石田泰道「円環へ - 漂流するもの - 」
8/30(火) - 9/4(日) 12:00 - 19:00(最終日17:00まで)
私のコンセプトを端的に表現するなら、「円環(循環)」、「エネルギー」に集約される。そして、自身及び作品と自然界の直接的(身体的)な対峙を経て、ある種の普遍的な理念を考察し、作品、最終的には自身のうちに帰していきたい(円環)と考える。
今回のプロジェクトでは、長さ3メートル、直径130センチの紡錘体オブジェ2ヶ(本会場では3ヶ)を、関東中部エリアに意の楕円軌道とその通過する6ポイント(そのうちの一つが千駄木・ギャラリーKingyo)を設定し、山梨県立美術館を起点に各地を巡回(漂流)していく試みであり、特に「場」と「作品」の関係、表面変化の観察、検証が中心である。
二つの紡錘物体は相反する相を持つ。一つは、小麦粉を溶いたペーストを表面に塗り重ね、それを焦がした黒い殻にくるまれており、風雨に晒されながら次第に青黴に包まれ、次に風化のプロセスにしたがって表皮が剥落し、下層を露出していく。そして最終的には日光の漂白作用も手伝って白化する。一方、もう一つのそれは、白い和紙に覆われており、天然塗料である柿渋の塗布を繰り返しながら、皮膜が形成されていき、日光の作用で逆に褐色からいずれ黒化の一途を辿っていくことが予想される。
つまり二つの物体は、いわば「風化」と「生成」という対極相を持ち、表面的な色相も逆のベクトルに向かって進行していく。私は、第三者的に常にその現場に立ち会いながら円環を感得する。
ギャラリーKingyoでは、湿度のある朝霧地帯、そして強い日照りを受ける大磯の砂浜地帯を経て変容していった物体の展覧となる。
(石田泰道)
今回のプロジェクトでは、長さ3メートル、直径130センチの紡錘体オブジェ2ヶ(本会場では3ヶ)を、関東中部エリアに意の楕円軌道とその通過する6ポイント(そのうちの一つが千駄木・ギャラリーKingyo)を設定し、山梨県立美術館を起点に各地を巡回(漂流)していく試みであり、特に「場」と「作品」の関係、表面変化の観察、検証が中心である。
二つの紡錘物体は相反する相を持つ。一つは、小麦粉を溶いたペーストを表面に塗り重ね、それを焦がした黒い殻にくるまれており、風雨に晒されながら次第に青黴に包まれ、次に風化のプロセスにしたがって表皮が剥落し、下層を露出していく。そして最終的には日光の漂白作用も手伝って白化する。一方、もう一つのそれは、白い和紙に覆われており、天然塗料である柿渋の塗布を繰り返しながら、皮膜が形成されていき、日光の作用で逆に褐色からいずれ黒化の一途を辿っていくことが予想される。
つまり二つの物体は、いわば「風化」と「生成」という対極相を持ち、表面的な色相も逆のベクトルに向かって進行していく。私は、第三者的に常にその現場に立ち会いながら円環を感得する。
ギャラリーKingyoでは、湿度のある朝霧地帯、そして強い日照りを受ける大磯の砂浜地帯を経て変容していった物体の展覧となる。
(石田泰道)