筑波山 気軽に日本百名山

2019年3月






 
筑波山
 筑波山

 茨城県の山筑波山は、871mの男体山と877mの女体山の二つのピークからなる名峰。関東平野の中にポツンとそびえるその姿は、富士山にも似た美しさがあるんです。そして今日は、日本百名山にも数えられるこの山に、気軽に登っちゃおうという計画。





筑波山あるキップ
 筑波山あるキップ

 なんで気軽かと言うと、既述のように最高所の標高が877mと、百名山中一番低い山だからです。因みに日本百名山とは、登山家で小説家の深田久弥(1903~1971)が著した同名タイトルの随筆に記された山々で、山の品格・歴史・個性という観点から、作者自身が選んだものなのだとか。ところで筑波山へアクセスするにあたり便利なのが、この筑波山あるキップ。1枚の切符で、つくばエクスプレス線と筑波山へのバスが乗れてしまう便利でお得な切符です。早速この切符をゲットして、いざ筑波山へ。





つくば駅バスターミナル
 つくば駅バスターミナル

 今日は早起きして自宅を出てきたので、つくばエクスプレスのつくば駅には朝7時半過ぎに到着です。そして駅のA3かA4の出口に出ると、目の前は駅前広場のバスターミナル。筑波山行きシャトルバスは、このターミナルの1番停留所から発車しています。





筑波山神社入口停留所と大鳥居
 筑波山神社入口停留所と大鳥居

 8時ジャストの始発シャトルバスに乗り込んで、乗車およそ40分。終点ひとつ前の筑波山神社入口停留所で下車したら、目の前の大鳥居を抜けて進みましょう。





大鳥居をくぐって進む
 大鳥居をくぐって進む

 商店や土産物店がぽつりぽつりと並ぶ通りを350mほど歩いて行くと、筑波山神社に到着です。





筑波山神社前に建つ案内図
 筑波山神社前に建つ案内図

 筑波山登山でポピュラーなコースは、筑波山神社から始まる白雲橋コース御幸ヶ原コース、そしてシャトルバス終点のつつじヶ丘から始まるおたつ石コースの三つ。今日は白雲橋コースで女体山頂を目指し、その後男体山頂を経て、御幸ヶ原コースで下山し筑波山神社まで戻る組み合わせを選んでみました。





随神門
 随神門

 せっかく筑波山神社の前まで来たんだから、山登りの前のお参りがてらにちょっと境内でも眺めて行きましょう。

 ・・・って事で、1817年建立の随神門をくぐります。





大杉
 大杉

 境内に入るとすぐ目に飛び込んで来るこの杉の木は、樹齢およそ800年。高さは32m、周囲9.8mもの巨木です。





拝殿
 拝殿

 ところで筑波山神社の御神体は筑波山そのもの。と言う訳で山全体が境内になるんです。祭神は男体山に祀られた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と、女体山に祀られた伊弉冉尊(いざなみのみこと)。それぞれの山頂に本殿があります。





楠木正勝の墓と愛宕山神社
 楠木正勝の墓(左)と愛宕山神社

 拝殿の裏手にあるのは、末社の愛宕山神社。案内板によると、その小さな鳥居の傍らに建立された石塔は、楠木正成の孫で楠木氏当主として南北朝時代の南朝を支えた、楠木正勝の墓らしい。





白雲橋
 白雲橋

 愛宕山神社のすぐ前にある石段を下るとその先には、これから歩いて行こうとしている登山コースの名前にもなっている、白雲橋が見えています。





Y字路を左へ
 Y字路を左へ

 白雲橋を渡るとY字路になるので、「女体山頂」への指導標に従って左の道へ。





ここから登山道
 ここから登山道

 間もなく見えてくる鳥居の先からが、いよいよ登山道です。





いざ、女体山頂へ
 いざ、女体山頂へ

 白雲橋コースは、筑波山神社と女体山頂を結ぶコース。登りでおよそ120分の道程の途中で、奇岩・怪石が次々と現れる楽しいコースです。





酒迎場分岐
 酒迎場分岐

 登山道を登ること10分ほどで酒迎場分岐になるので、ここは左方向へ。因みに右の道は迎場コースと言って、歩き易いなだらかな山道を40分程で筑波山中腹のつつじヶ丘まで向うコース。そしてそのあと、ロープウエイ乗車で女体山頂を目指すことも出来るんです。お疲れの場合にはこちらをどーぞ。





白蛇弁天
 白蛇弁天

 分岐から5分ほど登ったところにパワースポットが。

 ここには白い蛇が棲んでいて、見かけるとお金持ちになれるんだって。





弁慶茶屋跡
 弁慶茶屋跡

 登山道を登り始めてからおよそ1時間、弁慶茶屋跡に到着。ここは見晴らしの良い広場です。大木を切って作ったと思しき椅子やテーブルもあるので、小休止するのに便利。つつじヶ丘から女体山頂を目指す、おたつ石コースとの合流地点でもあります。





弁慶七戻り
 弁慶七戻り

 弁慶茶屋跡を過ぎると、ぼちぼち奇岩・怪石が現れます。先ずはこの弁慶七戻り。この石門、頭上の巨石が落ちそうなので、あの強い弁慶もビビッて、通過するのを七回もためらったんです。

 意外と臆病者だったんだ。





高天原(たかまがはら)
 高天原(たかまがはら)

 高天原は天にある世界。天照大神をはじめ、多くの天津神が住んでいる場所。だからこの巨岩の壁が迫る険しい道を登って行くと、神様に出会う事が出来ちゃいます。

 何故なら・・・・





稲村神社
 稲村神社

 巨岩のすぐ裏側に建立されている、筑波山神社の摂社であるこの稲村神社には、天照大神が祀られているから。





母の胎内くぐり
 母の胎内くぐり

 この岩の隙間をくぐると、汚れの無い心の持ち主になれるんだって。今でさえ邪心のかたまりのワタクシではありますが、母親のお腹から生まれ出て来た頃は、確かにいやらしい考えは無かったもんね。 ・・・って言うか何にも考えてなかったか。しかし実際問題この岩の隙間、かなり狭くてくぐるのに苦労しそうです。





陰陽石
 陰陽石

 これは何故陰陽石なのかと言うと、寄り添っている二つの相反する巨岩を、陰と陽に見立てているんです。

 ウーン、なかなか深い。シュールであります。





国割り石
 国割り石

 この地面の岩の切れ込みは一体何でしょうか?

 それは大昔、神様たちが自分の治める土地を、この岩を使って皆で割り振った跡なんです。だから国割り石





出船入舟
 出船入舟

 船舶の水路の安全を守る神、舟玉神が祀られたこの岩。出船と入舟がすれ違っている様に見えるんです。





裏面大黒
 裏面大黒

 これは大黒様の後ろ姿。だから福の詰まった、あの大きな袋を背負っています。





渡神社
 渡神社

 裏面大黒のすぐ傍に建立されているこの小さな社は、筑波山神社の摂社となる渡神社。祀られているのは、筑波山の祭神である伊弉諾尊と伊弉冉尊から生まれたとされる、蛭子命(ひるこのみこと)。因みに「蛭子」という文字は「えびす」とも読めるので、恵比寿・大黒がこの場所に並んでいるって訳です。





正面は女体山
 正面は女体山

 登山道を登り始めて、およそ90分も経ったでしょうか。正面、木々の間から女体山の姿が見えて来ました。





北斗岩
 北斗岩

 北斗星(北極星)は北の空にあって、その位置からまったく動かず、周囲の星々が北斗星を中心にぐるぐる回っている様に見えます。そして空に向かってどっしりそびえ立つこの岩は、そんな北斗星を想起させます。傍らの社は月の神、月読尊(つくよみのみこと)を祀った小原木神社





大仏岩
 大仏岩

 大仏さまにそっくりな高さ15mのこの巨岩が見えてきたら、女体山の頂上も、もうあと少しです。





山頂直前の難所
 山頂直前の難所

 山頂手前の急登に差し掛かりました。足を滑らせないように、急斜面の岸壁をしっかり掴んで慎重に登って行きましょう。





女体山本殿
 女体山本殿

 シャトルバスの、筑波山神社入口停留所から歩き始めて2時間30分。標高877m、女体山の山頂に到着です。





注意をしながら山頂に立つ
 注意をしながら山頂に立つ

 山頂には崖になっている場所もあります。足を滑らせて滑落しないように気を付けて。





眺望バツグン
 眺望バツグン

 それにしても見てくださいこの絶景。地平線も見渡せる大パノラマ。広いひろい関東平野の中にポツンとそびえる山だから、山頂からの眺望の良さもうなずけます。





山頂下の石段を下りる
 山頂直下の石段を下りる

 いつまでも山頂の景色に見とれていたいところでありますが、まだ先があるのでそうも行きません。今度は男体山山頂に向けて出発。山頂を一旦下って行きましょう。





ガマ石
 ガマ石

 女体山頂を過ぎても、奇岩・怪石はまだ現れます。このガマ石、江戸時代は雄竜石と呼ばれ、龍のイメージだったのですが、筑波山名物ガマの油から、いつの間にかガマ蛙になっちゃったらしい。





せきれい石
 せきれい石

 日本書紀によると、伊弉諾尊と伊弉冉尊夫妻は鳥のセキレイから初めて子作りのやり方を教わって、子であるこの国を産む事が出来たんだそう。そのセキレイが止った石がこの石なんだって。





御幸ヶ原
 正面は男体山

 俄かに周囲の景色が開けました。広場には筑波山ケーブルカーの山頂駅と共に、休憩スペースやトイレ、売店などが並んでいます。ここは女体山と男体山との鞍部、御幸ヶ原。正面には男体山の姿が見えています。





男体山まであと一息
 男体山まであと一息

 女体山の頂から少し下ってこの御幸ヶ原に到着。そしてここから男体山の頂に向けて、最後の登りになります。





階段を登る
 登り階段で山頂へ

 ここから山頂までは、それほど傾斜が急ではない階段を登って行きます。あと一息。





男体山本殿
 男体山本殿

 ちょっとした急登を経て、前方に男体山の本殿が見えて来ました。女体山の山頂をあとにしておよそ30分、男体山山頂に到着です。





男体山山頂に到着
 男体山山頂に到着

 山頂からの眺めは女体山には劣りますが、晴天の今日は関東平野を見渡せて、眺望は上々であります。





下山開始
 下山開始

 男体山の山頂でしばし休憩の後、下山開始。登って来た山道を御幸ヶ原に向けて、一旦下って行きましょう。





御幸ヶ原コースへ
 御幸ヶ原コースへ

 御幸ヶ原に再び到着したら、既述のようにここからは、登山道の御幸ヶ原コースを利用して下山。ケーブルカー山頂駅前の売店脇に建つ「神社」と記された指導標に従って、ケーブルカー駅の脇道を進みます。





急斜面を下る
 急斜面を下る

 御幸ヶ原コースに入ると、初めのうちは急斜面の岩場が続きます。滑らないように慎重に。





ケーブルカー軌道
 ケーブルカー軌道

 この登山道は、概ね筑波山ケーブルカーの軌道と並行しています。





筑波山神社に到着
 筑波山神社に到着

 男体山山頂から下山を開始しておよそ70分。麓の筑波山神社が見えて来ました。





筑波山神社入口停留所に到着
 筑波山神社入口停留所に到着

 神社参道の売店で少し遅い昼食の後、今日のハイキングのスタート地点、シャトルバスの筑波山神社入口停留所に戻って来ました。朝ここをスタートしたのが8時45分、現在時刻は14時30分。途中休憩を入れて6時間弱のハイキングでした。









★交通 つくばエクスプレス線 つくば駅下車
★登山時間 筑波山神社入口停留所 ~ 山頂 ~ 筑波山神社入口停留所

4.5時間  休憩時間   約 7.0km



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