トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

ティファニーで朝食を

オードリー・ヘップバーン主演作品。
ニューヨークのアパートに住む若い美女、ホリー・ゴライトリー。
ホリーの活躍は、破滅的で、楽天的で、それでいて不思議な女性である。
ある日、同じアパートにスランプ中の小説家、ポールが引っ越してくる。
ホリーはポールを兵役中の弟フレッドと重ね合わせ、友達になるのだが、それ故にホリーは、「私に干渉しないで」と冷たく言い放つのだった。

結末 ネタバレ注意

というのもホリーの生活は、とても尊敬できるものではなかった。
金持ちの男とデートしては(食事だけ!)金をせしめ、毎週木曜日には脱税で服役中の大金持ちのサリーに面会に行き、金を貰っていた。
そしてホリーの過去も、平坦ではなかった。
その美しさゆえに、無理矢理女優にされかけた事もあったし(プロダクションの社長からは今も誘われている)、14歳の時には自分と弟で生きるために、農場主と結婚した事もあった。
その証拠に、その農場主が諦めきれずホリーを見つけ、迎えに現れた。だがホリーは断るのだった。
そんなホリーの全てを知ったポールは、傍にいて、話をする事で、互いに心の距離を縮めていく。そしてポールはホリーへの愛の告白を決意するのだが、自由と富を愛するホリーにはその気は無かった。
やがて、ホリーはホームパーティーで知り合った王族のホセと交際を始める。玉の輿に乗るチャンスに巡り合えたホリーだったが、手紙で、フレッドが事故死した事を知り、ショックを受け、哀しみに暮れるのだった。
時が経ち、アパートを離れ、どこかへと引っ越したポールはホリーに招待される。ホリーはもうすぐホセと結婚する事になり、ブラジルへと立つその前に、お別れの食事会をしようと呼んだのだった。
だが、事態は急展開、サリーが麻薬取引に関与していたため、巻き添えをくらいホリーも逮捕される。ようやく釈放されたホリーだったが、新聞に氏名と顔写真が載ってしまった事で、ホセとの縁談が破談になってしまうのだった。
自暴自棄になるホリー。だがポールはホリーを叱咤激励する。ホリーはそんなポールを遠ざけるが、冷静になり、考え直し、本当に自分が好きな事を見つけ、ポールの元へと駆け、2人は結ばれるのだった。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1961年、アメリカの作品です。
原作はトルーマン・カポーティによる小説です。原作を読んだ事はありませんが、ジャンルを選別するとラブロマンスでしょう。
フジテレビの月9の恋愛ドラマが好きな人にはたまらない作品だと思います。おそらくこれが元で、様々なドラマが生み出されたのではないでしょうか?それくらい、この作品はベーシックなのです。
男の職業も女の職業?も特別なのものでありながら、決して深くは描かれていません。
そして女は絶世の美女でありながら難攻不落。様々な心の闇を抱え、それを男が溶かしていったり、改心させたり、更生させたりして、女は男の方へと目を向けていく。
そして女性の前に現れる数々の男達。どの方も皆一長一短、お金持ちなどの良いところが見えては粗が出てきて嫌気がさす。見事なパターンです。
私はこの映画で、「どんな考え方も変えられるのだな」という事がわかりました。まあ、小説家にとって一番の武器は説得力の高いその言葉なのでしょうけれど、一時期、マインドコントロールを利用した社会問題の事件で、ある有識者が「目的が良い事か悪い事かであって、マインドコントロール自体が悪い事ではない」と雑誌で書いておられました。「多かれ少なかれ、普通の夫婦の間にもマインドコントロールは存在する」というのは、確かに説得力の高い言葉でした。
そしてこれは映画にも、事件にも言える事ですが、打ちのめされる女性の傍に居ることの重要性がどれほどのものかという事も実感しました。
さてさて、この映画には上で書いたあらすじ以外にも魅力的なシーンがいっぱい。
金持ちに憧れるホリーが、飲食店では無い、開店前のティファニーのショーケースを見ながらパンをかじるシーン。
アパートの一室に大勢のお客を呼んでのホームパーティー。
ホリーとポールのデートで、お菓子屋さんで万引き?!をしてしまうシーンや、図書館にポールの本を探すシーン。そしてティファニーでおもちゃの指輪に刻印を入れてもらうシーン、特に店員の対応が魅力的です。
何よりラストのタクシー、雨、猫、路地裏というのは、まるで神器であるかのような演出です。
気になった方は是非ご一見ください。