仮 面 舞 踏 【 月 影 の ジ ル バ 】
第 2 曲
3・蘇る記憶と繰り返される過ち

 誰にだって、思い出したくないことはある。
 忘れてしまいたいと思うことも……そう思っても忘れられずにいることも……
 そして、忘れたまま思い出したくないことだって……あるのだ……


「なぁ、マグナ、……そんな真っ直ぐ進んで大丈夫なのか?」
 ハヤトたちが初めにこの地へと呼び出された儀式跡へと向かうことになった本日、案内役を申し出た自分たちへとガゼルが不安げに問い掛けた。
 他の者たちの心をも代弁したそれには、振り返ったマグナが答えた。
「平気だよ。あそこからはずーっと真っ直ぐ走ったからな」
「いや、真っ直ぐは真っ直ぐでも方向違ってたら着かねえだろーがよ」
「何か目印でも覚えているのかい?」
「あはははっ、こんな何にもない荒野で目印なんて探すのが無理だよ」
 レイドの疑問に、マグナは当然のことを明るく返した。……それでは、他の者には理解できないというのに。
 は溜息をつきたい気持ちを抑え、前を向いたまま補足する。
「魔力を辿っているってコトなのよ。見ればわかると思うけど、かなり大規模な儀式だったから、今でも相当量の魔力が残留してるの」
「残留って……魔力ってそんな一ヶ所に留まるものなのか?」
「普通は空気中に拡散するよ。でもあの場所には結界が張ってあるから」
「……君が張ったのか?」
「まさか。儀式の関係者が、街にいる召喚師に気付かせないために張ったものだよ」
「だとしたら、何故君たちにはそれを感じ取ることができるんだ? 私には魔力に関する知識はほとんどないが、『結界』というのは封印するためのものなんだろう?」
 封印された内側にあるモノを、外からどうして感知できるのか。
 当然というべきレイドの指摘に、マグナは小首を傾げて。
「……さあ? 俺そこまでわかんないや」
 ――そんなんでどうする、召喚師。
 多分、含め、全員がそう思ったことだろう。
「マグナ、殴っていい?」
「ぅえっ!? やだよ!! なんで!?」
「なんでじゃないよ! 何のために魔力感知のコツ教えてると思ってるの!? 魔力の属性判別はできるくせに、濃度判別できないってほうがおかしいでしょ!! 難易度高いほうが得意って、それこそなんでよっ!!」
「え~……それは、だから、トリスが霊属性だったからなんじゃ……」
「そんな理由で得意になるなら難易度なんか低いでしょ!! 魔力濃度判別抜き打ちテスト! この先にある儀式跡の魔力濃度をここから感知して、マグナがレイドさんの疑問に答えなさい!!」
「いきなり!?」
「いきなりだから抜き打ちなんでしょ! さっさとやる!!」
 『鬼教官』の仮面をつけてビシッと言えば、マグナは他の者たちへと目を向けた。
 助け舟を求めたらしいそれに誰も何も言わず彼の答えを待つ体勢でいるのを見て取り、ようやく観念したらしい。
「……ワカリマシタ」
 呟いてから、姿勢を正して深呼吸。双眸を閉ざして、意識を集中させ始めた。
「君は、彼の先生なのか? ……いや、だが、確かハヤトたちと同じ世界から来たと……」
 マグナが魔力感知に集中している間、レイドが今の遣り取りで生じた疑問をそっと耳元で囁いてきた。
 マグナの集中を邪魔しないためだろうそれに、もまた小声で返す。視線はマグナに向けたまま。
「教師役は兼任中。マグナがそう望んだので」
「彼が望んだ? それに兼任とは、どういうことだい?」
「あたしはマグナに召喚されたマグナの護衛獣。主の望みを叶えているだけですよ」
 にっこり笑って答えた先には、驚いた表情のレイド。ガゼルが受けたのと同じ衝撃を、今何とかやり過ごしているといったところか。
 まあ、当然だろう。彼らの認識している召喚師と召喚獣の関係には、到底見えないのだから。
「けれど、なかなかに覚えの悪い生徒で困っておりますがね」
 おほほほ、と。ある意味追い討ちを掛けるような言葉を投げ掛けてやった。すると、ガゼルと同じように――彼のような大爆笑ではなかったが――笑みを返して。
「それは、大変な苦労をしているのだね」
「はい。それはもう」
 レイドもまた、新たな認識を受け入れてくれたようだ。召喚師と召喚獣の間には支配だけではなく、信頼関係も築けるのだということを――
 ――と、マグナの目が開かれた。どうやら感知は終了したらしい。
「わかった?」
「一応……ってか、変。普通あんな状態にはしないよな……維持が難しそうなんだけど……」
 怪訝な表情で返された感想。
 は嫌悪感を溜息に変えて。
「それだけ熟練者だっていうことよ。とりあえず、説明しちゃって」
 先を促した。
 レイドを中心とした答えを待つ一同へと向き直るマグナ。そして、今、感知したことを、言葉に――
「え~と、一言で言うと……煙突です。――以上」

 ――スパァンッ!

 ハリセン炸裂。……多分、同じ立場にいたなら、十人中十人はこうするかと。
「以上、じゃないでしょ! 一言ですむなら説明って言わないよ! さっきレイドさんが言ったことちゃんと聞いてた!? 魔力に関する知識はほとんどないって言ったでしょ!! 召喚師じゃない一般人に対する説明だってことわかってる!? まずは『結界』についての説明からでしょーが!!」
「う~……なら最初にちゃんと言ってくれよ……」
「言われなくても普通はわかるものなの!! ホント言語理解能力に乏しいご主人様ね!!」
「その呼び方やめてくれって何度も言ってるのに!!」
「やかましいわ!! 呼ばれたくなきゃもっとしゃんとしなさい!! やり直し!!」
 鬼教官からのやり直し命令に反逆は許しません。
 ハリセン片手に腕組&仁王立ちで睨みを利かせれば、渋々とまた向き直って。
「えっとぉ……『結界』っていうのは簡単に言うと、いろんなモノを遮断する魔力で作った膜のことなんだ。こう……半球状で特定地域を閉鎖したりする封印目的のものが多いから、レイドさんの認識は間違ってない」
 身振り手振りで形を表現しつつ続ける。
「でも本当は、術者の力量次第で効果も強度も様々なんだ。例えば『音』だけを遮断するものとか……この先にあるのは魔力だけを遮断するもの。だから出入りは自由にできるし、魔力に長けてる人でもなきゃ違和感もない」
 レイドたちは、黙ってマグナの説明を聞いている。……誰も何も言わない。
 相槌すら打たない彼らに不安になってきたのか、マグナの表情が少し強張ってきた。
「それで、さっきのレイドさんの疑問なんだけど……えっと……この先にある結界の形が煙突みたいなんだ。う~ん……と……横に広がらせないで上に逃がしてるって感じ――かなあ……? だから、ずーっと上のほうで拡散してるっていうか……」
「……つまり、距離の問題だと思っていいのかい? 同じように街に届いたとしても、地面に近ければ気付かれるが、遥か上空なら気付かれない――と?」
 上手く説明できないマグナを見かねてか、レイドが的確に彼の言いたいことを察して問いの形にした。
 ようやく反応があったことに安堵し、また言いたかったことが伝わったことを喜んでか、マグナの顔に瞬時に明るさが戻る。
「そう! そういうことなんだ!! それで、俺たちがわかる理由は、単に知っているからだよ。一度現場に行って覚えた魔力だから、微かなものでも捉えやすいんだ」
「なるほどなぁ~……」
 エドスが感心したように呟く。他の者も似たり寄ったりで、大体理解はできたらしい。
 ……魔力関係の知識に精通していない彼らだからこそ、それで済んだことだ。
 本来、魔力濃度はある程度慣れれば簡単に感知できる技術だ。だから誓約を行なうに適した場所というものを、召喚師たちは探し、また作り出すのだと聞いた。恐らく、今ある召喚師の派閥本部や研究施設なども、そうした場所に建てられているのだろう。
 けれど魔力の属性判別は、普通の召喚師にできることではないのだ。自分が結んだ誓約でもない、空気中に残留する魔力を辿ることも然り。
 は魂だけという己の存在を、魔力によって維持していた経験のために可能ではあるのだが、マグナにはそのような経験はない。
 つまり彼には、それだけの素質が備わっているということ。……技術にムラはあるけれど。
「……ってことで、説明終了――だけど……?」
 恐る恐るこちらを窺う姿には、そこまですごい能力を持っているようにはまるで見えないのだが、事実は事実。
 は溜息をついて。
「30点」
 評価を下した。
「低っ! なんで!?」
「初めのおバカな解答で50点減点。自分が説明しなきゃいけない部分を、説明している相手に言ってもらってるってとこで20点減点。他はまあまあいいので、ギリギリ赤ザブは回避」
「あ、あかざぶって何?」
「赤座布団。赤点。……落第点って言えばわかる? 要は補習が必要な点数のことで、大体30点未満よ」
「う……っ」
 親切ご丁寧に解説して、ようやく全てを理解できたと同時に頭上にショックがゴン、って感じでその場に蹲るマグナ。
 哀愁漂う姿に学生という立場上同情しやすかったのか、トウヤが口を開いた。
「辛口な評価じゃないかい?」
「抜け作、甘やかしてどうするのよ」
 即答で切り返す。
 自身辛口である自覚はあるが、こればかりは仕方がない。
 派閥で最低限の訓練を受けているから、暴走・暴発等の事故を起こすことはないだろう。けれど、素質に対して技術が追いついていない状態では、どんなトラブルを巻き起こすかわかったものではないから。
 できるだけ早く、技術面を強化しなければならない。――それが、己の役目だから。
 とはいえ、前途多難な役割に溜息をこぼしかけた――その時。
「本当に鬼教官なんだな……」
 マグナに対する同情が多大に含まれた呟き。それは、の代わりに溜息をついたハヤトの口から出たもので。
 人の気も知らない――気付かせないようにしているのだから当然なのだが――言葉は、確実に怒りの琴線に触れてくれて。……仮面切り替え装着。
「ハヤトもしごいてほしいの? いつでも用意はできてるから遠慮しないで言ってね♪」
「い、いや、いえ! 滅相もございません!!」
 手に持ったハリセンを自分の手に当てて音を鳴らしつつ満面の笑顔で言ってやれば、面白いくらいに勢いよく後退った。
 その遣り取りで緊張が解けたのか、笑い声が沸き起こって。
「と、とにかく、確実に着けることはわかったから、引き続き案内を頼むよ」
 笑いを抑えたレイドの言葉で、再び歩み始めたのだった。


「ここだよ」
 とマグナの案内で辿り着いた、ナツミたちが呼ばれた儀式跡。そこは、荒野のど真ん中にぽっかりと空いた大穴だった。
 中にいて、登っている時にはあまり考えてる余裕がなかったが、こうして上から眺めてみるとかなりの大きさだということがわかる。
 少し大袈裟な表現だが、テレビで見た月の表面や隕石落下現場のクレーターに似ていた。大きさは、あれよりはまだ小さいだろうが。
「どうやら君たちは、間違いなく召喚師に呼ばれたようだね」
「わかるんですか!?」
「ああ。地面に描かれている図形……召喚師が儀式をする時に見た覚えがあるんだ」
 足元にある、明らかに人工的に描かれた模様を見て、レイドが言った。
 円の外周――だろうか。クレーターを囲むような方向に曲線を描き、文字のようなものも沿って描かれている。ただ、わかるのはその一部だけで、九割は穴へと成り果てていたが。
「もっとよく調べてみようぜ?」
 自分の提案にほとんどの者が頷いたのを確認して、ガゼルは一人穴の中へと降りていってしまった。積極的というよりは、怖い物知らずに見える。
 そんな彼の後をハヤトが追い、図形を調べているレイドの側にはトウヤが、周囲を見渡しているエドスの傍らにはアヤがついていた。
 案内役の一人・マグナは――魔力でも探っているのだろうか。先程と同じく目を閉じて静かに佇む彼は、独特の雰囲気を持っていて近寄り難く思えた。
 元々彼の側にいる気はないのでそれはいい。目的は、役目柄彼の側にいることが多い、親友のほうだから。
 彼の人物は――と、視線を巡らせて、見つけた。全ての人から離れた場所で、一人佇む姿を。
!」
 駆け寄り呼びかけると、ややあってから振り向いた。その動きは、緩慢。普段の彼女とは全く違う様子だった。
「ねえ……そんなに、つらいの?」
 無表情を作っている彼女に、そう問い掛けた。
 反応は――なし。
「笑顔の仮面を維持できないほど、つらいの?」
 ここへ来ることが決まってから、がつけていた仮面は『無表情』と『鬼教官』と『笑顔』。普段の割合から考えるなら今日は、圧倒的に『笑顔』が少なかった。
 笑うことは彼女にとって自己防衛手段であり、ライフワークにもなりつつあるものだ。それができないということは、相当な負担がかかっていることの証拠。
 その原因に、ナツミは心当たりがあった。
「ねえ、『グラサン』の所為?」
 ピクッ、と。の眉尻が跳ねた。――心当たりは、正解だったらしい。
 初めてフラットへ行った日に、彼女は言った。この場所に残留する魔力に覚えがある、と。とても嫌そうにしていて……あれは、半分素顔だった。仮面の下に隠しきれなかった本心が、現われていたのだ。
 この世界において彼女がそこまで嫌う相手は、以前こちらに来た時に出逢った恩人たちを傷つけた男だけ。
 破壊行為を繰り返す召喚師の集団、『無色の派閥』の最大勢力・セルボルト家の当主。オルドレイク――その男、だけだから。
 つまり。
「あたしたちが呼ばれたこの儀式に、『グラサン』が関わってるんだね?」
 の無表情が、崩れた。俯き、何かに耐えるように強く拳を握り締めて。
「……ナツミたちを……あの男に関わらせたくない……」
 呟くようにこぼれた声は、微かに震えていた。
「今でも憎しみに流されてしまいそうなのに……ナツミに、もしものことがあったら……あたしは、今度こそ壊れる……」
「……それは、あたしだって同じだよ。けど……どうしようもないんでしょ?」
「……っ」
「あたしたちがいくら避けようとしたって、向こうから関わってこられたら――避けられ、ないんでしょ?」
 それは、変えられない事実。
 そして多分――現実になるような気がした。
「一度、結ばれてしまった縁は決して消えない……メイメイさんに、言われたわ……あたしとあの男の間にもあるもの……今はもう、ナツミたちとあの男の間にもできてしまっている」
 ――ああ、そうか……悔しいんだ……
 ナツミは、そう思った。
 耐えるようだった何かは憎しみ。そして複雑な表情に込められていたのは、悔しさだったのだ。
 どうすることもできない現実への――己の無力さへの。
 手を……ナツミは、握り締められたままのの手を、両手で包み込む。
「関わることが避けられないなら、負けなければいいだけだよ」
「ナツミ……」
たちは、負けなかったんでしょ? 失われたものは確かにあるけど、それでも守り通したものだってある。だから、あたしたちもそうすればいい」
 顔を上げたへ、ナツミは笑いかけた。
「それだけの話だよ。そうでしょ?」
 安心、してくれるように……一人ですべてを背負わないように。
 笑った。心からの笑顔だ。ナツミには、仮面をつけて生きるような器用な真似はできないから。
 果たして――その想いは、伝わってくれた。の拳が、ほどかれた。
「うん……そう、だね……」
 弱々しかったけれど、は笑ってくれた。仮面ではなく、素顔のままで。
 それが何より、ナツミには嬉しくて。

「おーい! ちょっと来てくれ!!」

 穴の中から響いたガゼルの声に、手をつないだまま下へと向かったのだった。


 ……案内役を申し出たものの、正直言ってここにはあまり来たくはなかった。あの時の惨状は、もう見たくなかったから。
 あの、光景は……途切れ途切れになってしまっている記憶の中の一部を、思い起こさせる……
 だから、着いてみて何もないことに安堵した。
 ――けれど、代わりに別の理由で心がざわついた。
 結界が張られた儀式跡には、まだかなりの魔力が残っている。上空にしか逃げ道がないのだから、当然といえばその通りなのだが。
 何故か、落ち着かなかった。
 トリスと同じ霊属性の魔力……でも、彼女から感じるものとは全く違う……ひどく、冷たいと感じる魔力。
 落ち着かない。心が、ざわつく。ここに――いたくない。
 魔力を感じれば感じた分、そう思ってしまって。
 だから、ハヤトが終了を提案してくれた時は、本当に安堵したのに。
「な~んで出てくるかなぁ、こんなところで……」
「どんなことしても勝ちたいっていう、執念の表れじゃない?」
 バノッサの登場に脱力して呟くと、嫌そうな声音でが返してくれた。
 とはいえ、愚痴ってても仕方がないので、とりあえず向かってきたならず者を早々に片した。足場は悪いが、下っ端程度なら割りと楽だ。
 向かってきた者を大体のして――気付いた。妙に弱いことに。手加減している、ととれなくもない。それに……肝心のバノッサが、高見の見物状態だ。
 何かがおかしい。
 そう思って、穴の上にいるバノッサを見上げた。
 嫌な笑みを浮かべたバノッサの姿。それを認めて――また、ざわついた。
 ――嫌だ、と。そう思った。
 見たくない、と。頭に浮かんだ。
 まるで警笛が鳴っているよう。
 けれど目が逸らせないその場所に――
「いやあぁっ! 離してえぇっ!!」
「フィズ!?」
 捕まっている、小さな少女の姿が。
「――あ……」
 ドクンッ、と。心臓が跳ねた。
 大人の男に捕まって、泣き叫ぶ小さな子供。
 脳裏に、今と同じような光景がフラッシュバックした。

 ――いやあっ!! たすけてっ!!――

 同時に、声も。
「あ……っ、ああ……っ」
「……マグナ?」
 自分を呼ぶ誰かの声、そしてカランと音を立てててから滑り落ちた剣。
 現実に今、感じる全てが、セピア色の映像と重なる。
 伸ばされた大きな手。引き剥がされる少女。泣き叫び、自分に向かって懸命に伸ばされる小さな手。
 同じく小さな己の手は――少女に、届かない。

 ――たすけて、おにいちゃん!!――

 泣き叫ぶ少女が、己を見て、そう言った。
「――返せ……」
 マグナの中で、何かが切れた。
 それは――理性。そして、魔力の抑制弁。
「マグナ、落ち着いて――っ!」
 だからもう、何も聞こえなかった。
 吹き荒れる魔力の奔流も、それに煽られた者の悲鳴も。
「返せっ!!」
 己が、何をしているのかも……わかっていなかった。
「聖鎧竜……スヴェルグ……どうしてっ!?」
 見つめていたのは、少女を捕まえている男たちだけ。
 望んでいたのは、少女を取り戻すことだけ。
「やめなさい、マグナ!! フィズを巻き込むつもりなの!?」
 それだけ、だったのに……

「トリスを返せえぇ――――――っ!!!」
「フィズ――っ!?」