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釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!(19)

西田敏行 三國連太郎 主演 朝原雄三 監督作品。
春、鈴木は仕事で徹夜したにもかかわらず、出勤の車では眠らないことにするが、運転手の前原のネットサーフィン疲れにはイライラ。一方、浜崎はハチの太田丸で朝寝しながら出勤する。
会長室で出された茶の味に懐かしさを覚えた鈴木は、再雇用で元秘書だったユミコが戻ってきたことに喜び、昼食に誘う。
ユミコは営業三課に配属され、かつての華やかさを知るみんなは大喜び。
昼食時、鈴木がユミコと訪れたなじみの小料理屋で談笑しながら、いつしか女将の娘の離婚の話になり、ユミコは暗い顔に。
三課で今のシステムを学んでいたユミコを課長の舟木が丁寧に仕事を上がらせ、ユミコは帰宅したマンションで外食に行くために出てきた向かいのマンションの顔見知りの男が臨時の美術講師と知る。
鈴木は会議で、管理会社の設立を却下し、老人ホームのリフォームという安い仕事を採用。奇しくもそれは浜崎の取って来た仕事だった。
その浜崎は給与明細をもらい、釣具屋で道具を見ていると、鈴木とバッタリ。給料が安いと愚痴をこぼすが、釣具屋に浜崎に給料くれるだけ太っ腹だとたしなめられる。
2人で外に出ると、一人でたたずむユミコを鈴木が見つけ、浜崎に聞くよう指示して別れる。声をかけた浜崎は、ユミコに頼まれ、日曜は釣りに行くことに。
日曜、太田丸で釣りに出掛け、ユミコに惚れてしまったハチ、そんなハチの機嫌を損ねた浜崎はボウズ、ユミコが釣ったアジ一匹で帰港する。みち子がアジフライにして食事にしていると、ハチがお詫びにヒラメの活け造りを持って現れ、輪に加わるが、夫の話になり、ユミコはまたも暗い顔に。ユミコは夫が仕事のストレスからDVをするようになり、ついに離婚したことを打ち明ける。
ハチの車で送られて帰宅したユミコは、部員たちを連れた美術講師とすれ違った。

結末 ネタバレ注意

故郷、石川県輪島市に帰郷したユミコは法事に参加。一方、浜崎も例の老人ホーム・ケアセンターの仕事で石川に来ており、終わって釣りをしていた。釣果の写真メールを送信し、鈴木はそれを眺めつつ、夫婦でウォーキング。
法事が終わり、ユミコは兄から見合いを勧められる。だが恐怖を理由に断った。
買い物帰りのユミコは、船が出なくて港をウロウロする浜崎と遭遇。輪島塗の高額さに驚く浜崎を実家の工房に案内する。
お土産に輪島塗を貰った浜崎はユミコと東京への帰路に着いた。
浜崎の家で、鈴木は浜崎が貰った漆器を褒め、浜崎はハチにユミコからだとカフスボタンを渡し、スーツを着たことのないハチに使い方を説明する。
一方、あの臨時美術講師は生徒そっちのけで自身の魂を現した作品づくりに励んでいた。
後日、スーツ姿のハチは戸惑うみち子に見てもらい、ユミコの部屋へヒラメを届けに向かう。
一方、ユミコの部屋に、友人の個展から帰って来たという、ほろ酔いで気が大きくなった臨時美術講師の村井に押し入られ、プレゼントの絵を飾るために、ハンマーと釘を持ち出し、そこにハチがヒラメの刺身を持って車から下りる。ユミコは、村井と絵を眺めながら、一献傾けていた。そこに同じように押し入ったハチは、村井の姿を見つけ、すぐ引き下がった。
恋人に間違われた話のついでに、村井は次の就職先が仙台に決まったことを報告。引っ越す前に、ユミコの肖像画を描きたいと頼み、ユミコはうなずく。
会議があり、能登のケアセンターの起工式に役員たちの勧めもあり、休暇を兼ねて鈴木が担当者の浜崎と行くことに。
当日、鈴木があいさつする中、浜崎は抜け出し、スイカを餌に釣り。鈴木は式終わりに浜崎を車で拾い、鈴木のなじみの女将の旅館に迎え入れられた。
浜崎が和倉温泉からユミコに電話を掛け、話し終えると、ユミコは同居している村井に、明日からの祭に誘われたと告げ、村井は一緒に行って結婚のあいさつをすると一方的に決め、バナナをマイクに見立て、ユミコにプロポーズする。だが断られた。
翌日、緊張した村井はバスの中でビールを呷り、すっかり陽気で事情を話し、ユミコの兄に断られる。兄の妻がとりなし、ユミコと村井が夜の祭をぶらついていると、浜崎と鈴木に遭遇。するとユミコの姪のチアキが呼びに来て、みんなで夕飯に呼ばれた。
東京へ戻る日、鈴木・浜崎はユミコの兄と街を巡り、兄は浜崎とユミコが不倫していると疑っていたと告白。そして村井のことを諦めて認めた。そして美術館を回り、そろそろ空港へという時に鈴木が飛行機をキャンセル。オープンカーを運転する女将が現れ、鈴木は乗って去っていき、残された二人は呆気にとられた。
村井とユミコが部屋を引き払い、釣りに出ても元気の無い浜崎は、ハチにユミコのことを伝える。それを聞いたハチはネックレスにしていたカフスを返し、錨を体に巻いて海の飛び込もうとするのを、見つけた釣り人たちに止められ、一人が海に落ちた。
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管理人の批評

2006年、日本松竹の作品です。
共演:石田ゆり子 大泉洋 片岡鶴太郎 松原智恵子 冨士真奈美 志賀廣太郎 桂米助(ヨネスケ) 宮崎美子 道場六三郎 ダンディ坂野
やはり時代を切り取っており、企業では再雇用制度ができ始め、一方で常習的な家庭内暴力(DV)の問題についてもさらっと取り上げています。老人ホームというワードもこの頃から日常になってきました。そしてこの作品にも道場さんやダンディ坂野さんといった石川県出身の有名人が出演されています。
今回は珍しくハチを演じる中本賢さんが多めに出演されています。細切れの飛び飛びのシーンでそれぞれの心情を映し出すというのはなかなか高度な役作りがなされたと思います。
大泉洋さんの事について書かせていただくと、やはりまず出演されている北海道のローカルバラエティ「水曜どうでしょう」の話になります。
朝日系列の北海道テレビ(HTB)制作の「どうでしょう」は、地方の独立UHFテレビ局(大手ネットワークではないローカルテレビ局)やケーブルテレビなどで全国的にポツポツと人気が出始め、大泉洋さんも東京のテレビ朝日のバラエティ「パパパパパフィー」に準レギュラー出演を果たし、知名度、面白さは徐々に知れ渡っていきます。
そしてレギュラー放送に区切りがつく頃、フジテレビ系ドラマ「救命病棟24時」にて東京進出を果たし、特徴的なヘアスタイルとともに人気俳優となっていきます。
「どうでしょう」時代からのファンである私からすると、順風満帆に見えるのですが、2016年頃に当時を振り返った大泉さんによりますと、番組の区切りもさることながら、年齢的なことを考えたときに、俳優としてやっていきたいと改め、東京でオファーではなくオーディションから始めることを決意し、東京に向かったそうです。
そしてのちに、大泉さんはフジテレビのドラマプロデューサーさんと結婚されます。よく相談をしていたことが交際のきっかけだったとおっしゃっています。
この映画の頃は、東京で俳優・バラエティタレント大泉洋として人気が上昇中の頃なので、私としては人気コメディに出演する大泉さんをさすがと思っていました。
片岡鶴太郎さんは、もともとはモノマネやリアクションを得意とする芸人さんからキャリアがスタートしました。片岡鶴太郎という芸名は、師匠の片岡鶴八さんというものまね芸人さんの弟子という証であり、そしてテレビによって、特に「オレたちひょうきん族」や「鶴ちゃんのプッツン5」といったフジテレビ系のバラエティでキャラクターは確立されました。
その後、お笑いブームが去った後は、俳優・芸術家方面に転向し、新たな才能を見せ、今作にもつながるわけです。
現在はヨガでまた注目を集める鶴太郎さんですが、テレビに出演された時は必ず芸人の顔を嫌な顔せず見せてくれるその姿に脱帽です。
松原智恵子さんは本来なら、私が知る世代の方ではないのですが、当時、フジテレビ系バラエティ「明石家マンション物語」という番組がありまして、その中で松原さんはさんまさんのお姉さんという設定でレギュラー出演されていました。そのおかげで人気と知名度が高かったのです。
この作品は、こういった時代背景や芸能背景について知っているというのも一つの楽しみですが、それとは別に作品として、コメディを知っている人たちがシリアスに演じているこの心温まる作品を大人たちで観るのがいいのでしょう。
※ 水曜どうでしょうのDVD新品はHTBオフィシャルHPから、また全国ローソンのLoppiにて注文を受け付けています。