スティーブン・セガール主演 ディーン・セムラー監督作品。
ウェスリー・マクラーレンは娘のホリーと、友人のフランクが営む牧場で獣医として暮らしていた。
だがその近くでは過激派が集会をしており、しかしほどなく警察が包囲。だがリーダーのフロイドは抵抗することなく投降する。
逮捕されたフロイドは、裁判所で悪態をついたかと思えば、極めつけは判事に唾を掛けた。
ウェスリーは旧友のバックからの電話を受ける。CIAの仕事に嫌気が差していたウェスリーは頭ごなしに断るが、バックは任務としての電話だと告げた。
町からの帰宅途中、連絡を受けたウェスリーは病院で重体の判事を診察。ウィルス汚染されていると知り、バックに救援を要請し、バックはBFOを発動し、街全体を封鎖した。ウェスリーとバックは、CIAから盗まれたウィルスに汚染された患者の治療に当たり始めた。
一方、フロイドの元には弁護士に扮した仲間のポーグが。フロイドは予定が狂い発症。手元の薬に治療効果が無いと知り、フロイドはポーグにCIAから盗んでくるよう命じた。
街中が病人だらけとなり、予防接種を始める中、ポーグ達過激派が蜂起。拘置所を襲い、フロイドを解放。続けて病院を襲い、だが薬はポーグ達が既に持っている、効果の無い物しかなかった。
フロイドとポーグは、院内にウィルスに打ち勝った、抗体を持つ者を発見。それはホリーだった。ウェスリーはホリーを救出してフランクと脱出。フランクは追手をダイナマイトで倒すが、油断した所をやられて死んだ。
2人は野宿し、翌日、ウェスリーの父親の家でフランクを埋葬し、大学休学中のアンを連れ、丘の上にある秘密の研究所へと向かった。
偽造パスと口車でCIAの軍有毒物質防衛研究所の中に入ったウェスリーは、感染して抵抗する軍人を押さえて、ワクチンの研究に取り掛かる。
だが次々と軍人たちが死んでゆき、荒れるウェスリー。そこにアンが出してくれたお茶の花の成分に着目したウェスリーは、最後の患者を回復させた。
研究所を後にしたウェスリーは、ホリーと帰宅したところを捕まる。
ウェスリーは、対面したフロイドを始末。兵を倒し、ホリーをポーグから助け、車で脱出。だがウェスリーの体調が悪化。ホリーが花をすり潰して水に溶かして飲ませるとなんとか回復。
ウェスリーは大佐に花の調達を指示し、やがて町に大量の花びらがばらまかれた。
1998年、アメリカの作品です。
90年代のセガール作品の多くは、『田舎』で撮られた物が圧倒的に多いです。バブル崩壊以降、景気は右肩下がりでしたが、娯楽やそれに投じられるお金はまだまだ潤沢でした。また、ホームドラマのような家族のつながりや心の交流を描いた作品がヒットしていたという背景も、セガールが都会ではなく自然に身を投じた理由なのかもしれません。
今回はCIAが選ばれましたが、CIAというのは国際的な犯罪者や犯罪組織に対して捜査を展開する機構なので、適していると思われますし、多少間違っていても、最高組織なのでそれだけで事件の規模を窺い知ることが出来る物差しなのです。本当にCIAというのは都合のいい組織です。
アメリカの田舎といえば保安官ですが、日本の駐在さんとはわけが違います。もちろん日本の駐在さんでも密入国者などテロリストを相手にする危険は大いにありますが、保安官はアメリカですので、そのほとんどの相手が銃を持っているのです。故に映画では、テンポの関係もありますが、連係が取れて本部の仲間がすぐに駆け付けるという描かれ方が多いです。そしてアメリカは自己責任ですから、事件が起きれば、住民は皆家に帰り鍵を掛け、猟銃やショットガンなどの点検をして備えます。
今回はそれでも防げないバイオテロを描いていますが、日本で有名なのが地下鉄サリン事件です。ただあれは地下でしたが、アメリカの場合は感染や地域一帯が、という事を想定した取り組みが行われていました。今作のように解決法がすぐ見つかるケースはまれです。皆さんもこの映画を見て、また有事に備えようと心がけなければと気を引き締められる事と思います。