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BAR STORY
誇るべきもの
          Guinness
暑い季節が近づいてくる。
人によっては、それはビールの季節なのかもしれない。店の扉を開け、カウンターに座り、まずはビールという人が多いだろう。
ビール。世界最古のお酒はビールではないかという話しもある。それほど歴史の深い飲み物なのだが、世界中で最も有名なビールは、アイルランドのギネスではないだろうか。
漆黒の闇を思わせる黒い液体の上に、まるでメレンゲのようなやわらかな泡が立つ。アイルランドなどの地元といえる国々では、バーテンダーがギネスをグラスに注ぐための資格があるらしい。その資格がなければ、ギネスを販売できないのだ。それほどまでに大事にされているビールも、ギネスだけだろう。国が誇りとし、守るべきものとしているビールなのだ。
別のテーブルでもギネスを飲んでいる。グラスに水滴がつく。よく冷えているようだ。横目で見ながら、ギネスを頼む。
「常温のものがあれば、それで。」
冷えているビールは、もちろん美味い。が、ギネスに限っては常温でも楽しみたい。本来の味を感じられるような気がする。
今夜も暑い。こんな夜は、一体何人の人がギネスに出会うのだろう。
漆黒のビールを飲みながら、遠い国々の確かな誇りに思いをはせる。
ギネス
GUINNESS extra stout

アイルランドの黒ビール。
世界で最も有名なビールの一つであるギネスは現在120カ国以上で販売されている。
きめの細かな泡と、クリーミーな口当たり、少し香ばしい感じのする香りが好まれる。
写真はエクストラスタウト。このほか、ドラフト・ギネス、ビター・ギネスがある。
撮影協力:The Bar J (MATSUMOTO)

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