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めぐり逢えたら
メグ・ライアン主演 トム・ハンクス共演 ノーラ・エフロン監督作品。
シカゴにて、妻のマギーを癌で失ったサム（サミュエル・ボールドウィン）は、再起の為、気分を変えようと幼い息子ジョナを連れてシアトルへ転居する。
それから１８ヵ月後、ニューヨーク・ボルティモアにて、女性新聞記者アニーは、かねてからの恋人ウォルターと婚約。パーティーの帰り、カーラジオを点けたアニーは、流れてきたラジオ電話相談を耳にし、父が落ち込んでいるため電話を掛けてきた少年ジョナとＤＪのやりとりから、サムがジョナをたしなめ代わり、ＤＪに促されて心の内を話すサムの話に、アニーは涙を流す。
翌日、新聞社でもその話になり、年が明け、サムは仕事仲間にラジオ出演の事を知られ、ラジオ局を通し、大量のファンレターが送られてくるが、それはサムがラジオにたびたび出演するからだった。
ウォルターと夜を共にしているというのに、アニーはたまに聴くサムの事が気になってしょうがない。そしてとうとう、ウォルターを捨て、サムと結婚しようと、手紙を書き始めるのだった。
結末 ネタバレ注意
アニーは仕事にかこつけ、ラジオ局を通してサムの事を突き止め、手紙を出す。
一方、アニーから手紙が届いたサムは、西海岸からの手紙が東海岸のシアトルに来た事に気にも留めず、知り合ったヴィクトリアとデートへ出かける。だが、ジョナはその手紙に興味を持つのだった。
アニーは出張と称し、シアトルへと出発。一方、空港へヴィクトリアを送りに来たサムは、手紙が気になってしょうがなく、ヴィクトリアを邪険にするジョナを、ただのデートだとなだめ、恋愛とはどういうものかを語り聞かせるが、降り立ったアニーの姿に目を奪われるものの、見失ってしまう。
アニーはサムを遠くから監視し始め、近づこうとするもためらい、サムに気付かれ、目が合うが、あいさつを交わすだけ。そしてアニーは恥ずかしさの余り、ボルティモアへと帰り、友人ベッキーに愚痴る。
アニーの手紙を勝手に送っていたベッキーの元に、ジョナが女友達ジェシカと勝手にサムの名で書いた手紙が届く。開くとそこには、悪い文章ながら、「エンパイアステートビルの展望台で会いたい」と記されていた。
だがアニーは諦め、ウォルターとの仲を深め直す。
一方、ジョナはサムにニューヨーク行きを勧めるも、拒否され、家出して一人でニューヨークのエンパイアステートビルへと飛行機で向かう。ジョナがいなくなったサムは、ジェシカに尋ね、ジョナの後を追う。
アニーはウォルターにここしばらくの自分の挙動不審を説明し、婚約を解消する。そしてエンパイアステートビルのネオンがハート型になり、ビルへと向かう。
そして展望台で、サムとジョナは再会し、抱き合う。
ビルに着いたアニーは、入場終了の時間になってしまったため、困惑するが、警備員が映画『めぐり逢い』の大ファンで、似たシチュエーションの為、入れてもらう。だがエレベーターに飛び乗った直後、サムとジョナが下りのエレベーターに乗って出入りフロアに現れ、入れ違いに。
アニーは誰もいない展望台に佇み、リュックを見つける。すると忘れ物のリュックを探しにジョナとサムが現れ、サムとアニーは再会し、手を取り合った。
管理人の批評
１９９３年、アメリカの作品です。
直訳は「シアトルの眠れぬ男」ですが、邦題はケーリー・グラントとデボラ・カーの「めぐり逢い」に敬意を表し、「めぐり逢えたら」となっています。言わばリメイクなのですが、ぜひともいつかは「めぐり逢い」の方も観てみたいものです。
さて、シアトルといえば、日本人にはイチロー選手が長年所属していたシアトルマリナーズが有名ですが、位置としてはアメリカ北西部。西海岸の一番北に位置し、カナダと接しています。そして作中でアニーの友人ベッキーが言っていますが、シアトルは１年の内９か月は雨だそうです。となると彼らはどうやって野球をしているのでしょう？
９０年代の映画の割には、画質が古臭いような…、８０年代の、いやそれ以前の感じもしました。やはりリメイクだけに、『めぐり逢い』に寄せているのでしょう。
この作品を観ていて、２人が逢えるか逢えないか、それがとても歯がゆくて、せつなくて、涙が出そうになりました。運命の出会いが突然訪れる。不思議な事に最近では聞かなくなった言葉です。そもそも恋愛はそばにいる人とでないとできないものです。だからこそ相手の事をいつしか好きになる。それがこの作品では、会った事も無い男性の声と言葉を聞いただけで心惹かれてしまう。それで突き動かされてしまう。石垣島の人が利尻島の漁師に恋をしてしまうようなものでしょうか？
それにしても貴重な事に、メグ・ライアンのロングヘアーが見られます。その為印象がショートヘアでおなじみの近影とはガラッと変わり、ユーガットメールから入った人でも、まったく混同する事無く楽しめる事でしょう。
あまりにもロマンチック、メルヘンチックな話なので、恋人同士夜のお楽しみに家で見るのがおススメです。ただくれぐれも、ウォルターのようにはならないように気をつけて。