世界構築論wcp-input

はじめに
本書は形成界「GainzBorough」についての調査結果である。 他の形成界については今だ未解明なので本書の項目が適応できるのは「GainzBorough」だけだと言う事を忘れないで頂きたい。

◇セフィロト理論-SERHIROT Theory
世界は四つのフィールドに分断されているという考え方。
0、∞=原形界「アス」
2=創造界「ブリア」
32=形成界「イレ」
∞=物質界「アスト」
上記の四つに分けられる。原形界→創造界→形成界→物質界の順に構成されており、上位のフィールドから下位のフィールドには行けるが、下位のフィールドから上位のフィールドに行く事は出来ない(ただし帰還は可能)。この理論と断層論を元として世界は成り立っている(が誰も信用はしていない)。

◇原形界「アス」-Az the original field
全てであり、無である世界(カオス)個であり多である唯一絶対なもの。世界というよりは存在であり下位の世界は「アス」の体内であると言ってもよい。「アス」以外の「アス」は無く、世界の根本といえる。始まりであり、終わりとなる。哲学的でよくわからんもの。

◇創造界「ブリア」-Blia the creation field
表裏一体をあらわす「ブリア」。「アス」の二面性を示した存在。 2つの「ブリア」はそれぞれ「アス」の半身。光と闇、正と不。相対。

◇形成界「イレ」-Ire the shaping field
32と言う数は智。ここで個が生まれる。争いが起き、愛が生まれる場。物質がない精神世界。「イレ」自体は「生命を形造るもの」の媒体としての「場」として成立している。ここではウィルム・ド・ジッターの宇宙モデルと酷似。異なる「イレ」では全ての定義が異なる。マザーユニバース。

◇物質界「アスト」-ast the material field
物質が存在する世界。生と死が分けられ、虚と実が生まれる世界。
  • 世界の情報素子(データ)の量には限界がある。
  • 世界には意思がある。意思に反するものは世界が消す。
  • 世界に存在するものは世界の意思により生み出されたもの。そして人が生み出したものは世界の意思ではない。
  • 「アスト」のものが異なる「イレ」に行くと崩壊。
  • 「アスト」の最上層と最下層はその「アスト」の二面性をあらわす。


  • ◇断層論-Fault Theory
    断層ごとに世界は分かれているという理論。この考えとセフィロト理論を併せて「GainzBorough」は成り立つ。また断層の数が多い次元ほど、「魔」の内包量が高い(比例)。同じ次元でも階層が違えばまったく異なる世界となり、中心に近づくほど世界は広くより複雑になってゆく。次元内の階層が近いほどその世界は近似しており、密接な関係になっている。ちなみにオータムフィアは666階層、クラゴラウンは108階層に分かれている(奇数が人工次元、偶数が自然発生の次元)。
    追記:断層論は「アスト」にのみ適応できる。
    各「アスト」断層数
    シュリーク - 1204層
    アルフヘイム - 未確認
    オータムフィア - 666層
    ラダスクロム - 563層 
    ヴァルグロウス - 247層
    クラゴラウン - 108層

    ◇時間軸-time line
    天体すらないこの世界(271オータムフィアα)にも昼夜が存在する。「魔」の濃度による現象。又、「イレ」内の時間軸は統一されており、そこに含まれる「アスト」は全て同じように時間が流れている。他の「イレ」の「アスト」は時間の流れ方が異なる。

    ◇次元の崩壊-Dimension fall down
    次元の崩壊は次元内の「過剰飽和」と「構成欠如」の状態、どちらかで引き起こる。
    過剰飽和の状態とはその名の通り、次元のデータ許容範囲を大きく上回る状態を指す。次元はこの負荷に耐えられず崩壊を引き起こす。また、この状態に陥る前兆として、次元内に数多くの「異形のもの」が生まれるといった報告もある。推論に過ぎないが、「異形のもの」は未構成データを多くもった次元内で、その過剰のデータ同士が相互に作用し合い生まれた産物だと思われる。これは未構成データの安定性の低さを考えれば当然の事だと言える。
    もうひとつの構成欠如の状態とは次元を構成する最低限のデータ容量を下回った時に起こる状態である。このとき次元内には亀裂が生じるため、大量の構成データ(つまり生き物などの物質体)を分解して、次元構成容量にデータを回す事が分かっている。そのため、大飢饉や伝染病が起こるといわれている。さらに、崩壊確定した次元はその重圧に耐えられず、自らを飲み込み消滅する。
    どちらにせよ、これらの現象は自然に起こることはなく、第三者の手が加割らない限りそうそう起こるものではない。

    ◇亜空間-World Inter Space
    人工的に作った単一空間。断層はない。全体の容量は創世者の力に比例する。広くても地球程度(約一億五千万ku)。時間軸ベクトルは元の世界に準ずる。亜空間内に新たな亜空間を作り出した場合、新たな亜空間が元の亜空間をパンクさせるか、存在率の非常に不安定な亜空間が出来上がる。

    ◇亜空間と人工次元の違い
    人が人為的に生み出した空間と言う点では二つはとても酷似している。 広さが圧倒的に違うというところを抜きにすると、 決定的な違いとして人工次元には断層が存在するが、亜空間にはそれがない。また亜空間は座礁位置が次元内でも存在可能なため、一つの次元の、更に内なる世界と言っても過言ではない。

    ◇歪み
    次元移動を行う事により生じる時間、空間、物質的なズレのこと。時間的、空間的なものは世界の境界を含めて同一とみなす。「歪み」はWCPを通過することで0に近くなり、解消する。又、データを改ざんされたものは歪む。

    ◇データ改ざん-Falsify
    他世界から干渉して対象のデータを世界の許容範囲内で改ざんする。同世界からのデータ改ざんは行えない。また、次元ごとに許容範囲が異なり、それを超えたものは「イレギュラー」となり世界の敵となる。「アスト」自体のデータ改ざんを行うとあらゆる法則を一時的に無視できるが、世界の防衛本能により、徐々に修復される。「アスト」に手は加えられても他次元に影響は少ないが、「イレ」に手を加えた場合、相反する「イレ」(鏡面世界)にも影響が現れる。結果「アス」「ブリア」にも影響を及ぼす。

    ◇「魔」
    GainzBoroughに広がる第五元素。他の「火」「水」「風」「土」を統べ、すべての元となる。魔法や術もこれを用いて行われる。「魔」が濃い世界ほど現実とかけ離れやすい。又、各次元内でも「魔」の濃度はまちまちで、濃い所もあれば薄い所もある。
    「魔」の内包率
    (1、シュリーク 2、アルフヘイム 3、オータムフィア 4、ラダスクロム 5、ヴァルグロウス 6、クラゴラウン)

    ◇生命を形造るもの-Data source
    「イレ」そのもの。生命が死ぬと「生命を形造るもの」が霧散し、再び生命が生まれる時結合される。データ。「集束」と「拡散」の二つの性質をもつ。データは情報のみをもち、質量(エネルギーも)を持たない。「イレ」自体が「場」(field)として成り立っている。エーテル。「アスト」内での情報素子の移動速度は光と等速。「イレ」内では距離の概念が無い(ローレンツ収縮により転移)ので速度も意味を成さない。

    ◇宇宙観-Universe appearance
    271オータムフィア・アルファは静止状態の宇宙。すなわち、現実の膨張宇宙とは違い大きさは変わらない。閉じた世界。271オータムフィア・ベータは修復中。こちらも静止状態。271オータムフィアはアルファとベータが結合したときのみ膨張を再開する。そのときの膨張率はハッブル定数に準ずる。

    ◇ビッグバン-Big bang
    「イレ」内の「生命を形造るもの」(データ)が一定範囲内で飽和状態のとき外部に膨れ上がるようにして爆発する現象。「アスト」の生まれ。

    ◇次元移動
    次元、断層を渡る時、必ず共通点「糸」を介して渡る。共通点「糸」を通らないとゲートが開かない。共通点「糸」を介せず世界を無理矢理つなげて渡るとお互いに世界が侵食する(悪影響ばかりと言うわけではない)。世界の敵が他の世界に移動した場合、世界はその移動の際使用した「糸」を閉じようとする。世界の繋がり(糸)を故意に切断することは困難。切断に関係したもの全て(この時点では切断は不完全)が消滅又はその次元から移動しなくては成立しない。

    次元移動ではなく、同次元の断層を駆け上がったり下ったりするとき、 目的の断層に行くまでに遠回りでも近い断層から徐々に移動したほうが移動物の負担は少ない。 直接飛んだりすると、世界適応による情報変換の量が多く負担が大きい。

    ◇ハック
    他次元から他人に干渉すること。ハックを行う場合、「端末」はどれでもいいわけではなく、互換性がなくてはならない。

    ◇クラック
    別次元より他人に関与する(ハック)を駆使してそのまま人物及び対象の世界のものを壊す(これは広義でなんらかの悪影響を与える)こと。この場合クラックによって生じた「結果」がどれだけ早く起きたかによって世界の対処の速度も異なる(結果が生じるのが遅いと対処の速度も遅くなるのでクラックした当事者を取り逃がす)。例をあげるとハックしてそのまま破壊活動を行えば、即世界が逆探知して回路を切断。ハックしている人物(ヒトでなくてもよいが)の意識を取り除いてしまう(これによりハック側の人物は意識不明の植物状態)。逆に、ハックしているときの行動から起きる「結果」が遅いと世界もクラックに対応が遅くなり、対処しきれない。

    ◇プレスト
    絶対矛盾存在。同一の可能性。複数の次元、断層に同時に存在しているものを指す。他次元同士のプレストを一つの次元に入れることは不可能。全く同一のものが同じ世界に2つあるとデータの重複となり世界が崩壊する。プレストは「イレ」の意思。各「アスト」において外見や名称、能力が違うのはそのため。概定。

    ◇重複次元
    世界間の繋がりである「糸(同一存在や同一事象)」が多くなるとその世界同士は徐々に重なっていく(これは位置的なものではなく概念的な意味で)。世界のつながりがとても強くなり、「糸」が多くなると他の世界との「糸」が切れてゆく。二つの世界が完全に同一のものとなると他の世界とのつながりは絶たれ、 完全な閉鎖的独立世界となる。しかし、世界は普通、つながりの強い世界と同一のものとなる前に、バランスをとるため他の世界との「糸」を増やして、閉鎖的独立世界になるのを防ぐ。閉鎖的独立世界は二つの世界分の容量をもつ特殊世界。「イレ」は閉鎖的独立世界となった「アスト」が大きくなる前に分解する。重複世界になるほど世界間の繋がりが密接になることは少ない。そうなる前に他の世界との繋がりが広がり、世界はバランスをとろうとする。

    ◇天使と悪魔
    オータムフィアは上断層に光、下断層に闇が広まっている。上断層に住まうものは光属性の「魔」の影響が強く、天使や神と呼ばれ、下断層に住まうものは闇属性の「魔」に影響され、悪魔や魔物と呼ばれる。彼らはとくに絶対的な存在ではないが、中断層に住まう人間からすれば恐ろしく「魔」に近い存在なので古来から神話や伝承などで特別視されてきた。上層と下層の次元移動存在は各世界への勢力拡大のために世界干渉を繰り返している。干渉をしているもの同士は敵対認識。彼らの寿命はとても長く、時間の感覚が人間と異なる(惑星単位)。

    ◇統一連盟
    次元移動組織。GainzBoroughを元の姿に戻すため、すべての「アスト」を再び一つにまとめようという組織。かつてウェイド・ウェイズンも所属していたが、現在は在籍不明。「アスト」にアクセスする技術を持つなど不可思議なところが多い。


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