2nd Half

後半も運動量が落ちない。信じがたいが、むしろ上がっている。
相手は前半の劣勢を修正すべく、エースのポジションをやや前に修正するが、中盤のルーズボールを先に奪う点では、むしろ好都合だった。

ゲームの形勢は変わらない・・・いや、変えさせない。5年生のちびっ子Wボランチが、6年生相手にほぼ100%競り勝っている。
幾度か訪れた相手カウンターからの決定機も、DFの献身的なカバーリングと主将のナイスセーブでゴールを割らせない。

ただ、流れは悪くないが攻めても攻めてもシュートがゴールマウスを割らない・・・、残り10分・・・
戦術変更?、ポジション変更?、選手交代?、フォーメーション変更?・・・

このまま、0-1で終われば必ず後悔する。“迷ったら動け”

巨漢FWナンバー2・・・
前半から用意しておいた交代用紙を彼に手渡す・・・“頼むぞ”
“はい・・・”、とても落ち着いているように見えたが、第4審判に交代用紙を渡すとき、ピチピチのビブスを着たままだった(笑)

予選リーグでも、チームは彼に2度助けられた。
ゴールを奪う能力は高くないが、彼が入ると何かが変わる。
後で写真を見て分かった・・・仲間が笑っている。そうか、彼が入るとチームが明るくなる。サッカーが楽しくなるんだ。

33分選手交代・・・迷ったが、吉と出た。
ボールが彼に集まる。サイドハーフとワンツーが決まる。彼がいるだけで相手DFはクリアが難しくなる。
サッカーを始めた頃、練習中もジャングルジムから降りてこなかった少年は、たった一人で試合の流れを変えてしまった。

交代から3分後、彼を基点に左サイドからクロスが上がり、この日ナンバー10の後継者となった5年生が折り返し、2年間チームを牽引してきたナンバー7が相手ゴールに豪快に蹴りこむ・・・

1-1・・・同点・・・

そのまま追加点を奪い試合を決めたかったが、そこは相手もレベルの高い強豪、簡単には勝たせてくれない・・・

そのまま試合終了・・・引き分け。

2回戦進出チームを決めるためのPK戦が始まる。

フットボールロシアンルーレットは、追いついた方が有利と言うが、その根拠となる統計的数字は目にした事がない。