フランク・キャプラ監督作品。
アメリカのある州で、選出される上院議員2名のうち、フォーリー議員が急死。結託している州知事やペイン上院議員達はあれこれと立候補者を検討するが、政治記者達はすぐに裏を読み、猛烈バッシング。ペイン達は更なる検討の結果、子供達からの人気の厚い少年レンジャー隊の隊長、ジェフ・スミスを擁立する。ジェフはペインにとって亡き友の息子であり、自分を慕うジェフは飼い慣らすのに匹敵と思えた。
ジェフとペインはワシントンへ上京。駅に着くや人の多さや都会の雰囲気に心打たれたジェフは勝手に単独行動開始し街を歩き回り、ペインや迎えの人間達を混乱させる。
自分の事務所にたどり着いたジェフは早速新聞記者達の取材を受ける。そして翌日、上院議会で認証を受けるが、人々からおちょくられ、問題の新聞を確認。自分の訴えたい事でなく、キャラクターばかりを乗せた記事と写真に怒りを覚えたジェフは、街でその記者を見つけるや殴り付け、逃げる記者を追いかけまわす。だが、逃げ込んだ先の記者クラブで大勢の記者達に「ペインのお飾り」とそしられてしまい、肩を落として引き下がる。
立派な議員になろうとペインに相談したジェフは、法案の作成を勧められ、秘書のサンダース女史にルールをレクチャーされながら、共に「子供たちの為の国立キャンプ場設立とその利用法案」を作成し、発表、提出するが、ペイン達には寝耳に水。キャンプ場予定地として挙げる場所はペイン達がダムを建設して、儲けようとしている場所だった。
慌てたペインは、ジェフが娘のスーザンに気を寄せている事から、ジェフの気を逸らそうと考え、ジェフは引っかかる。呆れたサンダースはジェフにペイン達の事全てを暴露して辞職した。
怒りに燃えるジェフは、問い質そうとペインに詰め寄るが、その黒幕のテイラーに政治のカラクリを説明された上で、仲間になるよう説得される。スミスは飛び出し、次の議会開催で告発を試みるが、ペインが割り込んで来て、逆にダム建設における収賄の罪を着せられてしまうのだった。…続く
→周囲の多くの人間達に失望され、打ちひしがれるジェフ。そんな彼を救ったのは辞めたものの人生をつまらなく感じていたサンダースだった。彼女はジェフに知恵を授け、議場に彼を送る。
議会でジェフを待っていたのは野次だったが、ジェフは発言が「終わるまでは議会を中止できない」という法律を逆手に取り、議場を独占するという秘策に打って出た。サンダースはこの珍事で新聞各社が、真実を訴えようとする彼の事を大きく取り上げるはずだと睨んでいたが、テイラーは潤沢な資金で新聞記事を買収。出された新聞にはジェフへのシュプレヒコールしか載らなかった。
その事を知ったサンダースは、ジェフ自身が社長を務める子供新聞ならテイラーの魔の手がかかることはないと協力を要請。子供達はジェフを擁護し、真実を伝える新聞を刷り、届けようとするが、それを察知したテイラーは大人の力で印刷所や配達する子供たちを襲撃、機械の破壊や事故、誘拐まがいの事件が多発する。
議会のジェフにはサンダースを通じ、その事が。そしてペインは発言を辞めさせるために、議会に子供達からのジェフを非難するでっち上げの電報の束を導入する。それを読んだジェフは偽りに気付き、亡父の旧友ペインに対し、弁護士だった亡父の教えである誇りを、そして何者にも屈しない事を強調するや、休みなしで立ち、喋り続けたジェフは力尽き、倒れる。
ペインは裏に引き下がり、安心するテイラーに罪の告白を相談。強く止められるが、ペインはテイラーの腕を振りほどき、議会に戻って、いたたまれず自分の罪を告白するのだった。
この作品の見どころとしては、監督こだわりの演出が隅々まで張りめぐらされている事でしょう。ジェフがスーザンに対しての恋心の落ち着かなさを手に持った帽子で表現するところは見ものでしょうね。
そして議会において一人ジェフに好意的である議長の存在も、特に微笑むところは感動的です。
また、重要なキーポイントとなるのが子供たちの存在です。議会には小間使いのように子供がいるのですが、ジェフからもらったバッジを一度は捨てるも、また飾られる事で、はしゃげない子供たちの心情を描くところも素晴らしかった。他にも地元の子供たちが訳知り顔で詰め寄ったり、大人達と激しい戦いをするところは圧巻です。
物事を決めるコインが立ってしまうのも面白かった。
伏線として小さい者と大きな者の戦いについて言及しているのも良かったですね。
欲を言えば、ジェフの父とペインとの友情を言葉だけでなく、回想シーンでじっくりやっても良かったですね。