終わりは始まり
PK戦は想定していたが、最終的に5人のメンバーは、その時の選手の表情を見て決めようと考えていた。
PKは散々練習したので、個々の成功率は理解している。
但し、それはあくまで練習のPKであって、40分間真剣勝負をして極限まで体力を消耗した後のPK戦とは似て非なるものである。
主観ではあるが“心臓の強そうな選手”を5人選んだ。特に1番目と5番目は。更に加えるなら、5番目の選手は“自分の番で決めてヒーローになる。自分の前で勝敗が決まらないでくれ”と思えるようなエゴイズムが必要だと。そこに学年など関係ない。
今でもその判断は間違ってないと思っている。大人でも震え上がるような状況で、彼らは何のためらいもなくボールをセットし、相手キーパーを凝視して、誰一人枠をはずさなかった。
結果は残念だったが、あんなにひ弱だった君達がここまで成長し、こんな感動的な戦いが出来るようになったことを誇りに思う。
感動には続きがあった・・・
最後のキッカーとなった5年生に駆け寄り、肩を抱いたナンバー7・・・、そこに駆け寄る仲間達。
泣くな、胸を張れ。
君達24人は、この一年間で勝利よりも大切なものを見つけたのだから。