加山雄三 主演 福田純 監督作品。
祖母の切り日に送られて、田沼雄一は入社試験へ出かける。タクシーを拾おうとした雄一は、老人と若い女性に頼まれ、タクシーを譲ることにするが、2人は乗車拒否されそうになったため、雄一も一緒に乗り込んで駅へ。しかし、渋滞にハマったため、雄一はタクシーを途中下車し、走って会社へ。何とか頼み込んで試験を受けさせてもらうが、軟派な印象を与えてしまい、会場を後にした雄一は、会社の前で車を磨いていたおじさんに試験の不満をこぼす。するとそのおじさんこそこの会社の社長・猪俣であると知り、頭を抱える。だが社長の鶴の一声で、採用が決まった。
入社式を経て、直後に妹と大学時代の友人・江口の結婚式へ。新婚旅行に行く2人を空港で見送ると、試験の日にタクシーを譲った女性・節子と再会。すると居合わせた式の司会の青大将・石山が節子を気に入り、節子を誘って江の島へ遊びに行く。節子は兄に叱られ、雄一と石山は街をふらつく雄一の父と再会し、父に連れられスナック『ジャッキー』へ。父はママのめぐみを気に入った。
雄一は工場勤務合宿へ。同僚と餅を焼こうとしてアイロンを使い、停電事件を起こし、合宿が終わって帰宅すると、父は妹夫婦に店を任せて姿を消し、雄一の部屋は妹夫婦の部屋に勝手に改装されていた。そして妹夫婦のアツアツぶりに呆れた。
雄一は節子を訪ね、節子の代わりにいた男性の車整備を手伝い、意気投合するが、帰って来た節子から兄と紹介され固まった。
節子とジャッキーへ行くと、なぜか店を手伝う父と遭遇。口止めを頼まれ、そして雄一は独身寮へ遷る事にした。
雄一は小山とサービス課に配属され、課長と得意先まわりへ。すると東西オート社の新副社長になった石山と再会。石山は大学を中退し、父親の会社へと入れてもらった。石山は節子との面会を雄一に頼むが、お願いに力が入り、紅茶とケーキまみれになった。
雄一は独身寮『雄飛寮』から実家に電話し、初月給で祖母にネグリジェをプレゼントすることにするが、受付嬢に約束していた御馳走をする事に。
節子は石山に騙されて呼ばれ、帰ろうとしたところに雄一が現れるが、雄一は受付嬢と一緒。同席するが、節子は怒って席を立った。
雄一は秘書の純子とネグリジェを選び、節子へとセーターを買い、その包みを節子の兄に託した。
一方、雄一の実家すき焼き屋『田能久』では、父の久太郎がめぐみへと上質な牛肉を持ち出そうとしているところを祖母たちに詰め寄られ、恵との再婚を口に出し、勘当される。雄一は父をかばい、プレゼントの取り違いに気付き、急いで節子の家へ向かうと、節子の兄に投げ返され、弱っているところに、見習い募集の広告が目に入った。
一方、久太郎はジャッキーでめぐみに再婚をほのめかすと、恵は質屋の大梨と再婚すると宣い、久太郎はショックでラー油を一気飲み。そして久太郎は雄一の寮に転がり込み、失恋を酒と雄一の唄で慰めてもらった。
雄一は節子の誤解を解き、あらためてセーターをプレゼント。整備士試験の勉強に、日曜は無給で節子の兄の下で働かせてもらう事に。雄一は兄に気に入られ、見覚えはあるが、不良の原因不明の車を見るが、それは石山の車だった。一方、石山は雄一の姿を見て驚き、慌てて節子の兄に結婚のお願いをする。節子は出て行き、なんともない車を雄一に分解され、石山はタイヤの下敷きに。
雄一は整備士の試験に合格。節子の兄に御礼の酒を届けに行くと、節子の事をどう思っているのか訊かれ、雄一は自分がまだ未熟な人間だからと説明し、兄もその言い分を受け入れた。
後日、悩んでいる雄一のいるサービス課に石山が現れ、得意先の竹内社長に余所へ乗り換えられそうだと伝えられ、羽田空港へ。だが竹内社長の顔を知っている石山が節子に会いに行ってしまい、中央モータースに竹内社長を奪われ、課長の檄で街中のホテルを探す。そして部屋で若い女性に応対され、課長に報告。すると石山が竹内社長を連れ、課長が話しかけると、さっきの若い女性は竹内社長の娘のみどりで、雄一はみどりの相手を頼まれ、節子に直接約束の断りを入れたため、2人でいることを見られた。
翌日、節子は電話に出ず、北海道にいると知る。そしてまた石山が、今度は北海道で事故続きで取引を打ち切られそうだと飛び込んできて、雄一は整備士資格を見せ、北海道での調査出張を強引に勝ち取った。
雄一は実家に顔を出し、電話で、節子が嫁入りすると知り、父と唄う。
空港で石山と合流し、共に北海道へ。松坂部長や工場を訪ねるも車の不調理由はわからず、呑気にクラブで呑みだす石山と会うと、松坂と中央モータースを目撃。翌日、雄一は竹内社長に会うため、みどりとスケートをしに苫小牧へ。滑れない石山はクラブのママに拾われ足止め。事故の原因を知り、みどりの案内で別荘へ。社長と中央モータースの契約成立前に間に合い、食い止め、1日休暇を貰って帰京。迎えに来た節子と、石山を追っ払い、2人でドライブとスケートデートを楽しんだ。
1969年、日本の作品です。
共演:酒井和歌子 田中邦衛 藤岡琢也 岡田可愛 草笛光子 高橋紀子 長慶子
今回から、前作までのヒロイン星由里子さんに代わりまして、酒井和歌子さんが2代目ヒロインを務めます。71年の『若大将VS青大将』までヒロインを務められました。当時20歳を過ぎたばかりで、加山雄三さんとは一回り年が離れていたため、最初はヒロイン役を断られたそうですが、周りの女性キャストも同年代ということで、無事受けられたそうです。