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モンタナの風に抱かれて

ロバート・レッドフォード主演兼監督作品。スカーレット・ヨハンソン共演。
牧場を営む親戚の家で過ごす少女グレイスは、早朝家を抜けだし、父親に内緒で愛馬ピルグリムを厩舎から出し、同じく馬に乗ってやってきた親友の同級生ジュディスと近くの森林を乗馬で回り、おしゃべりを楽しんだ。
父親が心配しだした頃、グレイス達は帰ろうと、雪に埋もれた脇道に入り、坂を登ろうとして滑り、馬が倒れ、2人は道路に戻され、そこに運悪く大型トラックが猛スピードで通りかかり、グレイスは気絶したジュディスをなんとか引っ張りあげようとし、ピルグリムはいなないた。
2人は病院に運ばれ、父親からの連絡を受け、ニューヨークで雑誌の編集長をしているグレイスの母、アニーも仕事に追われながら到着。そこでアニーは、グレイスの右脚の切断、ジュディスの死とそれを伝えねばならない事、そして自らも愛するピルグリムが大ケガをしながらも逃げ回り、ようやく捕まるが、人を寄せ付けない殺伐とした状態になっている事を知らされる。アニーは殺処分を検討させられるが、安楽死を許可しなかった。
やがてグレイスは義足を付け退院。心の傷を治すため、自ら希望しピルグリムと対面するが、その顔の傷にグレイスはより心の傷を深くした。
アニーは馬に関する資料を集め、調べる内、馬と心を通わす事のできるウィスパラーの存在を知り、そのトムに電話を掛け、来訪を求めるが、彼は仕事が忙しく、また必ず治す事ができるわけではないと断り、悩んだ挙句、夫の反対を押し切り、学校で皆の視線に耐えきれず引き篭もるようになったグレイスとピルグリムを連れ、モンタナへと向かった。

結末 ネタバレ注意

現れたアニーに呆れたトムは、彼女達の滞在するモーテルを訪ね、グレイスとピルグリムの様子を診る。そしてトムはグレイスの協力を条件にピルグリムを治してみると言い、グレイスのピルグリムへの本気の気持ちを吐き出させる。
ピルグリムを牧場に移し、トムは縄を使ったり、距離を置いたりして交流を図る事に成功し、アニーとグレイスも通うのは大変だろうと、トムの同居する弟夫婦の好意で、牧場の傍の川のほとりの小屋に移る。
トムは投げ縄を使ってピルグリムを操り、そしてアニーとグレイスに牛の焼印を手伝わせ、グレイスに本格的に馬の世話仕事を与えた。
トムとアニーは互いの過去に触れたり、グレイスにはトラックの運転をさせたりして、そしてトムは「馬を治すために事故の時の事を話してくれ」と説き、だがグレイスの心の傷はそこまで治ってはいなかった。
トムとアニーは乗馬をして、過去を話し、トムは求める環境の違いから「妻を愛していても離婚する事がある」と話した。
グレイスはトムのまだ小さいながらも牧場の仕事をこなす甥っ子に協力してもらいながら、内緒で馬に乗ろうとして失敗。その日の夕食はアニーが振る舞い、トムの甥っ子達の揉め事でグレイスの行動を知り、向き合い、仕事に忙殺され離れていた心を通わせる。
グレイスはピルグリムに近づくものの…。トムに事故の時の事を話し、それはグレイスを守ろうとしたのだと慰められる。
アニーは編集中を辞し、休職。トムを愛するようになり、トムもまた、アニーを愛するように。そんな折、ようやく仕事に都合をつけた弁護士の夫ロバートが合流。ロバートは娘の回復に驚き、とても喜んだ。
町ぐるみのダンスパーティーが開かれ、トムとアニーはロバートの目を盗み、強く、優しく抱き合った。だが、パーティーの途中でトムは姿を消した。アニーの深まる思いとは裏腹に、よそよそしくなっていくトム。ここに残りたい、ここで生きることが宿命のトムはアニーの自由にはならないと身を引くが、アニーの思いは変わらない。
翌日、トムは暴れるピルグリムを手荒い方法で倒し、不安がるグレイスを傍に呼び、耳と頭を撫でさせ、馬に乗せ立たせると、元のように走り出した。
ピルグリムの完治を喜ぶアニーだったが、翌朝、トムの義妹から、トムが昨晩の内に馬の買い付けでジェリダンへ旅立ったと知る。
片付けの荷造りをするアニーにロバートは妻への強い愛情ゆえに、トムへの想いにけりを付けてほしいと、自由を許し、グレイスと先に帰る。
アニーは滞在し、ジェリダンから帰ったトムと抱き合うが、トムに彼女を繋ぎ止める気は無かった。アニーの最後の頼みで2人は乗馬をし、アニーはピルグリムをけん引し、運転する車でトムが前にくれた紐を手に涙し、トムは丘の上から、走り去っていく車を見送った。
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管理人の批評

1998年。アメリカの作品です。
原作はニコラス・エヴァンス氏の小説だそうです。確かにところどころ芸術性や自然美を取り入れ、追及している箇所、ゆったりとした感じが見受けられ、音楽も美しく壮大なものになっています。
ストーリー自体はかなり驚かされました。少女と、人間と馬の絆が中心の動物愛に満ちた話だったのがまさかそちらに展開するとは…。観ていて思わず声をあげてしまいました。
ただ、主人公のトムが馬だけでなく、あらゆる生き物の気持ちもわかるからこそ、「一番さびしい思いをしていたのは誰か」という事に気付き、その囁きを受け止められるのだ、という結論ゆえの終わり方だと思われます。
小説が原作だと遊びが無いので、それに2時間では尺が足りないので、どうしても大人向けの映画となってしまいますね。まあ、「マディソン郡の橋」が好きな人にはオススメです。
ロバート・レッドフォード主演の映画は「明日に向かって撃て!」くらいしか知らない私ですが、中盤で出てくるロバートは一目顔を見ただけで知らなくても、この人がスター、この人がロバートだとすぐわかります。ですからあえて勉強しないで観るのも面白いでしょう。
書いている側の苦労を書きますと、グレイスの母親が重要な役どころにもかかわらず、ずっとマクリーンと苗字で呼ばれているので、それが気になりなかなか感情移入できませんでした。
でもそれも含めて、序盤は少女と馬の絆に注目してほしいという事だと思います。