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男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(20)

渥美清主演 山田洋次監督作品。
白亜の豪邸の寝室のベッドで目が覚めた寅次郎は、富豪になったさくら達家族に囲まれ、戸惑う…。
そんな夢から目覚めた寅次郎は、自分のカバンを持ち逃げしようとする泥棒を追いかけた。
江戸川の河原でサックスにミカンを詰めてしまった寅次郎は、とらやに帰宅すると、同じく帰宅した下宿人で、電気工事の仕事の合間に着替えに戻って来たワットこと島田良介に、押し売りと間違われ、警察まで呼ばれて大荒れする。
事情を説明して収まり、寅次郎はいろいろ含めて出て行こうとすると、良介が先に出て行ってしまい、今も笑っているたこ社長を物干し竿に括り付けてから出て行った。
パチンコ屋に入った寅次郎は良介と再会。コツを教えてもらい、勝たせてもらって気を良くした寅次郎は、2人で呑んでとらやに帰宅。寅次郎は良介を自分の部屋へ戻した。
翌日、昼まで寝ていた寅次郎は外へ昼食に。
「ふるさと亭」という定食屋に入った寅次郎は、食事をする良介と再会。店で働く若い娘の幸子に気安く声を掛けて世間話をする寅次郎を恨めしそうに見る良介に気付き、片想いをしていると気付く。
幸子は田舎の母や弟の為に秋田から上京し、親戚の営むこの店を手伝っていた。
寅次郎は2人を結びつけようと考える。
ある日、団子を求めてとらやにやって来た幸子に、寅次郎は良介を呼び、デートをさせる。
そして次のデートを取り付けてきた良介に寅次郎は恋愛指南。
日曜、映画に行くがホラー映画で、ラーメン屋でしくじった良介は、公園に幸子を連れ、告白を試みるが勇気が出ず、失敗。
落ち込んで帰って来た良介は元気が出ず、さくらは寅次郎が書いたおせっかいな張り紙を片付ける。
一方、幸子は母が胃潰瘍で倒れたと連絡をもらい、急いで秋田へ帰る事に。そんな事とはつゆ知らず、良介は思い切って幸子にプロポーズ。幸子に泣き叫ばれながら断られ、帰宅した良介は部屋へ。
ガス自殺を図ろうとガス栓を開き、遺書を書きはじめ、一服しようとタバコをくわえ、マッチを擦り、2階が爆発した。

結末 ネタバレ注意

幸いにして良介は火傷したものの大したことはなく、だが取り調べが終わった後、いたたまれなくなり、良介は帰郷。寅次郎も責任を感じて、出奔した。
長崎県・平戸島で釣りをして過ごす良介の元に、寅次郎が現れる。
元気な姿に安心した寅次郎は、良介に出戻りの姉がいると知り、会いにゆく。
一方、とらやには母親が大事を取り戻して、また出て来た幸子が現れ、幸子は良助が帰宅してしまったと知り、悲しむ。
さくらはその事を伝えようと良介に電話するが、寅次郎が出て驚き、伝えそびれてしまう。
寅次郎は良介の姉・藤子が営む土産物店を手伝い、さくらからの電話も仕事の邪魔だと取り次ごうとしない。
日曜、教会でのお祈りの帰り、藤子は寅次郎に良介と二人きりでの気まずさを緩和してくれている事を感謝。
そこに良介が電話で失恋が誤解だとわかったため、再び上京すると報告。寅次郎は藤子との二人暮らしを妄想するが、良介は幸子に会ってほしいと、藤子を連れていくため、寅次郎は留守番をする事になる。
そして上京した良介は幸子と再会し、2人は大喜びし合う。
藤子は寅次郎が買った伊勢エビをとらやに土産として出し、一方の寅次郎は神父と留守番。
藤子が平戸島が恋しくなった頃、寅次郎が飲まず食わずで上京し、上野から歩いて倒れ、運動部員達に抱えられ帰宅。
その夜、良介と幸子と彼女の伯父を交え祝宴となり、良介は藤子に寅次郎の好意を伝えるが、藤子にその気はなく、それを知った寅次郎は幸子の伯父の唄うシューベルトを聞き、黄昏る。
翌早朝、寅次郎はさくらに用立ててもらい、藤子に何も告げることなく出立した。
正月、良介は幸子を連れて帰郷。島を案内した。
とらやには幸子の年賀状が届き、さくらは兄を想った。
その頃、寅次郎はなじみの旅一座と再会し、同道する事にした。
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管理人の批評

1977年、日本松竹の作品です。
共演:藤村志保 中村雅俊 大竹しのぶ
中村雅俊さんはドラマ『俺たちの旅』で代表される青春スターであり、多くの少年・若者達が中村雅俊さんに憧れました。歌手活動は桑田佳祐さんから『恋人も濡れる街角』という楽曲提供も受け、映画では90年代に『夜逃げ屋本舗』シリーズでヒットを飛ばし、第1作では大竹しのぶさんと敵対関係で再共演なさっています。そして現在でも末娘がタレント活動し、奥様に似て、フランス人形のような容姿であると注目を集める、現在でも大活躍の俳優さんです。
大竹しのぶさんは、元夫が明石家さんまさんという事と同じくらい、いやそれ以上に、かなりの実力のある演技派女優と呼ばれています。その実力はいかほどかと言いますと、6時間以上の公演をする舞台もほぼ出ずっぱりで出演されるという実力者です。そして歌手活動も行っています。
当時のパチンコは現在のような球を穴に入れたら中でコンピュータが抽選をするようなものではなく、レバーの力加減で当りの穴を狙うシステムでしたが、本編のように、技術次第で勝つパチプロが増えた為、店側の都合で、今のようなシステムになりました。
今作の寅さんはあまりにも格好悪すぎる。いつもそうなのですが、その3倍以上格好悪過ぎて、思わずタイトルの言葉を掛けてしまいたくなるほどの体たらくです。
ここから寅さんが若者の恋を応援するという展開を持つようになりました。成就する恋愛が脇で、失恋する恋愛がメインの映画が続いていくというのは、日本はやはり不思議な国ですね。