トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

男はつらいよ 柴又慕情(9)

渥美清主演 マドンナ:吉永小百合 山田洋次監督作品。
生き別れだった妹夫婦の借金の肩代わりをする夢を見ていた寅次郎は、駅員の教えで電車に飛び乗る。
とらやでは、さくら夫婦の家計の足しにと、寅次郎の部屋を貸し部屋にして、募集の札を出す。だが、寅次郎が帰宅し、ショックで怒って消える。
寅次郎は部屋を探そうと不動産屋を訪ね、ところどころ回りくたびれた挙句、適当に決めて紹介されたのはとらやの2階。
その夜、寅次郎はまたケンカし、さくらを泣かせてしまい、寅次郎はおばちゃんに所持金を渡し、そのまま旅立ってしまった。

北陸の宿で元・舎弟ののぼると再会した寅次郎。一方、宿には歌子、まい、みどりの女三人が最後の独身旅行をしていた。
翌朝、のぼるは仕事のため先に出立し、寅次郎は遅れて出立。茶店で歌子たちと出会い、一食奢って別れるはずが、記念撮影で笑いを取って、そのまま一緒に旅する事に。
そして駅での別れ際、寅次郎は歌子からお土産に鈴を貰い、弁当代を渡す。
東京に戻り、帰宅した歌子は留守中、一人だった父の世話に戻った。

柴又に戻った寅次郎はまい、みどりと再会。とらやで旅先での嘘や誤解を訂正し、寅次郎は鈴をくれた歌子が、妻と別れた貧乏な小説家の父がいる事を知り、気にするように。
珍しく賽銭を入れた寅次郎。するととらやに歌子が訪ねてきた。他の者たちは留守で、寅次郎はしどろもどろ。そこにさくらが戻り、寅次郎は仕切りを任せ、おじおば、博達と昼食会。歌子にお土産を渡し、駅まで見送る。そして帰宅した歌子からお礼の電話を受け、寅次郎は歌子がまた来るのを待ち望んだ。
だが一方の歌子は悩んでいた。恋人を父に合わせようとしていたが、その父が一向に取りあわなかった。

結末 ネタバレ注意

歌子の来訪を待ちわびる寅次郎は、一日中近所をぶらついては、歌子を待つ始末で、御前様のところで仕事をさせる事に。だが遊んでしまい、寅次郎は怒られる。
みんなで寅次郎の恋に呆れているところに寅次郎が帰宅し、それを寅次郎が怒っていると、歌子が現れ、みんなで夕食。
夕食を終え、歌子は失恋話を披露し、今日は泊めてもらう事にする。さくらに布団を用意してもらいながら、歌子は実は父とケンカし、最初から泊めてもらうつもりだったと詫びた。
翌日曜日、寅次郎は源と歌子を連れ河原へ。そして歌子は諏訪家へ。歌子は彼氏が陶芸家で、父が自分の事を手放したくないのではと悩みを打ち明け、それを聞いた博は、父親は一人でも大丈夫だと、歌子に勇気を持って進むよう、助言した。
迎えに来た寅次郎は歌子の決意を聞き、顔で笑って心で泣いた。そして寅次郎は旅立った。
一ヵ月後、歌子の父がとらやに現れ、お礼のあいさつをした。歌子は愛知の田舎で楽しくやっているようで、歌子の留守中、寅次郎が夫を見に現れたらしかった。
そして寅次郎は野糞をしていたのぼると再会。2人はトラックへと乗り込んだ。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1972年、日本松竹の作品です。
共演:倍賞千恵子 前田吟 秋野太作 新おいちゃん:松村達雄
さあ、言わずと知られた映画スター、吉永小百合様の登場です。
今回の作品で登場する歌子には現代性を強く感じる事が出来ます。現代的な女性はやはり平成の作品になるに連れ、増えていくのですが、それにしても早い。やはり吉永小百合様は先駆けであり、現代に生きるスターであると感じさせられます。
しかしながら、60年代70年代は、昔ではありますが、決して古くはありません。時代を切り取るのが映画ですが、映画からだけ、時代の情報を得ることは大変危険です。洋画でもC・イーストウッドの『マンハッタン無宿』に現れています。
果たして、どういう時代だったのか、そして『男はつらいよ』は浮いていたのかいないのか、そんな風に思いを馳せながら観るのもいいかと思います。
そして今回から、おいちゃん役が松村達雄さんに代わりました。13作目までおいちゃん役を演じられますが、その後も様々な役で『男はつらいよ』に出演されます。それだけ実力のある俳優さんだという事です。
『古畑任三郎』で犯人役をされた時に、まだ子供だった私には、その凄さがわかりませんでしたが、こういった活躍を一つ一つ目にするに連れ、また作品が楽しくなります。