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大いなる陰謀

ロバート・レッドフォード主演・監督作品。
イラク戦争が長引く中、ジャスパー・アーヴィング上院議員(トム・クルーズ)に呼び出された記者ジャニー・ロス(メリル・ストリープ)は、「いいネタがある」とタレコミを受ける。
一方、カリフォルニア大学の学生トッド・ヘイズはS・マレー教授(ロバート・レッドフォード)の部屋に呼ばれ、トッドの成績の良さとは裏腹に出席率の低さを指摘される。だが、今の状態のままで成績のB評価を保証するある提案をされる。そしてある2人の学生の話をした。
ジャスパーのネタとは、仲違いしているイラクとイランが対アメリカの為に結託したというものだった。その頃、現地の米軍ヘリが攻撃を受けた。
教授の提案に乗らなかったトッドがやる気をなくしたのは、政治学の無力さに希望を失ったからだった。
ヘリから脱出した兵士、フィンチとロドリゲスこそマレー教授がトッドに話した2人の学生だった。
そしてジャスパーは何らかの犠牲を払って、戦争を動かそうとしていた。

結末 ネタバレ注意

重傷を負ったフィンチとロドリゲスは、助けを待つことに。
一方、トッドはかつての輝きを指摘され、ジャスパーとジャニーは責任の所在をなすりつけ合っていた。
学生時代のフィンチとロドリゲスを思い返すマレー。2人は国民が国家のために為すべき責務について提案。逆に覚悟を問われた2人は、陸軍への参加を表明した。
マレーは食堂で2人を引き止めるが、2人の意志は固かった。
苦境のフィンチとロドリゲスを救おうとする味方部隊だったが、敵の目的がわからず手をこまねく。
ジャニーは戻ったジャスパーに自社ANXが企業に買収され、今やただのビジネスライクであることを詫びる。だがジャスパーはある知らせを受ける。ジャスパーは辛い表情を浮かべ、2人は別れた。
トッドは激怒し、マレーとの議論は白熱。マレーは入隊を勧め、活躍と貢献を望んでいた。
帰社したジャニーは国家の手先になることに反発し荒れ、上司のハワードに八つ当たりし、報告を拒否した。
フィンチとロドリゲスはタリバンと抗戦状態に。マレーは時間が来ても尚、トッドの説得を続ける。
戦場の2人は弾切れし、立ち上がり、射殺された。
ジャニーは軍人の慰霊碑に涙し、トッドはアフガンで新作戦を展開するというニュースに心を動かされていた。
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管理人の批評

2007年、アメリカの作品です。
共演:トム・クルーズ メリル・ストリープ アンドリュー・ガーフィールド
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
この作品は、世界的な影響力を持つ国家アメリカの将来について警鐘を鳴らしたものです。政治家は謀略を巡らし、気骨のある記者は大企業に牛耳られた4大ネットワークの中で煙たがられふて腐れ、若者は政治のニュースから目を背ける、という状況に製作・監督・主演のロバート・レッドフォードは大いに心を動かされ、7年ぶりにメガホンを取りました。
テーマには意欲的だったものの、映画人として議論を中心とする会話劇につまらなさを感じていたロバートですが、最終的にはそれをいかにドラマティックで楽しいものにしようかと考え、トライしたそうです。
そして気を付けたのが、答えを押し付ける教訓映画ではなく、質問を投げかけ、観客に考えてもらうこと。その意味では、我々観客はトッドなのかもしれません。
アメリカでは時折入隊希望者を増やすために戦争映画を撮りますが、それらは「プロパガンダ」と呼ばれ、気が付くと戦争への意義を感じ始めています。
そして本作は「アメイジング・スパイダーマン」で主演を務めたアンドリュー・ガーフィールドの映画デビュー作でもあります。若き日の彼の姿を目に焼き付けるのもいかがでしょうか。