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ミヨちゃんのためなら全員集合!!

ザ・ドリフターズ主演 渡邊祐介監督作品。
漢方薬工場・伊刈堂本舗。主人の長吉は嫁に逃げられて乳飲み子を抱え、高校時代のブラスバンド部の後輩からの付き合いの従業員たちも低賃金に嫌気が差し、退職を談判。警察にも漢方薬製造の際に発生する煙と激臭に、近隣住民からの陳情が来ていた。
逃げ出す従業員たちの中で、高校卒業の際に長吉に恩のあるヒデオ(24)は捕まってしまい、一人残って働き、更には女房代わりの家事もさせられる。
ある日、工場の煙害を受けた長吉達の母校の体育教師・花山が警察署に苦情を言いに行き、署長と将棋を指して帰る途中、芸者のぽん太と遭遇。ぽん太は伊刈堂の従業員だった忠次が勤め直した料亭で、金満政治家・熊井の相手をさせられた後だった。
だが、政治家子飼いのチンピラが因縁を付けて来て、花山は大立ち回りを演じる。
そして帰宅した花山は、曲作りを始めた。
町会部長でもある熊井の音頭で伊刈堂立ち退きの決起集会が開かれるが、出席した花山は熊井の土地買収計画を突っ込む。
その頃、配達帰りにトラックの荷台で昼寝をしていたヒデオは、高校時代の同級生で、想いを寄せていた美代を思い出す。
そして走り出すとヒッチハイクをするギャル3人組が。ヒデオは応じるが、中の一人は美代にそっくりだった。

結末 ネタバレ注意

ギャルと弁当を食べ、帰宅が遅れたヒデオは長吉にこってり絞られ、メシ抜きの刑。堪りかねたヒデオは長吉殺しを発動するが、長吉の苦労を思い知り、思い止まる。
一方、東京から来たギャル3人組の1人、美代は花山の妹だった。
花山は美代の見合いを仕込んでおり、美代は面白半分で受ける事に。
署長からの立ち退き命令に花山家へ殴り込む長吉達だったが、花山家は留守。花山兄妹を追って、前の従業員3人と全員集合する。
それに気付いた花山は誤解を説明し、現れた男と美代の見合いをする。だが男は熊井と繋がりがあるようだった。伊刈堂の5人は楽器を練習する。
見合い相手の若い男は熊井と計画を詰めるが、男は美代に惚れてしまっていた。だが花山は美代に反対を表明し、美代は訪ねて来たヒデオと語らう。上機嫌で帰宅するヒデオだったが、日記の暗殺計画や悪口を見た長吉にボコボコにされる。
美代は男とドライブする事で情報を聞き出し、友達と土地買収の不正情報をまとめる。
花山は伊刈堂立ち退き住民投票に不正を感じ、暴れて妨害するも、立ち退きは決定してしまう。
伊刈堂は問屋から取引を断られ、花山は留置場でコソ泥と再会。
美代たちは熊井が料亭で、東京の漢方薬の問屋達と宴会をしていると聞き、ぽん太の手引きで芸者として潜入。
一方、伊刈堂を守れなかったと長吉は自決を決意し、ヒデオは道連れにさせられ、ヒデオは裏の井戸に石を投げ、身投げしたフリをして逃げる。
熊井は会を抜け、若い男と祝杯。従業員の風太達がマイクを仕掛けるも、なぜか芸者に扮したヒデオが乱入し、マイクを見つけて、若い男にバレてしまい、熊井の部下にテープを奪われてしまう。
だが、本物のテープを持った美代の友達がテープの音声を宴会に流し、熊井と男は問屋連中に袋叩きに遭う。
そこに署長と花山が現れ、止めようとするも、大混乱。
出刃包丁を研いだものの、ためらっている長吉は、知らせに来た人たちの登場で、体裁の為、死んだふり。花山たちは泣くが、長吉も泣き出し、皆驚く。
教師を辞める事になった花山は駅のホームで5人の演奏に送られながら、美代と出発。
そして長吉の女房が戻ってきた。煙突に器具を付け、工場は5人体制に戻る。長吉の立場は弱くなり、会社の旗の代わりに、洗濯物が掲げられた。
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管理人の批評

1969年、昭和44年、日本の作品です。
共演:倍賞美津子 三木のり平 左とん平 松岡きっこ ハナ肇
3年目はヒット曲「ぼくのミヨちゃん」により、ミュージカル性も、物語としての熟練度も増し、見応えのある作品となっています。
そして同じラインの先輩であるハナ肇さんが出演されております。ハナさんはクレージーキャッツのリーダーであり、俳優としての能力を開花させ、喜劇ですが主演作も多く、刑事ドラマ『大陽にほえろ』の初期にも出演されております。
芸能人にとって自分と同じジャンル、同じラインの先輩は、目の上のたんこぶであり、自分の指針でもあります。いかりやさんにとって、ハナさんの出演は苛立ちもあり、嬉しくもある、そんなものだったのではないでしょうか?
今作はコメディーとしての精練性が前作、前前作に比べ、かなり増しているので、近年のドリフのコントが好きな方は見応えがあると思われます。まだ志村さんは出てきませんが、存分に楽しめる作品です。