西田敏行 三國連太郎主演 栗山富夫監督作品。
浜崎家に泊まり込んだ鈴木は、浜崎の妻みち子に起こされ、浜崎とハチの船で朝釣りへ。浜崎は大物を釣り上げ、鈴木は逃がしてしまう。だが、弁当を食べている時に、魚を手に入れた。
翌日、出勤した鈴木は、秘書に車椅子を用意され、激昂。エレベーターに歩いて乗り込み、すると浜崎が駆け込み、浜崎はスペースがなく、やむなく車いすに座る。
営業三課が社歌を斉唱する中、遅れてきた浜崎はハーモニーを奏でながら輪に入るが、それで許されるわけもなく、佐々木課長に叱られる。
すると佐々木は常務に呼ばれ、もしやと思い向かうが、結果は昇進見送りという話だった。落胆する佐々木を予想していた浜崎たちは、気丈に振舞う佐々木を慰めた。
一方、鈴木は、部下たちが自分の出身地での社会還元事業で建てる美術館の名前に、地元出身の名士として鈴木の名前を冠そうとしたのを知り、激昂。取り消させる。鈴木は旧友の医者に引退を勧められ、ではと後継者に悩む。だが運と明るさが必要と考えると、浜崎が最適になってしまい、それは鈴木にも浜崎にも頭に無かった。
鈴木は、半日の予定だった休みを4日間に延ばし、専属運転手から金を巻き上げ、駅の中へと消えて行った。
鈴木は辿り着いた街で投宿。連絡船に乗り、島の堤防で釣りをしていると、海風で飛ばされた女性のショールを追いかけ、拾ってあげる。そしてその女性と浜辺で釣りをしていると、鈴木は狭心症の発作が起き、倒れてしまった。
一方、浜崎は鈴木の妻に頼まれ、鈴木の捜索を開始。釣り新聞に出ていた渥美半島に当たりをつけ、会社に休暇を取ってハチの車で出かけた。
女性が泊まっているホテルのスイートルームで目覚めた鈴木は、ドギマギし、近くで寝ていてうなされる女性の手を握り、寝付いたのを見計らって逃げ出した。
翌朝、渥美半島の海岸に着いた浜崎は、望遠鏡で海岸からホテルのバルコニーに目を向け、同じく女性とバルコニーから望遠鏡で外を見ていた鈴木とばっちり目が合ってしまった。浜崎は刑事のフリをしてホテルへと突撃。鈴木は女性と親子の芝居をして、彼女を送り出す。そして浜崎と合流し、一緒に釣りし、元の旅館に戻り、宴会で浜崎が腹芸を見せた。
2人は会社に復帰し、だが浜崎はズル休みをしていたことがバレ、懲罰委員会に掛けられることに。三課の同僚たちが署名運動を行うが、浜崎の免職は濃厚になり、浜崎は課長と泣き合う。
一方、鈴木は取引先で海で出会った彼女と再会。彼女・真宮やよいは社長秘書だった。
鈴木は会社に戻ると、浜崎のための署名活動と嘆願書を見せられ、専務たちに口を利き、大目に見ろとの判断をさせた。
釣りの日、遅れてきた鈴木は真宮やよいとその息子を連れて出港。魚が釣れた瞬間を、向かいの船から新聞記者が風景写真をと撮って行った。
だが、その新聞を見た鈴木の妻が鈴木に詰め寄り、鈴木は浜崎の浮気相手だとごまかし、鈴木の妻は浜崎に電話。それにより、浜崎はやよいが鈴木の娘でないことを知った。
出社した浜崎は、みんなよそよそしい中、査問委員会に呼ばれ社長室へ。やよいが吉田建設の社長秘書であることから、談合の疑いが掛けられていることを知り、浜崎は鈴木の名を伏せつつ、ある人物の浮気相手で、自分も騙されていたことを暴露し、ある人物を強く非難し、鈴木社長とつかみ合いに発展する。
委員会終了後、罰を考えるが、浜崎の性質上、左遷しても釣りを楽しむだけなので、結局出世コースに乗せることが一番の罰になるという逆転現象が発生し、鈴木は吉田建設との約定へ。そこで、やよいの結婚を知り、握手して見送った。
夜、鈴木は浜崎家へ謝罪に訪れ、名酒とからすみ、電動リールに職人の高級手づくり竿を献上し、明日の釣り勝負に向け、大釣果をうそぶく鈴木と浜崎はケンカになった。
1989年、日本・松竹の作品です。
脚本:山田洋次 堀本卓
共演:原田美枝子 久米明 石田えり アパッチけん 笹野高史 谷啓
この作品の冒頭では、前作の大ヒットが効いているのか、余計な説明は一切なく、2人が釣り好きながら、社長と社員の関係であり、その事は他の社員には一切極秘という説明を最小限に済ませています。
そして鈴木建設の社歌が登場します。この社歌も2回に1回くらいの登場頻度なのですが、微妙に変更が行われたり、体操になったりと変化を見せます。浜崎や鈴木の家、会社のビルやレイアウトがちょくちょく変わってしまうという不思議なシリーズの理由は、残念ながらわかりません。
この作品で、ハチの本名が太田八郎であることがわかります。おそらく原作やパンフレットを見れば名前が書いてあったのかもしれませんが、映画を観て名前が出ているかで判断しますので、特に邦画で本名がフルネームでわかり、どんな感じが使われているかというのは至難の業ですので、あらすじをご覧になっていただいている方々にはご容赦をと思います。
この作品には浜崎の宴会芸、そして社内で暴れる浜崎という2大要素が詰め込まれていますので、ファンの方ならずとも、爆笑間違いなしとなっています。