ジャッキー・チェン主演 ジェニファー・ラブ・ヒューイット共演 ケヴィン・ドノヴァン監督作品。
ミネラルウォーター製造会社バニング社に潜入中のスパイ、ウォレスは手掛かりをつかみ、仲間に連絡するが、頭から袋を被せられ、大量の水を流し込まれ、溺死させられてしまう。
一方、画廊で働く美人ジェニファーに片思いする東洋系タクシードライバー、ジミー・トンはいつも外から眺めてばかりだが、今日はデートに誘おうと思いきって中へ、だが画廊の主人にたしなめられ、落ち込み引き返す。
すると、後部座席にキャリアウーマン風のスティーナが乗っており、注文にそい、新聞記事になるほどのスピードで送り届け、スティーナの雇い主である富豪、クラーク・デヴリンのお抱え運転手となるのだった。
セントラル・セキュリティ本部、通称CSAにウォレスの死体が運ばれ、皆が事故死と断ずる中、スパイではなく科学研究員の女性、デルは一人異を唱え、殺されたと証明。ウォレスに代わるスパイとして、クラークのパートナーに就くよう命じられる。
クラークの振る舞いにうっとりし、クラークのクローゼットの高級タキシードに触れようとしたジミーは、クラークから厳重注意を受ける。
そしてクラークを乗せた車は、スケボー爆弾に追われてしまい、ジミーが逃げても、車に発信機が付けられ、車から脱出し、爆発。ジミーは助かるが、クラークは意識不明の重体となってしまう。
病院に搬送されるクラークに付添うジミー。クラークは現場で最後に「ウォルター・ストライダー」と発し、病院でメモを受け取り、その人物を捜す事にする。
バニング社では、社長のバニングが嫌いな社員に実験中の水を飲ませ、その成果を目の当たりにしていた。バニングは飲めば飲むほど水分を欲する水を世界中の水源に混ぜ、自社の水を飲まないと生きられないようにするというバイオテロを計画していた。
アドレスにストライダーが見つからず、難航するジミーはタキシードに袖を通し、その機能に振り回されてしまう。そこにデルから待ち合わせの電話が入り、埠頭へ向かう事にする。
初めて顔を合わせ、伝説のスパイが東洋系という事に驚くデルだったが、任務へ。遠くのアジトらしき場所に、ジミーがタキシードの機能でライフルを組み立て、盗聴器をセット。だが見張りに気付かれ、襲われてしまい、2人は反撃し、逃走。ジミーは遅れてしまい、デルのオープンカーをタキシードの機能で自分の脚で走り追いつき、デルを驚かせるのだった。
仕切り直しで、デルから呼び出しを受け、2人はバニングが訪れるパーティー会場へ。
裏口から入った二人は、ジェームズ・ブラウンの楽屋に迷い込み、肩を掴まれたジミーのタキシードはJBを昏倒させてしまう。
そしてショーが始まり、ステージには代わりにジミーが現れ、これまた機能でパーティーを盛り上げ、客席に降り、バニングの恋人を誘惑する。面白くないバニングの元へ、デルが誘いを掛ける。
ジミーは体を求められ抵抗。プールで語り合うデルだったが、バレてしまい、バニングの手下に始末されかけ、2人はまたも逃げる。
バニング邸で行われるパーティーを聞きつけ、列に並ぶジミーは、招待状を後ろの老人からコピーして通過。秘密の入り口を見つけ、地下へと侵入するした2人は、脱水バクテリアの存在を知り、地上へ。
だがデルは、スティーナから連絡を受け、ようやくクラークが偽者と知る。そしてトイレでジミーからタキシードを奪い取り、捕まってしまい、バニングに献上するのだった。
クラークの屋敷に戻ったジミーは辞表を書くが、クラークが用意していた自分用のスーツを見つける。身に付けてバニング邸へと向かう。
バニングは水源に脱水バクテリアを混ぜるため、大量のアメンボ(ウォーターストライダー)を使うため、培養していた。
デルは科学者としての知識を進言し、バニングお抱えのシムズ博士を苦しませる。するとそこに捕まったジミーが連れられ、タキシードを着たバニングと闘う。
2人は暴れまわり、アメンボの培養カプセルを破壊。女王アメンボは逃げ回りデルの鼻の頭などへ。ジミーはバニングを倒し、女王を確保。復活して起きたバニングの口に女王を放り込み、子アメンボ達もバニングの口へ突入。バニングは乾き、砂となった。そこにCSAの救援が現れ、現場は押さえられた。
ジミーには協力のご褒美として、CSAがジェニファーへの告白を完全サポート。邪魔者を排し、快復したクラーク達もアドバイスを送るが、いざ告白で下手を打ち、嫌われてしまう。
外に出たジミーは慰めに現れたデルと、コーヒーを飲みに行く事にした。
2002年、アメリカの作品です。
世界的スターとして成功したジャッキーの映画は主に、3種類に分ける事が出来ます。
1、自身が監督や製作総指揮を務め、これぞジャッキーという香港物。(ポリス・ストーリー 新香港国際警察やライジング・ドラゴンなど)
2、中国の歴史や文化に敬意を払い、多少地味でも、役者としての自身をアピールする中国物。(リトル・ソルジャーや、新少林寺など)
3、そして、主にアメリカでの公開を意識し、向こうのやり方に合わせ、求められるがままに、スターとしての仕事をするアメリカ物。(バトル・クリーク・ブローやメダリオンなど)
本作は3の、更にコメディーという事になります。
一般的に、この手の作品は本物志向のファンには評価は低いですが、侮るなかれ、この作品の見どころは何より、ジャッキーが、操られる演技をしているという事です。
ジャッキーのワイヤー使用は「メダリオン」からなので、この頃はまだオリジナリティである身体の動きで表現しています。
オープニングではジャッキーの貴重なヒゲ面もうかがえます。
それに車好きのジャッキーの為のカーアクションもスピードに特化。かなり見どころ豊富です。
共演のジェニファー・ラブ・ヒューイットですが、
残念ながら、当然ながら、ご自慢の巨乳は、男性ファンが興奮するほどには拝めません。プロデューサーでもあるドラマ「ゴースト 天国からのささやき」でも薄着のシーンはごくわずか。共演者によりグラマラスな人物を配している事から、もしやコンプレックス、あるいは強調NGという、プロとしてのプライドがあるのかもしれません。
さて、スペシャルゲストとして、ジェームズ・ブラウンが登場しますが、これはさほど珍しい事ではありません。「ロッキー4」にも本人として出演されていますし、歌手も「ペイ・フォワード」にはジョン・ボン・ジョビが、「新・刑事コロンボ 影なき殺人者」にはリトル・リチャードが出演しています。