あれから特番隊隊舎を出たは、その隊舎から一番近い九番隊隊舎へと向かっていた。
まず、一番最初に捕獲しようと思ったのは九番隊副隊長。檜佐木修兵。
その彼を目標に慌しく走っていれば、ふと視界に見覚えのある赤を見つけた。
お、丁度いい。と言わんばかりは90度、綺麗に向きを変えて、そして飛ぶ。
「覚悟ーー!!恋次ーー!!」
「のわぁ!!?て、いきなり何するんスか!!アンタは!」
「ち、よけたか」
「ち、じゃないだろ!てか毎度毎度人を見かけてすぐに殴りかかってくるの止めてくださいよ!先輩!!」
「恋次の反射神経を上げようと手助けしてあげてるんじゃないか。むしろ敬え」
「もっと別の方法でやってくれ!そして普通に話し掛けろ、普通に」
「あ、でさ、悪いけどあたしと一緒に特番隊…いや九番隊に来てくれない?」
「うわ!切り替え早っ!!来てくれって……俺、隊長に呼ばれてるんスけど…」
「そんなの関係ない。こっちだって呼ばれるんよ」
「いや、俺はメチャメチャ関係あるんだよ!…て、呼ばれてるって?」
「姐さんが恋次と修兵を呼んでるんだ。だから来て。むしろ来い」
「命令!?…いや、俺隊長が…」
「アンタの隊長と姐さんの呼び出しとどっちが大事なんだーーー!!」
「ぐっ!!」
「……………いや、そこは隊長だっていうところじゃないの?」
「……………………」
「よし!そんじゃ九番隊へゴー!!」
「だから切り替え早ぇよ!!つーか、俺は返事してねぇだろ!!」
「何?姐さんの呼び出しに応じないの?」
「う…」
「あー、応じないのかー。姐さんショックだろうなぁ。せっかく恋次を信用して呼び出したのにー。姐さん裏切られて可哀想ー」
「ああ!わかったスよ!いきゃあいいんだろ!行けば!!」
「恋次ってば若いねぇ」
「いや…多分、先輩とあんま変わんないと思うんスけど」
「さぁてと、んじゃ九番隊っと」
「くっ……俺、先輩には口じゃ絶対勝てねぇと思う……」
「安心していいよ。大抵の人は負けるか諦めるかだから」
「自覚してるのかよ!!」
「はい、恋次確保~。次修兵~」
「……駄目だ。諦めよう……隊長、すんません、後で山ほどの始末書書かせてもらいます……」
そんなこんなで恋次を確保しては九番隊へと向かう。
しかし九番隊へ向かう途中、丁度十番隊のところでは目的の人物を見つけた。
「あれ?修兵に…………ええっと、父さん隊長!」
「ちょーと待て!!なんだそれは!いきなりそれか?顔を合わせての第一声がそれか?お前は!」
「相変わらず短気ですね。父さん隊長」
「だから、なんで父さんなんだよ!というか短気にさせてんのはテメェのせいだ!」
「え?あれ?確かそんな名前じゃなかったですか?」
「阿呆。父さんじゃなくて、冬獅郎。日番谷冬獅郎隊長だ。お前、冬のところだけ覚えてやがったな」
「ああ!そっか!さっすが修兵!よくわかったね」
「いや、普通は誰でも知ってるつーの」
「ふーん、で、修兵とモト冬…隊長は何してたんですか?」
「待て。お前、明らかに別の名前で呼ぼうとしただろ。故意に呼ぼうとしただろ」
「んなことありません。大体、ちゃんと途中までしか言ってないじゃないですか」
「故意じゃねぇーかよ!!勝手に別人の名前つけてんじゃねぇ!」
「大丈夫です!最後まで言ってないから人の名前じゃないです!!」
「どうしてそういう結論になんだよ!てか、お前無駄に現世の情報知ってるくせに尸魂界の情報は皆無なんだ!」
「………………さぁ?なんででしょう?」
「……おい、檜佐木…」
「あー…無理っスよ。そいつ、言われて直るようなものじゃないんで」
「ちっ、まぁいい。そこの六席と言い合いしてる暇はねぇんだよ。で、この書類か?」
「ああ、そうです」
「あれ?仕事?」
「や、当たり前だろう。それ以外でこの時間他の隊舎うろつくわけねぇだろ」
「えー、そんなことないよー。あたしはいつでもどこでもうろつくよ」
「お前がいっつもいっつも他の隊に喧嘩売りにいってるからだろうが!!」
「喧嘩じゃないってば!稽古だよ!つーか、恋次だってさっきまで十三番隊付近をうろついてたよ!!」
「俺!?その話、俺に振られるのか!?いや、つか俺も仕事だったんだけど!」
「えー、ただ単に隊長に呼ばれてただけじゃん」
「いや、立派な仕事だろう!?いや、それよりも呼ばれてたのに無理矢理お前につき合わせてんのか!?」
「無理矢理じゃないってば。ちゃんと恋次は承諾したもん」
「…え?……いや、あれは…むしろ脅迫……」
「あ?何、姐さんを裏切るの?」
「………やっぱり脅迫……っ!!」
「?……なんだ、が今回関わってんのか?珍しいな…こんな騒動に関わるなんて」
「えー、まだ騒動起こしてないですよ」
「阿散井を巻き込んだ時点で騒動っつーんだよ、」
「そんなことないもん!だって、恋次と修兵を呼んで来いって言ったのは姐さんだし!」
「!!…バッカ、お前、そういうことは早く言えよ!!」
「え?なんで?」
「阿呆!!特番隊隊長だぞ!その人からの呼び出しなのにここで馬鹿騒ぎしてる場合じゃねぇだろ!」
「いや…だって、そう急ぐことなさそうだったし。姐さんも準備あるだろうし?」
「疑問系かよ。…というか、なんでそんなこと知ってんだ、」
「まぁいろいろと。かくかくしかじか、山あり谷あり。つーかぶっちゃけ説明が面倒」
「そういう説明は省くなー!!ちゃんと説明しろ!説明!!」
「むー、面倒だなぁ。ええっとね、あたしが姐さんに斬魄刀の相談したら、鍛冶師さんに会わせてやるから恋次と修兵呼んで来いって」
「お前、かなり説明省いただろ」
「気のせい」
「結局俺らが呼ばれる理由がわかんねぇじゃねぇか!!…まぁ、いいけどよ。とにかくさんが俺と阿散井を呼んでるんだな」
「うん。ストッパーとして呼んでる」
「ストッパー!!?」
「あ、気のせい。気にしないで」
「いや!気になるっつーの!!なんだよそのストッパーって!!」
「さぁてと、揃ったことだし。特番隊隊舎にでも戻るかなー」
「無視かよ!!いつものことだけど無視するんじゃねぇよ!!」
「姐さん準備できたかなー?」
「…お前、本当に都合が悪くなるととことん無視するよな……」
「ちょっと待て、」
「はい?なんですか?小さな隊長」
「テメェはいちいち俺に喧嘩売らなきゃ気が済まねぇのかよ。…いや、今はとりあえず水に流してやる。それより、今、鍛冶師といったな?」
「はい、言いました。姐さんが鍛冶師さんを知ってるそうです。とうちゃん隊長」
「……………そうか」
「うわ、メチャメチャ顔引きつってるぜ…日番谷隊長」
「どうやら話を進める為に耐えてるみたいだな」
「無駄に反論しないところがさすがというかなんというか…」
「お前らは黙ってろ。…で、その鍛冶師に会いにいくのか?」
「そうなりますね」
「……鍛冶師…というと…あいつしかいねぇよな…」
「日番谷隊長、知ってるんですか?その鍛冶師というものを」
「ん、ああ……知ってるつーか…」
「歯切れ悪いですねー。知ってるでいいじゃないですか。ひばんだに隊長」
「誰がひばんだにだ!!阿呆!!」
「あ、とうとう切れた」
「むしろ耐えた方だろ。あれは」
「だから、テメェ等は黙ってろ!……おい、」
「はい、なんでしょう?だに隊長」
「谷だけいってんじゃねぇ!!漢字くらいちゃんと読め!というか漢字覚えてんなら名前もちゃんといえ!…ああ!くそ!話がズレるじゃねぇーか!」
「そうですね。あたしも早く戻りたいです」
「だったら余計なこというなー!!もういい!お前は俺の名前を一切呼ぶな!!」
「ウィッス」
「……で、だ。その鍛冶師のところに行くなら、俺も連れて行け」
「は?」
「え?」
「……え?あの、仕事は…?」
「安心しろ。多分…行くところは十番隊の管轄区域だ。仕事ではある」
「うわ、ちょっと無理矢理な気が…」
「なんだ?文句あるのか?」
「いや……別に……」
「別に興味本位ってわけじゃねぇよ。少し確認したいことがあるだけだ。……まぁ、まったくないってわけでもねぇけどな」
「えー、でも姐さんには修兵と恋次だけって言われたんですけど。ひ…ひ?ひばん…ひ、ひっつー…??ひ………隊長」
「いや、だから呼ばなくていいから。マジで。には俺から直接話す。丁度、檜佐木からの仕事も一段落したところだ。かまわねぇだろ」
「…まぁ、別に隊長がそういうんならいいんじゃないですか?じゃあ、姐さんには隊長が言ってくださいね」
「おう」
「……隊長に、日番谷隊長。…いいんスかねぇ。こんな勤務中に隊長が二人も出掛けちまって」
「さぁな。本人達がいいっつってんだからいいんじゃねぇの。それにしても、鍛冶師か……」
「ん?檜佐木先輩、知ってるんすか?」
「いや、斬魄刀の鍛冶師はいるとは聞いていたが、見たことはねぇよ。でも確か斬魄刀の鍛冶師っつーと…」
「何か気になることでも?」
「……なんでもねぇ。ほら、。さんが待ってんだろ。さっさと特番隊隊舎に行くぞ」
「ん、あ、はいはーい!んじゃ、戻りますか!!」
「檜佐木、お前はこいつが暴れねぇようにしっかり見張っとけよ」
「見張ってるんですけどね…無理っスよ」
「おいおい…」
「………結局何を気にしてたんだ?檜佐木先輩は……」
「恋次ー。早く来いー!でないと姐さんに…」
「だぁー!!わかってるっつーの!!いちいち隊長の名前を出すなー!!」
檜佐木修兵、阿散井恋次を無事確保した上に、どういうわけか日番谷までも加わって、は特番隊隊舎へと戻ることに。
その達の帰りを待っているは、ただ窓枠に腰をかけて煙管を吹かしながら青い空を見上げていた。
ただ腰には自分の斬魄刀と、近くにの斬魄刀を置いた状態で。
死神達と鍛冶師が出会うまで、あと、もう少し……
2話目もすっごい楽しいです――!!
父さん隊長って!! サイコーだ、!!
姐さんとも合流して、が登場するまでもう少しですね!
修兵が気にしていることも、気になりますし。楽しみにしてますです!!
紫蘭