ある男が王子稲荷に詣でた帰り道で、キツネが若い女に化けるのを目撃。キツネに騙されたフリをして、反対にキツネを騙してやろうと女に声を掛ける。見事にナンパは成功し、騙されたキツネは男と一緒に近所の料理屋の扇屋へ入ってたらふく飲み食いし、酔いつぶれて寝てしまった。男は土産に玉子焼きまで注文した挙句、勘定はすべて女が払うと言い残し、代金を踏み倒して出て行く。女に勘定を催促しようと女中が部屋に行くと、そこに居たのはなんと1匹のキツネ。店の者に退治されキツネはほうほうの体で逃げ出す。その後諭されて後悔し心を入れ替えた男は、菓子折りを持ってキツネの所へ謝罪に行く。件のキツネには直接会えなかったものの、子ギツネを巣穴の前で見つけ言付けをして菓子折りを渡した。子ギツネは母ギツネに人間が謝罪に来た事を話し、菓子折りを開けて中にあったぼた餅を食べようとして母ギツネに止められる。男(人間)を信用できない母ギツネ。「食べるんじゃないよ。馬の糞かもしれない。」 |