トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

ユー・ガット・メール

トム・ハンクス メグ・ライアン主演 ノーラ・エフロン監督作品。
キャスリーンは同棲中の彼氏フランクが出勤の為、家を出て行くと、パソコンをネットにつなぎ、チャットルーム「30代の部屋」で知り合った「NY152」からのメールをハンドルネーム「ショップ・ガール」として開いた。
一方、「NY152」としてメールをする男性、ジョーにも恋人パトリシアがいたが、ジョーはこっそりとメールをし、忙しいパトリシアもあまり気付かないようだった。
そしてなにより、キャスリーンとジョーはお互いの素性をまったく知らないにもかかわらず、同じニューヨークのすぐ近所に住んでいた。
だが、キャスリーンは街角の小さな児童書専門店のオーナー、ジョーは安売りとコーヒーが売りの総合書店フォックスの御曹司。この街にも新規支店を出店し、他の書店を、無論キャスリーンの店も閉店に追い込むつもりだった。

結末 ネタバレ注意

ニューヨークのその街の小さなお祭りに、幼い祖父の娘と自分の異母弟を連れ、キャスリーンの児童書店に視察と挨拶も兼ねて入ったジョーは、子供たちに本を買ってやり、キャスリーンと知り合いになるが、子供達がフォックス書店の者だとバラそうとして、焦ってごまかす。
フォックス書店が開店し、成績は上々。一方、キャスリーンの店は閑古鳥が鳴き始める。
ある出版関係のパーティーにフランクと出席したキャスリーンは、同じくパトリシアを連れて出席していたジョーを見つけ、声を掛ける。だが、知り合いに彼はフォックス書店の御曹司と知らされ、態度を一変。自分を騙していた事に怒りをぶつけ、ケンカ腰になる中、パトリシアは新聞記者であるフランクの書いた記事を称賛し、フランクも褒められて気を良くし、ジョーとキャスリーンは互いのパートナーを引き離す。
キャスリーンに対して嫌味な態度をとってしまい、後悔するジョーはショップ・ガールにその後悔をメール。同調してくれたショップ・ガールに「会わないか?」と提案し、キャスリーンは迷う。
同じ街の近所に住む2人は、ニアミスしそうになると先に見つけた方が上手く隠れてやり過ごし、ある日、スーパーで買い物中にジョーを見つけたキャスリーンは、会計でうっかり現金専用レジに並んでしまい、立ち往生しているところを、会計を終えたジョーに取りなしてもらい、カードを使えるようにしてもらい、助けられてしまう。
感謝祭やクリスマスのセールで伸び悩んだキャスリーンは、NY152すると、「ゴッド・ファーザー」からの引用で「戦え!」とアドバイスされ、覚悟を決めたキャスリーンはフランクに頼み、総合書店の批判記事を書いてもらい、テレビの取材を受け、フォックス書店前でデモ行進を行い、ジョーは呆れる。
一方キャスリーンも、その一環でフランクが出演したテレビを見るが、フランクは司会の女性に気に入られ、まんざらでなさそうで、困惑。
だが、客足は増えることなく、キャスリーンはNY152と会う事を決める。
いざ会う段になって緊張したジョーは、仕事の相棒ケビンを連れて、待ち合わせの喫茶店へ。ケビンに目印の花と本を持った女性を探すよう、店内を視察させると、ケビンはキャスリーンだと報告。ジョーは相手がキャスリーンと知り、会わずに帰る事にする。
そうとは知らず、店内に入ってくる客を逐一チェックし、向かいの空いた席を団体客に奪われないようにするキャスリーン。不安そうな彼女の前に現れたのは、ジョーだった。
偶然を装いジョーは、顔を隠すキャスリーンに話しかけ、同席を断られつつも占拠。少し話をして、別の席へと邪険に追いやられ、懇願され、いたたまれなくなり帰る。そしてキャスリーンも、相手が現れず、店を出て、花をゴミ箱へ捨てる。
ジョーとキャスリーンはそれぞれ暗い気持ちになり、ジョーはキャスリーンから届いたメールで確信を深め、キャスリーンの真意を知り、迷いつつも、言い訳を辞めて謝罪し、キャスリーンを擁護するが、もう会う事は避けた。
キャスリーンは閉店を決意し、フランクとのデートで、些細な事でケンカ、ケンカ自体は水に流れるが、フランクは好きな人が出来たと別れを切り出し、キャスリーンは気丈に振る舞って笑顔で別れる事にする。
閉店セールが終わり、キャスリーンはフォックス書店へと足を運び、児童書コーナーでたたずんでいると、タイトルがわからずに店員に内容を伝え本を探そうとする女性を手助け。だがその本は絶版と告げ、泣く。
ジョーはキャスリーンの児童書の知識をパトリシアに話すと、パトリシアはぜひうちの出版社で迎え入れたいと考える。だが二人の乗ったエレベーターが停止し、ジョーとパトリシア、エレベーターボーイとご婦人が閉じ込められ、救助を待つ間に、みんなで出た後の行動を話すと、家族に会って感謝を伝えたい、あの人に謝りたいをよそに、パトリシアは化粧を直したいなどと本気で言って、呆れ、価値観の違いに縁を切ったジョーは愛犬ブリンクリーを連れ、自分のヨットで過ごす事にする。
キャスリーンは店を閉め、ジョーは若い再婚相手に浮気され、離婚した父と、父のクルーザーで過ごす。
ジョーはキャスリーンの部屋を訪ね、風邪をひいて家に入れたがらないキャスリーンを強引に見舞う。キャスリーンの店の元店員ジョージを雇い入れたので、自分にも声を掛けに来たと思ったキャスリーンはパトリシアや、その他からも引く手あまたなのでご心配なくと返す。だがジョーはその用ではなく、パトリシアとの破局を伝えると、キャスリーンもフランクとの破局を伝え、ジョーはキャスリーンの店を潰した事を仕事上仕方ないと謝るが、キャスリーンは怒る。だがジョーは友達になろうと持ちかけ、2人は友人として接するようになる。
休日を共に過ごすようになり、ジョーはNY152と会うよう持ちかけ、キャスリーンはその旨をメール。ジョーはNY152の悪評を高めつつ、どんな人物か探るよう指示し、NY152として見透かすようにはぐらかしつつ、土曜日に会う事を約束する。
約束の土曜、午前中を共に過ごし、ジョーはキャスリーンに好意を伝える。「約束を破った男は許せるのに、僕の小さな罪は許せない?君の店を奪った事」と涙交じりに言われるも、約束があるからと部屋に戻るキャスリーン。
服を着替えて外に出たキャスリーンは公園へ。メールに出てくる犬ブリンクリーの名を呼ぶ声がして、現れたジョーにキャスリーンは涙し、ジョーは「泣かないで、ショップガール」とハンカチで拭う。キャスリーンは「あなたで良かった」と言い、2人はキスをした。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1998年、アメリカの作品です。
こんなにも軽く、何も構えたりせずに見る事ができる映画は他には無いくらい、落ち着いて見られる映画です。
割と長い映画でありながら、余分なものがほとんど無いのが素晴らしい。他のキャラクターの人生も追わず、仕事の発展などの人生も追わない。ジョーとキャスリーン2人の関係の発展のみに着目している点が、非常に正々堂々しています。
しかしながら小ネタが多いのも事実。その小ネタの数々はあらすじを書くにあたってはほとんど触れられなかったので(キャスリーンの店の店員達、ジョーの家族、ジムのルームランナー)、ぜひご自身でご確認くださいませ。
今となっては知らない人も多いでしょうが、パソコンでインターネットにダイヤルアップ接続する際のあのコール音が懐かしい。今となってはあれは音楽ですね。
キャスリーンの恋人フランクはやたらとモテます。彼は新聞記者として哲学をベースとした難解な文章書きつつも、知的な女性達から一定の支持を受け、ところがいざ会うとその優しそうで柔和な風貌、インテリぶっていないところに、ギャップを感じ、女性達は惹かれてしまうのかもしれません。そしてフランク自身その魅力にあまり気付いていない感じもまた良い。
初めての待ち合わせのシーンで、不安を抱えつつ待ち、団体客から席を守り、ジョーに帰ってほしいと懇願するキャスリーンの弱弱しい姿に胸打たれます。あのシーンのメグ・ライアンをぜひ評価してください。
ちなみに、ジョーの父親役を演じたダブニー・コールマンは、アメリカのテレビドラマ界を代表する名優で、2回エミー賞の候補になり、「新・刑事コロンボ 影なき殺人者」では犯人役を演じられております。