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BAR STORY
at that bar
          Corona Extra
昼の暑さが残る夕暮れに、一人、いつもの通りに足を踏み入れる。
スナックやクラブ、エステサロンの呼び込み達が、我先にと声をかけてくる。
そんな騒々しい林の中をすり抜け、いつもの店の前に立ち、重い扉を引く。
カウンターの中で氷を割っていたバーテンダーが、すっと顔を上げ、明るく声をかけてくれる。
「いらっしゃいませ。」
カウンターの奥に座り、深く深呼吸する。
「コロナ。」
メキシコ生まれの軽めのビールを頼む。こんな暑さの夜は、程良く冷えたビールで体の温度を下げないといけない。一口、一口と飲むたびに、体の火照りもとれ、店の温度が感じられるようになってきた。
コロナビールは、瓶の中にライムを放り込み、わずかにフルーティな感じで飲みたい。そうすることで、ビールの苦手な人も飲めるようになる。
10数年も前、神戸の街を舞台にした映画の中で、主人公の探偵が気取らずに飲んでいた。家の冷蔵庫にはコロナビールが何本も入っていて、シャワーのあと、冷蔵庫から取り出して、ライムを放り込み、何気なく飲む姿が、何とも格好良く、若い頃は憧れていたような気がする。
あの頃は、ライムなんて、田舎の店頭にはなかなか並ばず、仕方がないので、レモンやすだち、柚子など、色々な柑橘類で試してみたが、やはり、ライムが一番合う。
さて、体の温度も落ち着いた。今夜は何からはじめようか。
コロナ・エキストラ
Corona Extra

メキシコシティに本拠があるモデロ社のビール。
メキシコのビールとしては、日本でもっとも有名なビールの一つ。
もともとアメリカ南西部で人気になり、映画などで登場するにつれ、日本でも飲まれるようになった。
かなりライトな感じのビールで、ライムを絞り込んで飲む。
アルコール度 4.6%
撮影協力:Bar La siesta (MATSUMOTO)

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