トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

男はつらいよ 噂の寅次郎(22)

渥美清主演 山田洋次監督作品。
柴又村に寅地蔵があり、村の心優しき娘、おさくの心遣いを受けた寅地蔵は涙を流し、人の姿となっておさくの家に救済に現れ、元の地蔵に戻った。
そんな夢を寺の軒先で観ていた寅次郎。宿代がわりに賽銭を入れるが、百円を入れてしまい、取り戻そうと必死にもがいた。
柴又に戻り、江戸川で写生をしている人を観ている人に転ばされた寅次郎は、仕返しとばかりにその見物人を蹴飛ばし、写生している人にぶつけ2人がケンカし、逃げる。
お彼岸で、父の墓参りに訪れた寅次郎は、ちょうどさくらや叔父叔母達と出くわし、共に墓参りをするが、それは隣の他人の墓だった為、やり直した。
とらやに帰宅し、店番した博を労う。その夜、不況でとらやも朝日印刷も苦しい現状を聞き、寅次郎は姿を見せないたこ社長を心配。捜索の手配や、果ては葬儀の事まで考える。するとそこに酔っぱらってご機嫌なたこ社長が帰宅。知り合いから仕事を貰い、峠を越したのだが、寅次郎は虚仮にされたと大ゲンカ。
翌朝、寅次郎は書き置きを残し、出奔した。

雲水法師とすれ違いざま、女難の相を心配された寅次郎は、商売に励む。
ダムで昼食をしていると、泣いている瞳(泉ピン子)を慰め、愚痴を聞く。そして別れて乗ったバスで、金欠から宿を心配していると、後ろから声を掛けられ、旅をする博の父と再会。宿だけでなく、芸者まで奢ってもらい、翌日、寺巡りをするが、寅次郎は退屈で寝てばかり。
その日の夜は、芸者もいない寂しい旅館で今昔物語を聞かされるが、女性を思う気持ちに感銘を受け反省。翌朝、博の父が目覚めると、寅次郎は電車賃と今昔物語を拝借して出立していた。
その頃、とらやに求職しに荒川早苗(大原麗子)が現れ、あまりの美人に皆驚く。
そして早苗が帰っていくと、入れ違いに寅次郎が真面目ぶって帰宅。皆に今昔物語を聞かせ、明日の出立を宣言する。
翌朝、早苗が出勤し、顔を合わせてしまった寅次郎は苦しみつつも出発。外でさくらと会い、具合が悪くなった寅次郎は倒れ、戸板でとらやに運ばれ、早苗の呼んだ救急車で搬送される。
帰宅した寅次郎は、医者にガス溜まりと診断され、恥をかいたと救急車を呼ばれ大事にされた事を怒るが、早苗が呼んだと知り、態度を軟化。居候先に帰宅した早苗は、仕事に手応えを感じた。

結末 ネタバレ注意

叔父夫婦が知り合いの結婚式に出席し、早苗が店番をしているところに、ようやく寅次郎が起床し、早苗に気を遣い、話をする内、早苗が既婚者と知り、凹む。だが早苗は夫と別居し、離婚を考えていた。
早苗の元に、いとこで高校教師の添田はじめが、早苗の夫との仲介で離婚届を持って来て、早苗はサインし、届け出る。
とらやの皆に離婚成立を報告し、仕事を始めようとするが、泣きに2階へ。皆で早苗に気遣いつつ、仕事を始めると、瞳がお礼に現れる。瞳を捨てた男が一週間で離婚したそうで、ひとみは大喜び。寅次郎は慌てて瞳を追い出し、早苗は笑う。
夜、たこ社長が早苗に無礼を詫び、明るい話題を探していると、早苗は寅次郎との出逢いを喜び、帰った。好きだと言われた寅次郎は、舞い上がった。

博の父がとらやを訪れるが、店番のはずの寅次郎がおらず、後から来た客の相手をする事に。
その頃、寅次郎は早苗の引っ越し先を訪れ、手伝っていた添田とその教え子たちと顔を合わせる。
博の父は、静かな博の家に泊まり、翌朝、駅のホームで見送りのさくらに、家を建てるときは安曇野に土地を用意してあると告白。さくらが用意した寅次郎の宿代を断り、帰っていった。
自分の仕事を終えて帰って来た寅次郎は、とらやで待っていた添田と再会。早苗を待っていた添田から、封書と「小樽へ帰る」という言伝を受け、寅次郎は彼に好意を感じる。すると早苗が戻ってくるが、添田は何も言わずに立ち去り、早苗は封書から通帳が出てきて、百万円が入っているのと、小樽に帰ると知り、追いかけるよう薦められ、追いかけて行き、寅次郎もそれを見届け、旅立って行った。
正月、小樽の早苗から絵葉書が届き、その頃寅次郎は列車内で雲水法師とすれ違い、新婚旅行中の瞳と再会。同行を誘われたが、丁重に断った。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1978年、日本松竹の作品です。
共演:大原麗子 泉ピン子 室田日出男 志村喬
大原麗子さんはお綺麗な方で、明石家さんまさんも芸能界に入った時の共演を夢の一つとして掲げるほど美人でした。ですがその波乱万丈の人生はドラマ化もされました。夭折された事を心よりご冥福をお祈りいたします。
泉ピン子さんは現在では女優のイメージが強いですが、元々はギター漫談家としてデビューし、浅草であした順子師匠と芸の腕を磨いておりました。その後「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」で女優として大ブレイクを果たすわけですが、現在の感じと、本作を見比べていただければ、その役者としての実力がおわかりいただけると思います。
いとことの結婚は、法律的には許可されています。3親等以上からという規定があり、血のつながりを辿ると、自分→親(1)→祖父母(2)→おじおば(3)→いとこ(4)となるので、許可されています。
ですが遺伝子が近いという事もあってか、親族同士の結婚は子孫繁栄にはマイナスという噂もあります。
また、この頃はまだ6カ月規定がありますので、すぐには結婚という訳にもいかなかった事でしょう。
果たして今現在、教師と生徒のプライベートな付き合いはどれぐらいあるのでしょうか?贔屓や事件などを避けるため、今は学区外に敢えて居を構える先生も多いそうです。昔は先生でも、やもめだったら見返りを考えず世話をしてやった親や、下宿をしていた場合もありましたが、果たして寅さんはこんな状況になに思うのでしょうか?