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釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!(15)

西田敏行主演 三國連太郎共演 本木克英監督作品。
息子の鯉太郎も釣りを楽しめるようになり、楽しむハマちゃんこと浜崎伝助。一方、休日明け、ネクタイをやめたスーさんこと鈴木一之助は、温泉旅行に出かける妻に見送られ、ハイブリッド車で出勤。運転手の前原に合コンの話をされ、エレベーターで新入社員と握手して社長室へ。
鈴木はミス鈴建(鈴木建設)の設計課・桐山桂から直接相談を受ける。富山の会社・天狗堂の美術館建設において、天狗堂の社長の奇抜で周囲の美観を損なうデザイン通りに建設するという契約に承諾できず、契約を取って来た営業三課の浜崎を呼び出す。
殿様出勤の浜崎は言われて設計課を訪ねるが、てっきり社内釣りクラブ入会応募と勘違いに会って気づき、昼飯を兼ねて話し合いに。
辞表覚悟で直談判したいという桂に協力を約束する浜崎。そして翌日から、設計部持ちの出張と決まり大喜びした。
桂はデパ地下で総菜を買い、医院を開業している、暮らしている実家へ帰宅。医師の父と無職で引きこもりの弟に夕飯を用意する。置かれていた見合い相手はくだらなかった。
一方、合体を目論むハマちゃんの家に、隣に住む離婚した釣り船屋のハチとスーさんが来てしまい、我慢してソワソワ。ハチは前妻のパトリシアが、旅行先で恋に落ちて、駆け落ちしてしまい、パトリシアの名を彫った腕を見られ、泣き帰る。
出張の話になり、同行者がミス鈴建と知ったみち子はハマちゃんをからかい、軽くキスをしてハマちゃんがプッツンして燃え、スーさんは失敬した。

結末 ネタバレ注意

いざ天狗堂を訪れた2人。だがアポなしであることに桂は驚き、立ちふさがる“小天狗”部長に食い下がるが、小天狗は浜崎がふざけて付けたあだ名で、機嫌を損ね謝るが、その隙に浜崎が内戦を入れ、アポを取って中へ。
日本刀を眺める天狗堂の黒部会長のおいぼの魚拓を浜崎が誉め、妻の13回忌を控えた会長が浜崎と桂を恋愛関係と勘繰る中、桂は邪推もデザインも否定し、景観重視の自筆デザインを見せ、会長は自分のデザインを斬り捨て、“小天狗”浅利に、旅館に二人の部屋を取るよう命じた。
浜崎と桂は、宇奈月駅からトロッコ列車で旅館へ。その車中、渓流釣りの佐伯名人と出会い喜ぶ。後ろの車両には友達と一緒に楽しむ鈴木の妻の姿があった。
間欠泉の見える部屋で風呂に入ろうとした浜崎は、部屋に間違えて入って来た鈴木の妻に見られ、逃げられてしまう。
鈴木は、会議中に興奮した妻からの電話を取り、浜崎の携帯番号を調べ電話。浜崎は鈴木の妻と会い、説明し、誤解を解いた。
夕食時には民謡を楽しみ、桂が実家に電話を入れる中、浜崎はホタルイカフラメンコで返した。
翌日、浜崎は会長と釣りに船出し、2人を見送った桂の話になり、会長は息子の嫁にしたいと熱望する。浜崎も蜃気楼の中、安請け合いした。
桂は町を歩き、欄間づくりを見学。招き上げられ、彫刻家の鮎川透の作品や生涯に触れる。
会長が大物を釣り上げ、桂は土産を持って帰宅した。
桂の設計に三課の一同が惚れ惚れしていると、会長から催促の電話が掛かり、みち子の説得で、浜崎は休日、桂の家へ。患者と間違えられて診察が始まりかけるが、家庭事情を知り、見合いの話になるが、桂は見合いを嫌い、弟のクニオが釣り好きで、格好を整えてきたため、浜崎は急きょ釣りに向かう。
居眠りで悪夢を見ていた浜崎は起こされ、桂と社長室へ。浅利部長から事情を知った鈴木は怒り、辞表を出す浜崎に水を掛け、話を受けようとする桂を制すと、今度は不備の自責の念に浅利が切腹しようとし、刀が飛び、草森が気絶した。
外へ出た桂は、透の個展を見つけ、再会する。透と話す若い美女に臆する桂。だが透の妹と知り、食事デートへ向かった。桂は実家の父に紹介するが、父はつい癖で診察をしてしまうのだった。
浜崎と鈴木、桂は断るため富山へ。相対し、なかなか言い出せずにいると、会長の息子の海彦が帰宅。しかし海彦は修行先で妻と子供を作り、会長は憤慨し、海彦を裏へ連れて行った。
竣工式が行われ、ズタボロの海彦と孫をかわいがる会長、鈴木らが出席。会長は鈴木と浜崎に詫び、2人にクルーザーを貸し、孫の元へ戻っていった。
桂は徹とスキー旅行へ出かけ、船上で大伴家持の歌をたしなむ鈴木と浜崎は真鯛を釣り上げた。
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管理人の批評

2002年、日本松竹の作品です。
共演:鈴木京香 丹波哲郎 小澤征悦 杉浦直樹 パパイヤ鈴木 ゴリけん さとう珠緒 岡本信人 梅津栄 猪野学 立川志の輔 左時枝 浅田美代子 中本賢
この作品は、「超高速!参勤交代」や「空飛ぶタイヤ」を手掛けた本木克英監督がメガホンを取った最後の「釣りバカ」シリーズです。監督は富山県出身ということもあり、ロケ地にはかなり力を入れたことでしょう。
2002年と言えば、日韓ワールドカップ開催というのはクイズ番組でもあまりにも有名ですが、今作ではそういった時事絡みの演出はほとんどありません。富山・北陸の自然や魅力を存分に伝えることがメインとなっています。 現在は北陸新幹線が開業していますが、当時でもお隣の石川県に金沢空港があり、1時間前後で金沢に行けることから、加賀百万石の魅力を味わいに通っていた旅行家・食通も少なくありません。大橋巨泉さんも高級旅館・加賀屋を利用されていたとか。 ですが富山まで足を延ばすという方は少なかった。新幹線以前に特急も走っていますが、その旅情を楽しまれるという方は少なかったようです。
パパイヤ鈴木さんを見る機会も減ってきましたが、当時はアフロにヒゲ、巨漢ということもあり、大人気でした(今もですが)。本業はダンサー・振付師で、若い頃はディズニーランドのキャストとして踊り、 当時人気だった日本テレビ系「THE夜もヒッパレ」にもパパイヤ鈴木と親父ダンサーズとして視聴者を楽しませ、今でこそ有名なギャグ「まいう〜」は、石ちゃんことホンジャマカの石塚さんと共演されていたテレビ東京系グルメ番組「でぶや」で鈴木さんがおっしゃっていたものと記憶しております。
小澤征悦さんといえば、世界的な指揮者・小澤征爾氏のご子息ですが、2002年4月期のNHK朝ドラ「さくら」の主人公の相手役の体育教師役で一躍知名度が上がりました。本作の公開は8月ですから、この年はまさに彼にとって飛躍の年だったわけです。
丹波哲郎さんといえば、007に出演した映画スターから、後年は霊界研究に力を入れ、「大霊界2」では多くの有名タレントをキャスティングするなど、マルチな活躍を見せた方でした。さらに数々の伝説があり、出演ドラマなどでセリフを覚えてこずに共演者を動かすことで回し、バラエティーではご自身の邸宅での芸人の暴挙を許すなど、豪胆な人柄で知られていましたが、2006年にお亡くなりになられてしまいました。今となっては惜しい人材です。
この作品はアットホームなコメディーですから、問わず多くの方々に見てもらいたいです。すべての人が気持ちよく、映画を観ることができると思います。