常設展「背からの風景」

4/10(火) - 4/22(日) 4/16(月)休廊
展示風景
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・・・美術の仕事に永い間、拘わり続けてこられたのは、時世の流れに身を委ねて生活は送りたくはない・・・。美術の仕事で名誉を得る替わりに、自分自身を見つめ考える思考の手段としての方の仕事を選ぶ、作品が変化してゆくことはまだ、自分自身の奥底の軸が見えない事に尽きると思う・・・。

言葉で作品を創らない。
雰囲気と作品の説明を剥ぎ取る。
中心を創らない。
画面上の外で概念を問う行為。
イメージをもったまま仕事をしない。
素材と戦わない行為。
無意識の行為の一瞬の想像力。
(蓑輪 弘さんの言葉より)

蓑輪 弘 HIROSHI MINOWA  

1940 東京生まれ。
1963 東光会展に出品。
1968 新協美術会を退会。
   個展 発砲スチロール、麻布ボックス(シロタ画廊))
1969 グループ∞結成 子供の国野外フェスティバル(子供の国)  ニルバーナ(京都市立美術館)
   中野・野方ハプニング・東京タワーC3(村松画廊)正月パフォーマンス(村松画廊−日展)
1970 ワイヤーピースプレゼンテーション・毎日現代展 等々
1971 個展 夜光粉末、ブラックライト(シロタ画廊)
1972 個展 トイレットペーパー(シロタ画廊)
1973 個展 壁に顔料を展示(楡の木画廊)
1976 個展「意識測定」扇風機、ビニール(都美術館)
1977 個展 氷、布、テレビ、綿(旧田村画廊)
1979 個展 厚板に綿を巻き炭で焼く(田村画廊)
1980 個展 麻布、竹の小枝、天井から垂らす(田村画廊)
1984 個展「意識測定」粘土、ワイヤー、紙、(檜画廊)
1995 個展「背からの視覚風景」(ART SALON 四季/立川)
1996 個展 draw mark (O美術館/品川)
1997 個展 draw mark(アートフォーラム谷中)
1999 個展 draw mark(アートフォーラム谷中
2001 個展「触覚たる風景」(アートフォーラム谷中)
2003 個展「触覚の配列」(ギャラリーKINGYO)
2006 個展「触覚の配列」(ギャラリーKINGYO)
2007 常設展「背からの風景」(ギャラリーKI NGYO)

「蓑輪弘は、その最活動期であった60―70年代作家の刻印が、今日にも大きくしるされている作家である。」
天野一夫[1999年 O美術館学芸員(当時)現京都造形芸術大学教授]

今回の展示は1995年発表の「背からの視覚表現」シリーズとその前後に制作された多くの作品のなかから、未発表のドローイング作品を中心に選んだものです。そのシリーズは、それまでの84年発表を最後とするインスタレーション中心の作品から、10年以上の沈黙の時を経て、その後堰を切ったように発表を再開された頃の作品シリーズであり、無意識の行為の中で再び「絵画」を試行しようする作家の「平面」の作品に戻った時期の最初の頃のドローイング作品です。

過去の物に少しも頓着しない蓑和さんですが、病気をした私の慰みにと、一枚の絵を下さいました。(1996年に描かれた物です。)その瑞々しい絵を見ていますと、何としても、皆さんにお見せしたく、展示のお願いを致しました。古い絵なんか……と辞退されるところ、なんとか(常設としてなら)と承諾を頂き、展示の運びとなりました。(扇谷)