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プリティ・ウーマン

ジュリア・ロバーツ リチャード・ギア主演 ゲイリー・マーシャル監督作品。
実業家エドワード・ルイスはパーティーを抜け出す為、顧問弁護士のフィリップ・スタッキーのマニュアル車を借りて、街へ飛び出す。
一方、娼婦のビビアン・ウォードはルームメイトで部屋の契約者であるキットがドラッグ欲しさに家賃を使い込んだ為、家賃稼ぎに非常階段から外に出て、街を流すと、道に迷っていたエドワードに案内を頼まれ、代わりに運転。ホテルに到着する。
すると、エドワードはビビアンを誘い入れ、高級室であるペントハウスへ。ルームサービスを戴き、軽い世間話をしてから、お互いそれぞれの仕事をして夜を明かした。
翌朝、共に朝食を摂り、エドワードはスタッキーと打ち合わせをすると、モースとの買収の話し合いの席に女性がいれば場が和むと助言され、ビビアンを日曜までの6日間、3000ドルで雇う事にする。
ビビアンは戸惑い、キットに相談し、ドレスを買いに見知らぬブティック街を歩き、思い切って飛び込むものの、下品だと追い出されてしまう。
涙ぐみホテルに戻ったビビアンは、トンプソン支配人に声を掛けられ、ハンカチを渡されて事情を話すと、すぐに婦人服担当を呼んでもらう。
モース社の株価高騰を抑止したエドワードはビビアンに予定を連絡。ビビアンはトンプソンにテーブルマナーを教えてもらう。
夜、エドワードはトンプソンから伝言を受け取ってラウンジに迎えに行くと、そこには黒いドレスに身を包んだビビアンがいた。
さっそく、モースとデイビッドとの会食に挑むが、料理はカナッペやエスカルゴと予定に無い物ばかりで、ビビアンは苦戦。エドワードは2人に手を引くよう言われ、交渉は決裂する。
ホテルのベランダで会話し、ビビアンはいなくなったエドワードを捜して、営業終わりのホテルのラウンジで、ピアノを弾く彼を見つけ、エドワードは2人きりにしてもらい、ピアノの上で愛し合う。
翌朝、話を聞いたエドワードはビビアンを連れて別のブティックへ。思う存分買い物をさせ、自分は仕事に戻り、ビビアンは自分を追い出した店に反撃しに行った。
モース社が株式の巻き返しをしていると聞き、スタッキーは銀行融資を止めさせるよう電話を差し出すが、エドワードはただ会社の部門を切り売りして利ざやを稼ぐだけの生産性の無い自分の仕事に迷いが出てきていた。
翌日は休日で、エドワード主催のポロ大会が行われ、連れてきてもらったビビアンはゲストのデイビッドに話しかけられ、楽しく会話。だがそれを見た事情を知らないスタッキーは、彼女をモースのスパイだと感じ、慌てた為、仕方なくエドワードは、ビビアンは娼婦であると明かす。スタッキーは安心したが、ビビアンを見下し始めた。

結末 ネタバレ注意

スタッキーに話しかけられたビビアンは、下品な質問に内心怒り、ホテルに戻り謝るエドワードに収まらず、ケンカする。ビビアンは金も受け取らずに出て行こうとすると、エドワードはエレベーターの前で謝り、デイビッドへの嫉妬だったと詫び、仲直りし、2人はベッドへ。
ビビアンは恋人を追ってこの街に流れ着き、今の仕事をするまでを話し、翌日、エドワードはスタッキーを叱ると、今日の休日は、ホテルの皆に見送られてデート。
プライベートジェットを使い、オペラ鑑賞に感動したビビアンは、夜チェスをしながら、エドワードに頼み、翌日も休みにしてもらい、今度は公園などで2人きりの時間を過ごす。
その夜、ビビアンは娼婦にとってタブーの唇と唇のキスをし、2人は結ばれた。
最後の日、明日ニューヨークへと帰るエドワードは、ビビアンの部屋を用意し、連れ帰ろうと迫るが、ビビアンは囲われる気は無いと拒否し、会いたいというモースの元へ。
ビビアンは苦しい胸中をキットに告白する。
買収に応じる覚悟を決めたモースに、エドワードはパートナーとして事業継続を望みたいと伝え、呆然とするスタッキーに後を任せて、外へ出て裸足で芝生の上を歩く。
大儲けがパーになり、荒れるスタッキーはホテルに顔を出し、原因と誤解してビビアンを襲おうとするが、エドワードに張り倒され、追い出される。
申し出を断り、引き止めにも応じないビビアンはトンプソン達に挨拶し、送迎リムジンでアパートへ帰っていった。
出発の日、エドワードはネックレスの返却をトンプソンに頼む。
一方、ビビアンは働きながら高校を卒業しようと考え、自立の準備を始め、キットを励ます。
エドワードは送迎リムジンの運転手の案内で、バラを持ってビビアンのアパートへ。非常階段を上がったエドワードは、ビビアンとキスをした。
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管理人の批評

1990年、アメリカの作品です。
共演:ヘクター・エリゾンド(ホテルの支配人)
日本でも大ヒットしたかなり有名な作品で、主題歌を鼻歌で歌えるくらい知っているという人も多いのではないでしょうか?今更な映画だからこそ、書かせていただきました。
冒頭の車中のシーンで交わされる会話に「肘から手首までの長さは、足のサイズと一致する」という雑学が出てきますが、まさかこの雑学が2014年に日本のCMでまた聞けるとは思いもよりませんでした。
私が観ていただきたいのは、エドワードからドレスを買うよう渡された新品の札束を、次のシーンではビビアンがブティックでクシャクシャにして見せびらかすシーンです。
アメリカのお札は日本のとは紙質が違い、やや布に近いそうですが、あの短時間でよくあんなにクシャクシャに出来るものです。まあ、それだけ、財布にキチンとしまうという素養さえ身についていないという事を表現する名シーンです。
エドワードの仕事は、財閥的な企業の株を大量取得し、経営権をはく奪し、技術を欲しがる企業に高値で売りさばき、利ザヤを儲けるという仕事ですが、日本ではなかなか考えにくいものです。最近増えてきたホールディングスというのは、持ち株会社で、株式を他人に取られて、好き勝手されないように株式を守るという部門会社です。むしろエドワードのような企業から守る側と言えます。
赤字となった炭鉱を閉鎖したり、近年では電器メーカーが赤字部門を切り捨てたり、とありますが、それの株式版といったところでしょう。
株式という何も生み出さない物を扱うだけの企業というのは、日本人では受け入れにくいものですが、アメリカは資本経済主義。そういう事もまかり通るのです。株式を購入するという投資をして、成果に喜び、配当をいただくという元来の目的とは逸脱しているように思えますが…。
ただ日本でもライブドアVSニッポン放送(フジサンケイグループ)の事で、株式会社というものの危うさを日本人も感じ取る事が出来たわけですが、我々庶民にはデイトレードやNISAくらいしか関わる事がありません。ですが、大塚家具の問題で株式の所有権を見たところ、やはり海外の株式関係の会社は入り込んでいるのです。
一方、ビビアンが唇を許さないというのは、実は日本でも江戸時代の吉原であった風習で、そういった商売に就く、就かざるを得ない女性の最後のプライドはどこも同じであるのだと感銘を受けます。
ちなみに吉原では、大金持ちが所属の置屋に大金を払って身請けしてもらい、抜け出す(『あ・うん』)場合、愛で結ばれたものの金が払えず、心は繋がっていると女郎が小指を切って渡す場合、かと思えば偽の小指をたくさん作り、他のお客のつなぎ止めに使う場合、年季が明けるまで辛抱する場合などがありますが、落語にそういう話が多いので、気になった方はそちらをお探し下さい。
さて、敢えて書かせていただいた共演のヘクター・エリゾンドは、日本でも実は割と馴染みが深く、TVドラマ『刑事コロンボ ハッサン・サラーの反逆』(ハッサン・サラー役)、『名探偵モンク』(精神科医ドクター・ベル役)でお目にかかる事が出来る、そして重要な役を演じる事が出来るレベルの高い俳優ですので、ぜひ着目下さい。