アンドリュー・アダムソン監督作品。
第2次世界大戦の最中、4兄弟は戦火を逃れるため疎開、田舎のカーク教授の屋敷へと預けられる。
世話係マクレディの「静かに」という命令を無視して、かくれんぼを始めた4人。末っ子のルーシーは空き部屋の衣装ダンスに隠れるが、奥行きがあり、奥へと進んでいくと、そこは雪に埋もれたナルニア国とつながっていた。
ルーシーは下半身が獣のフォーンと遭遇。フォーン・タムナスに「ここはナルニア国」と教えてもらい、お茶に誘われるが、家でタムナスは泣き出す。というのも、ナルニアを牛耳る白い魔女の呪いで、人間の少女を見つけたら、誘拐しろと言われていると告白。だがルーシーの優しさに、タムナスは彼女を元の世界へと送り返す。
屋敷へと戻ってきたルーシーは、時間が経過せず、タンスを調べなおすとナルニアへの入口が無かった。
その夜、ルーシーはナルニアへと向かい、次兄のエドマンドもルーシーを追い、ナルニアへ。
エドマンドはルーシーを見失い、白い魔女の馬車と遭遇。ルーシーを追ってきた事やタムナスと会っていた事を話すと、魔女はエドマンドをもてなし、別れる。するとルーシーが現れ、白い魔女は悪者だと言うが、エドマンドは取り合わない。屋敷へと戻り、ルーシーは長兄のピーター、姉のスーザンにナルニアの事を伝えるが、信じてもらえず、泣き出す。
カーク教授は半信半疑のピーターとスーザンからナルニアの話を聞き、信じるよう諭す。
翌日、庭で遊んでいた4人は屋敷の窓を割ってしまい、マクレディさんに叱られるのを恐れ、ナルニアへと入ってしまう。
タムナスが捕まった事を知り、後を追う4人はタムナスの知り合いであるビーバーの夫婦に呼び止められ、救世主と崇められる。だが、白い魔女を善人と信じるエドマンドは一人、魔女の下へと向かった。
白い魔女はエドマンドの情報で狼たちを差し向け、ビーバー夫婦と兄妹3人は逃げ出し、洞窟を抜けると石像にされた友が。そこにキツネが現れ、キツネはビーバーと兄妹たちをかくまい、追手の狼たちにへつらうようにしてやり過ごした。そしてキツネはアスランの為に働いていると告げた。
白い魔女は牢に入れたエドマンドを尋問し、始末されかけたエドマンドはアスランの名を口にする。魔女はフォーンを石にして、エドマンドを連れて出発。
一方、突然現れたソリに追いかけられ、ピーター達は逃げるが、ソリに乗っていたのはなんとサンタクロース。そしてピーターは剣、スーザンは弓矢、ルーシーは傷薬を貰う。
氷の川に到達した頃、また狼たちに襲われ、だが氷が崩れ川に流され、ピーター達はようやく雪を抜ける。
魔女はキツネを捕まえ、エドマンドは助けようとして軍隊の事を喋り、キツネは石にされてしまう。
ピーター達はアスランの軍のキャンプへと辿り着き、ナルニア国王である、ライオンのアスランと会うと、アスランはピーターを王として扱い、ピーターは魔法の事を知る。
スーザンとルーシーが川遊びをしていると、狼たちが現れ、ピーターは剣を向け、狼を倒し、騎士として認められる。そして逃げる狼を追った騎士オレイアス達はエドマンドを救出。エドマンドは自分のしてきた事を後悔していたが、許してもらい、剣を取った。
4人が戦いの為訓練をしていると、白い魔女はキャンプに現れ、アスラン王と会見。魔女は挑発を繰り返し、エドマンドを渡すよう要求するが、交渉は決裂。アスランはエドマンドを守る。
その夜、キャンプを抜け出すアスランをスーザンとルーシーは尾行するが気付かれ、見送りをさせられ、2人は物陰から、祭壇でエドマンドの代わりに処刑されるアスランを見守った。
アスランの亡骸に寄り添った2人は伝令を飛ばし、ピーターは指揮を執り、両軍は激突。
激しい戦いが繰り広げられる中、スーザンはアスランから離れ、行こうとすると、アスランはエドマンドの身代わりゆえに、復活。仲間を呼ぶ雄叫びをあげる。
そしてルーシーやアスラン達は魔女の城へと向かい、息吹で、石にされたタムナス達を甦らせる。
戦場では、エドマンドが魔女の魔法の杖を折るが、刺されてしまい、ピーターは魔女と一騎討ちをする。
そしてアスラン達が味方を連れ現れ、アスランは魔女にとどめを刺す。
ルーシーは傷薬を一滴、エドマンドに含ませると、彼は復活した。
兄弟4人は緑に包まれた城で戴冠。新しい王の誕生により、アスランは去って行った。
4人はやがて大人へと成長。馬を飛ばして森を走ると街灯を見つけ、タンスの事を思い出し、元の世界へと戻る。
すると4人は子供に戻り、屋敷へ。カークがボールを返して迎え入れた。
その夜、ルーシーはまたタンスを覗くが、ナルニアへの入り口は無い。カーク教授はルーシーを見つけ、「簡単には行けないが、忘れぬように」と伝えた。
2005年、アメリカの作品です。
元々はイギリスの小説で、ディズニーアニメにもなっているようですが、実写化されました。小説やお話は日本にはあまり伝わっていないので馴染みがありませんが、ファンタジックな内容の為、日本での放映も大きく受け入れられました。
やはりハリー・ポッターと似たような雰囲気を持っています。ですがこちらにはあまり遊びの部分はありません。硬派であると言えます。
白い魔女の登場やアスラン王の正体など、驚かされる部分はたくさんあり、子供でも楽しめる作品であることは間違いありません。やはり映画とは前情報なしで見ると、また違った面白さがあるのではないでしょうか?
CGや特殊メイク、VFXをフルに使った作品の為、お芝居としての評価はしにくいかと思いますが、子供達はよくやっています。原作がしっかりとしていますから、言う事はありません。
ここから「第2章 カスピアン王子の角笛」へとつながっていく事を考えると、基礎の役割を果たし、次の作品づくりに大いに役立っていると感じられます。ただ、時代が違う為、次をどうしても見なければならないという事ではありません。ナルニア国物語は、ナルニア国をめぐる数々の歴史という事です。