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やればやれるぜ全員集合!!

ザ・ドリフターズ主演 渡邊祐介監督作品。
福島県日陰村の若者5人は、周囲の大人達からバカにされるのを見返すため、東京に出ようと神社で賽銭泥棒し、これからの事を祈る。そして貨物列車に紛れこんだ。
1年後、貿易界を夢見ていた先輩の長吉は奴隷のように扱う子分の後輩ヒデオと港湾で船荷誘導。先輩にテストを盗んで来てもらい卒業したヒデオは、その事を言われると従うしかなく、こき使われ、現場仲間や昼食売りのミッちゃんことミツコに励まされる。
当然、2人はボロアパートに同居。帰ってからもヒデオは家事を全てやらされる。
その夜、一人でトイレに行けない長吉は明後日の5人そろっての再会を心待ちに眠りに就く。
花やしきで再会すると、他の3人はそれぞれの夢を叶え、成功を報告。その帰り、肩を落とし立ち小便する長吉とヒデオ。夜鳴きソバをしていたミッちゃんの片付けを手伝う。
一方、成功を報告した3人も実は、流しのギター弾きや焼き芋屋をやっていた。だが焼き芋屋が火事になり、同じ街に居合わせ3人は再会し、嘘がバレるのだった。
ヒデオも長吉もミッちゃんを想い、昼食時、長吉は配達の車に来れないようヒデオを遠ざけるが、ミッちゃんは出前で別の場所へ。昼寝していたヒデオは揚げ荷に巻き込まれ、長吉に叩かれ、そして長吉とミツコの仲を取り持つよう動けと命じられる。
だがミツコは2人のそんな気持ちなど知らず、2人の同僚である三郎と恋仲だった。
片付けに紛れたヒデオは、ミツコに話しかけ、手伝いで本社へ。
実はミツコは、死んだ父が社長から借りた500万円の返済を免除する代わりに結婚を迫られていた。

結末 ネタバレ注意

ミツコが帰宅すると、ヒデオが弟たちと遊んでいた。ヒデオを送りながら、ミツコは好きな人が工員の中にいるとほのめかし、ヒデオは自分だと勘違いする。
帰ったヒデオは長吉への報告をはぐらかした。
ミツコは三郎に決心を尋ねるが、500万円を払う事は出来ず、別れを切り出す。
ミツコは社長に連れて行かれ、長吉とヒデオは事情を知り、泣き酒を飲む。
一方、街で工助、フトシ、注太郎の3人は不幸な人を装い、カンパ詐欺を働くが見兼ねて助けようと近づいた長吉に気付かれ、その悶着を見た人だかりに、詐欺だとバレ5人は袋叩きに遭う。
長吉は公園で説教をするが、リーダー格の自分に責任があったと反省し、3人を港湾で働かせようと連れて行き、掛け合うが、仕事もできない長吉の申し出に主任は怒り、長吉をクビにする。
アパートで5人は再出発を決心し、とりあえず有り金全部で鍋の準備。ヒデオが下準備に入った後、部屋でフトシはヒデオのへそくりを見つけ、自分の金のように差し出す。大家の飼い猫の傍らで、鍋の準備が始まった。
バカ騒ぎの鍋パーティーで揺れるアパート。ヒデオは肉を入れ、褒められるが大家の猫だと白状。他の4人が箸を付けず、ヒデオ一人で食べていると、大家の猫が現れ、ヒデオは袋叩きに。そしてへそくりの缶が空だと気付き、泣いた。
翌朝、5人は新聞広告を頼りに健康ランドに住み込みで、がむしゃらに働き、1ヵ月で30万円、黒幕である社長への復讐を誓って更に100万円を貯め、新事業の為の手付けした土地を買いに行くが売ってもらえない。騙されたと知ると、不動産会社の社長もまた、例の黒幕社長だった。
社長がミツコと結婚すると聞き、5人は披露宴に潜入。ヒデオは社長の酒に睡眠薬を仕込むはずが、間違って下剤を仕込み、社長はトイレに駆け込む。
5人は作戦を変更して、個室で社長を気絶させ、女装させて運び出し、アフリカ行きの積荷に背広で密封し梱包。船に積まれるのを見届け、大喜びするが、100万円も詰めてしまったと気付き、落胆。
社長の失踪と怪しい5人組の事はニュースとなり、大島沖で社長は保護され、バラバラに日本各地で暮らしていた5人は逮捕され、留置場で再会した。
死刑の可能性もあると怯えるが、社長が麻薬王である事が判明し、社長が逮捕され、5人は功労者として記者会見。表彰され釈放される。
ミツコにも感謝され、喜ぶが、結婚相手の三郎を紹介され、長吉とヒデオは泣きつつも、5人でハネムーンのトラックを演奏で送り出した。
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管理人の批評

1968年、昭和43年の日本の作品です。
共演 松尾嘉代 平尾昌晃 木ノ実ナナ 田中邦衛 犬塚弘 高橋圭三 藤村有弘
全員集合シリーズの第2弾です。
この物語は福島県を舞台にスタートしますが、福島は加藤茶さんの故郷であります。
加藤茶さんはザ・ドリフターズにドラマーとして参加しますが、皆様や私には、コントのメインとして、特にストリッパーの物真似をするコントや「加トちゃんペ」などのチョビヒゲギャグでおなじみのスーパースターです。華のある人物は違いますね。
また、ドリフの中で地方出身者は加藤さんただ一人、後に加入する志村さんも含め、他全員が東京出身。これもまた、何かに導かれるかのような組み合わせですね。
コントでのバラエティー第一線を退いてからは離婚や病気などもありましたが、娘さんとテレビに出たり、なにより45歳下の女性と再婚された事が世間で大きな話題を集めました。これがスーパースターと凡人の差ですね。世の中に対して何かを仕掛ける事の出来る人間。これこそがスーパースターの証明です。
三郎役の平尾昌晃さんはジャズの後に流行したロカビリーブームのスターで、ミッキー・カーチスさんらとロカビリーで日本を盛り上げました。現在は主催する音楽学校の校長として、音楽コンテストの審査員や、作曲家として活躍され、大病を患いましたが、見事に復帰いたしました。
健康ランドというのは現在のスーパー銭湯の事で、福島と言えば何よりハワイアンセンターが有名ですから、そこに起因して、盛り込んだ事でしょう。
当時の貨幣価値はよくわかりませんが、3〜4倍すると相応になるのではないでしょうか?
とんねるずの石橋貴明さんがインタビューにて成功の秘訣は「自分の為だけじゃなくて、誰かの為にやる事」という意の発言をされていました。今作品では自分たちの成功を賭けて失敗し、それが誰かの為にとなると大きく前進する。社会に出るという事はそういう事なのかもしれません。