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ザ・キーパー 監禁

デニス・ホッパー主演 ポール・リンチ監督作品。
ストリッパーのジーナは、仕事帰りに恋人と立ち寄ったモーテルで、何者かに襲われ、恋人は死亡、だが人が駆けつけ、自らは助かる。
ジーナは病院に運ばれ、退院の日、捜査を担当する郡保安官クレブスが迎えに現れ、ジーナはそのまま眠らされ、目が覚めると、牢屋に監禁されていた。
一方、ジーナから連絡をもらう予定のバーンズ巡査部長は連絡が来ない事に不思議がっていた。だがクレブスは同僚としてバーンズをいなした。
クレブスはジーナに、独自の更生プログラムを課し、教育を施そうとしていく。だが、自らの熱心なファンであるルーシーが、クレブスの表向きの趣味である人形劇を評価し、余計な仕事を増やされてしまう。
一方、バーンズは他のダンサーを狙った犯人を捕まえ、前の事件と照合するため、ジーナを捜す必要が出来ていた。
脱走に失敗したジーナは、長い監禁生活を言いつけられる。

結末 ネタバレ注意

監禁生活も3か月を迎え、ジーナはすっかり従順になりつつあり、しかし脱走を諦めず、機会を窺っていた。そしてバーンズもまだ諦めずジーナを捜していた。
クレブスはジーナにドレスを贈り、自らの生い立ちを話し始める。
クレブスの父は海軍上がりの警官だったが、拳銃自殺をして、母親は元ストリッパーで、突然蒸発し、そしてクレブス自身、父により幼少期、監禁生活を強いられていた。
チャンスが生まれ、ジーナは脱走。だがヘリコプターに気付いてもらえず、クレブスに連れ戻される。
バーンズは、ジーナの他にもストリッパーが消えた事例がある事を知る。
ジーナに気付かず行ってしまったヘリコプターだが、それは人形劇のプロモーションビデオ撮影用のヘリで、中に乗っていたルーシーは、森でジーナを押し倒すクレブスの姿にショックを受け、泣いた。
更にルーシーは、クレブスの留守中に不法侵入。そこで監禁されたジーナに気付き、ジーナは助けを求めるが、ルーシーはあろうことか口止め料としてクレブスの愛を求め近づき、包丁で刺し殺されてしまう。
バーンズは以前に失踪したストリッパーの容姿が、ジーナに似ている事に気付く。
クレブスは、ジーナに、母親は父親に殺された事を告白し、抵抗するジーナを車に詰め、湖へ。だがトランクから出そうとする時、ジーナの不意打ちを受け気絶。その拍子にジーナを乗せた車は湖へ入り、浸水が始まる。
そこへ、バーンズが駆けつけ、ジーナを救出。だがクレブスに刺され、ジーナはバーンズの銃を取り、クレブスを撃ち殺し、キスをしてやった。
警察署で、自分を襲った強姦魔を確認をしたジーナは、他の警官に家まで送ろうかと尋ねられると、拒否した。
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管理人の批評

2003年、イギリス・カナダの作品です。
共演:アーシア・アルジェント ロックリン・マンロー ヘレン・シェイヴァー
主演のデニス・ホッパーはかつてスーパーマリオの実写版でクッパ役を演じた事もあり、悪役の演技はさすがの圧巻です。そんな彼は2010年に前立腺がんにより、この世を去りました。心からご冥福をお祈りいたします。
性犯罪者に多いのが、幼少期に親などから似たような仕打ちを受けた事がある場合です。その点については被害者でもあるのですが、はたしてそれを機密保持の原則があるとはいえ、精神科医に打ち明けられましょうか?なかなか難しくもありましょうが、そういうところで、自分の性癖が社会にとってどう位置するのか、そしてなぜ自分では抑えが利かなくなってしまうのかというのは大きな謎です。
はてさて、登場人物のジーナはストリッパーですが、これも決して社会的に堂々と顕示できる、誇れる職業ではありません。中にはその存在を認め、大いに楽しむ人、逆に忌み嫌う人、その度合いは様々で、時に崇められ、時に追い立てられ存在してきました。
最近の日本ではこういった風俗産業の就労女性の問題点について、貧困の面や、強引な勧誘といった部分について、支援や救いの手が差し伸べられつつあるようですが、一方で、まあ人間の三大欲求の一つですから、需要は果てしなくあります。
ただストリップというのはショーの側面が強いので、そこまでの嫌悪感は持たれない訳で、今作でも決して職業に対する偏見から監禁が始まっているわけではないので、この話をそこまでする理由も無いのですが、敢えて書きました。それはやはり性を商品にする以上、それなりの危険性を伴うという面がどうしてもあるからです。こればかりは客の理性の外を満足させている事に対して、理性を求めてもしょうがありません。
逆に言えば、今作はたまたまストリッパーでしたが、むしろどんな職業にも言える事であり、性がある以上、避けられない危険というのがあるのも事実です。
今作について言える事は、歪んだ性癖、性欲の増長を、理性で抑えなければならないという事です。常用される言葉かはわかりませんが、“淫獣”と化さないよう、どこかでセーブ、そしてどこかで自らの性欲に対して、永遠のブレーキをかけなければいけない。それは性欲が特殊な人もそこまでではない人も、一緒です。