います。青春を忘れた男性、そして女性の方も是非ご覧になってください。