ヒノキと住宅の耐久性

法隆寺(711年 建立)をはじめ、長い年月の耐用年数を必要とする神社やお寺などにはヒノキが使われています。

それはヒノキがとくに樹齢が長くて強度・耐久性に最も優れているからです。

 それからもう一つのヒノキの驚くべき性質は年月とともに強くなって行くことです。普通の物質は経年変化して劣化するのが当たり前ですが、ヒノキは材料として伐採されてから200年から300年くらいまでは強度が最大30%ほど強くなり、その後は非常にゆっくりと下降して行くと言われています。

 とにかくこのヒノキのすばらしい性能に1300年前の人達が気づいていたことにはとても驚かされます

一般的に日本の住宅の平均寿命は26年くらいと言われています。ちなみにアメリカでは44年、イギリスでは75年くらいです。世界の先進国に比べて日本の住宅の寿命は極端に短いのがわかります。これは高度経済成長期において、「安かろう悪かろう」、「スクラップ・アンド・ビルド」という住宅建設ラッシュが蔓延していたことに因ると思われます。

今、東海地方では東海大地震がいつ起こってもおかしくない状態です。そんな時に20年の寿命しかない住宅を建てたとします。新築時ではもちろんどんな工法で建てても建築基準法を守られて造られていると思うので、地震に対しての強度はあるだろうと思われます。ただ、新築から20年目にちょうど大地震が起これば、すでに寿命となってしまった住宅では大変危険な状態です。

 それに対して、ヒノキの家では新築から200年くらいまではヒノキの性能は強くなっていくことを考えると大地震が新築してから50年後に起こっても100年後に起こったとしても、新築時の強度よりもむしろ強い強度があるので十分に地震に耐えることができると思われます。

 当社では強度と耐久性を分けて考えております。強度というのはどんな工法で建てても建築基準法を遵守していれば、新築時には満たされていると思います。しかし、重要なのは新築時の強度(初期強度)をいかに長持ちさせるかという耐久性であると考えます。それにはとくに耐久性が必要な土台や柱などには強度とともに耐久性にも優れたヒノキを使用して、日本の高温多湿な気候風土に合った工法で建てることではないでしょうか。


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