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相棒シリーズ X DAY

田中圭 川原和久主演 橋本一監督作品。
銀行のシステム開発員・中山(戸次重幸)の転落死体が銀行のそばで見つかった。現場には燃え残った百万円が散乱していた。
現場検証に来た警視庁捜査一課の伊丹(川原和久)達は、サイバー犯罪対策課の捜査官・岩月(田中圭)と出くわす。岩月は動画サイトに流出されたデータを追い、中山に辿り着いた矢先の事だった。だが岩月はこれで自分の捜査を終了しようとする。そんな気力の無い岩月に伊丹は怒りを感じながら、中山の家を捜査する。恋人の形跡や家探しされた跡、データの無くなって空っぽのパソコンを押収した。
一方、衆議院議員の片山雛子(木村佳乃)は、サイバーテロ対策として投稿者を割り出せるようにする法案を、財務省が提出に乗り気である事に疑問を感じ、その調査を元特命係で現官房付きの警察官僚・神戸尊(及川光博)に依頼する。
岩月は、システム障害の対応に追われる、中山の勤めていた銀行で、伊丹と鉢合わせになり、2人で中山の上司・朽木(田口トモロヲ)に会い、流出したデータがシステム障害の対策マニュアルだったと聞かされるが、伊丹は、中山が流出犯であると知っていた朽木を疑い、マニュアルデータを照合のために預かり、更に中山の恋人である麻生(国仲涼子)に会う。
一方、岩月はデータを照合するが、一致せず謎が深まり、また、動画サイトへの削除依頼が金融庁からだったことがわかった。

結末 ネタバレ注意

一方、角田課長(山西惇)率いる組織犯罪対策部5課はヤクザの摘発で、トレーダーとして資金稼ぎに使われる元証券マンの神林を見つける。神林が過去に警視総監賞を貰っていたことから、大河内監察官(神保悟志)と角田課長による捜査によって、横領によってクビになり、国債の空売りを行っていた事実が判明した。
伊丹と岩月は朽木を締め上げ、朽木は上司に、その上司は金融庁に泣きつき、圧力でもって、2人の銀行への調査は潰された。
一方、神戸は流出したデータを、経済事案を扱う捜査二課に所属していた経験のある、現特命係の杉下右京警部(水谷豊)に見せる。杉下はこれを「X DAY」のシミュレーションデータと看破。「X DAY」とは、日本が財政破綻する日を想定した呼称だった。そして最近の銀行のシステム障害は、「X DAY」の国民の動きを予測する練習であることも判明した。
そして中山が使っていたアカウントのはずのJUSTICE11が新たに生まれ、つまり中山の仲間がデータを流出させる。それは捜査により、麻生の仕業だと判明した。
伊丹と岩月は小料理屋・花の里へ。伊丹は腐り、岩月とケンカし、勘定も払わずに出て行く。岩月が立て替えるが、女将の幸子(鈴木杏樹)から、信用の話をされ、警察官としての自覚に目覚める。
徹夜した岩月は、麻生の関与した証拠を手に、伊丹達と麻生を押さえ、メモリを回収する。そして麻生の証言を頼りに、「X DAY」のことで中山と揉めていた朽木を探しに銀行へと向かう。その頃、街は「X DAY」のシミュレーションが行われていた。今日は最も給料日が集中する日で、街は大混乱。銀行で伊丹と岩月は隠れていた朽木を見つけ、逃げた朽木を追い、事故で現金が宙に散乱する中、路上で逮捕した。
伊丹は朽木を訊問するが、朽木は、国民に是非を問おうとしてクビになったその後の中山の事は知らないと言い、替わって岩月が訊問を行い、伊丹は様子を見ようとするが、サイバー課の小田切(関めぐみ)に邪魔される。そして小田切の持ってきた資料を受け取った岩月は、神林の所へ。あの時燃え残った百万円から出たのは、神林の指紋だった。
神林は中山の事を嗅ぎつけ、「X DAY」の正確な日付を聞き出して悪用しようと考え、正義のために利用しようとしていた中山と対立し、事件が起きた。
神林は殺人犯として逮捕されたが、「X DAY」の事を知った神林は出所後も安泰だと息巻き、岩月は激怒してつかみかかり、引きはがされた。
そして「X DAY」の事を知った片山雛子もまた優位な立場に就き、その権利を警察へと移動させた。
伊丹と岩月は表彰されるが、伊丹は麻生を表彰するよう大河内に頼み、岩月は、もし神林が裁判で「X DAY」の事を喋ったところで戯言だとされると、内村刑事部長の懸念を払った。
伊丹は岩月に花の里での立て替え分を返そうとATMに立ち寄るが故障。それを見た岩月は、「日本銀行券が使える内に返してください」と言い、去って行った。
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管理人の批評

2013年、日本・東映の作品です。
共演:国仲涼子 別所哲也 田口トモロヲ 木村佳乃 戸次重幸 大谷亮介 山中崇史 関めぐみ 宇津井健 山西惇 六角精児 志水正義 久保田龍吉 片桐竜次 小野了 原田龍二 神保悟志 鈴木杏樹 及川光博 水谷豊
この作品はテレビ朝日系大人気ドラマシリーズ『相棒』の人気キャラクターである警視庁捜査一課の刑事・伊丹を主役に据えたスピンオフ作品です。
『相棒』とは、テレビ朝日と東映が協力して作成している、水谷豊氏主演のドラマ、映画です。警視庁陸の孤島と呼ばれる特命係という閑職に甘んじている頭脳明晰・法令遵守・好奇心旺盛な警察庁のキャリア官僚・杉下右京警部と、彼を慕い同じ部署に配属された人間の二人組が活躍する刑事ドラマです。
ここで田中圭さん演じる岩月の設定は、もともとシステムエンジニアの腕を持っていたが、過酷な民間労働よりも安定した収入と固定された労働時間で転職した、仕事への情熱よりも安定を選んだ消極的な捜査官という役柄です。この映画に登場するに当たり、テレビドラマ本編でも、警視庁に存在する人物として出演、登場いたしまして、相棒ファミリーの一員であることは間違いありません。もしかするとサイバー犯罪事件が増えれば、登場するかも。
田中圭さんといえば、テレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ』が当たり役となりましたが、元々コンスタントにドラマや映画などの作品に出演しては、その度に少しずつ人気を上積みしていくというタイプのスター俳優さんです。カメレオン俳優という呼び声もありますが、様々な役を演じているにもかかわらず、どの役柄でも魅力的に演じ、あらゆる女子をキュンキュンさせ、それだけでなく男子をもキュンキュンさせようとしているというのは、かつてない俳優さんだと言えるでしょう。また、もう一人の主演である川原和久さんという強面俳優との共演は、見事な対比であり、それこそ『おっさんずラブ』の原点となりえたと言えるのではないでしょうか?
また、この作品はミッチーこと及川光博ファンの皆様にとっても、相棒の舞台に復帰するという感動的な作品でございました。主役との直接の絡みはないものの、相棒の世界に存在し続けているという確認が出来ただけでも、喜ばれたファンは多かったろうと思います。