session at web-site
BAR STORY
wellcome spring
          Chartreuse
凍てつく冬の夜、さらさらとした雪の降り積もる中、また、いつもの大きく、重い扉を開く。
店内からは、静かな夜を奏でる、静かなジャズが聞こえる。
「いらっしゃいませ。」
これまた、雪の降り積もる音を邪魔しないようにと、細心の注意を払っているかのような静かな声で、バーテンダーが声をかけてくる。自然とこちらの声もどことなく静かになる。
「こんばんわ。」
重いコートを脱ぎ、カウンターに腰掛けると、暖かな空気が体を包み込んでくる。
「シャルトリューズを。」
冷え切った体には、少し刺激のあるお酒がいい。そんなときには薬草系のリキュールを選ぶ。
少し深めの透明感のある緑の液体が注がれ、独特の香りがたちこめる。ほんの少し多めに口に含み、飲み込む。しばらくすると、体の内側から熱気が沸き上がり、冷え切り、こわばっていた体も軽やかになる。
どことなく、スパイス系の風味のある癖の強いシャルトリューズを飲みながら、真冬に訪れたひとときの春を楽しむ。
今、体の中に春が訪れた。
シャルトリューズVEP
CHARTREUSE VEP

薬草系のリキュールの銘酒。
スパイシーでミントの風味のするヴェールと、甘みが強く蜂蜜風味のするジョーヌがある。VEPは、それらを長期熟成したことを示す。
写真は、ヴェールを長期熟成させたもので、度数は54度。
右の木箱(?)に入っているのは、長期熟成後、加水していない原酒で度数は71度ある。非常にスパイシーで、刺激の強いお酒である。
撮影協力:Bar SIDECAR (MATSUMOTO)

Copyright 2003 Takashi 'kan_chan' Kanamori All rights reserved