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2004年後期(7〜12月)


【12/21】

【日常】青く燃える新宿の夜

先週土曜は仕事をちょっとやっつけてから、新宿に「空想中毒」という演劇を見にいった。
なんだかとっても切実な話であるなぁ、と思った。でもちょっと長いなぁと途中で感じたのは、(劇中でも言ってたけど)私小説度が強めで、エンタテイメント度が低かったからなのかも。
エンタテイメント度ってのは、いわゆる“謎解き”だとか“恋愛”のような、『お話をガンガン引っ張っていく要素』のことだと勝手に思ってるんだが、このオハナシの前半部分は、そういう意味で結構は楽しめた。劇中劇の内容が“作家”によって、ころころ変わっていくとことか。ちょっとミステリっぽい要素もあったし。

ただ後半、“作家”が劇中劇に取り込まれた後、“作家”自身の思考のループになってるところがあって、ここで「ああ、ちょっと長いなー」と感じたのかも。
私が思うに、結局答えの出ない“作家”の思考をずっと追いかけるよりも、もうちょっと劇中劇の内容を書き込んでくれていたら、逆に作家の思考への答えも出たんではないかと。
結局最後、劇中劇の登場人物達は『自分達は“作家”の創造物である』と薄々感じながらも、新天地を求めて船出する。
何故彼らは、あんなにも希望に満ちていたのか?
……ぶっちゃけ、その『彼らが希望に満ちていた理由』こそ、“作家”があれほど悩んでいた『創造することの意味』、そのものなんじゃないの?

『何故、創造するのか』……その答えは、『何故、山に登るのか』という問いに対する答えと、同じなのだと思う。

私自身は『人間は、世界を創造するために生まれてきている』と、半ば本気で信じている。人は皆、その手に輝く星を握って生まれてくる! と。
だから私達の回りには、こんなに沢山の創造物、つまり他人の夢の一片や、誰かの空想の残滓で満ちあふれているんじゃないのか。私達は夢想の中に生きている。それ無しでは生きられない。そういう生物なのだ。

実際はねぇ、始めはそういう『意味など無い』ところから生まれて来た衝動なのだとしても、やがては他人と共有したいという欲のために、あるいはお金のために、あるいは地位を得る道具として……それぞれ使われることが多いわけだが、そうすると創造という行為にも、『意味』が生まれてくるんだよね。
さらに、昔のエライ人はこんなことも言ってるよ。「天才は99%の努力と、1%の才能」だと。
これは、「努力しなさい。成せば成る!」と言っているように聞こえるが、「努力は勿論必要だよ。でも才能が無いやつはどうやっても無理」という、ある意味残酷な言葉でもあるんだよな。

結局のところ、“作家”の悩みというのはここの部分なんじゃないのかね。
私達は皆、星を握って生まれてくるのに、創造することに『意味』が生まれた途端、その手の中の星は純粋な輝きを失うのではないか……さらに恐ろしいことに、自分が持っていると思っていたあの星は、実はちっとも輝いてなんかいなかった、ということに気付いてしまうんじゃないかと。
……なかなかナイーブですな。

まあともかく。ちょっと長いなと思ったけど、私としてはなかなか共感度高かった話でした。
あとね、ライティングがなんか面白かった。演劇とか全然わかんないんだけどね。


【12/15】

【仕事話】コンパニオン・ガールのプロ根性

仕事関係で、若干フォーマルなパーティーとやらに出ました。
パーティーの内容はともかくとして、そこには司会なんかもこなすコンパニオンさんが五人くらい入っていて、黒いドレスをびしっと着て華を添えたりしていたんだが、「それではしばらくご歓談下さい」となった時に、ちょうど私がいた会場の後ろの方まで彼女達がやってきたのです。

すると、そのうちの一人が何気なく立食テーブルまでやってきて、料理を物色。皿を山盛りした後、会場の隅にいた残り四人の仲間と一緒に、そのたった一つの皿を囲んで、ガツガツと食べ始めたのでした。
こりゃあすごい、しかも食べるの早っ! と見ていたのですが、その後すぐに彼女らはいなくなってしまったので、休憩にでも行ったのだろうと思っていたのです。でもそれは違いました。

『それでは、入場です!』の掛け声と共に、黒ドレスから上下のセパレートの服(コンパニオンさんがよく着てるようなやつ)に衣装チェンジをした例の五人組が「ya! yahaa!!」と言いながら楽しげに手を叩きながら入場してきたのです! 正直びっくりたまげました。
彼女達は、たった十五分かそこらで食事をし、着替え、次のスタンバイをしていたのでした。

華やかそうに見えて実は体育会系だ、というのはチラホラ聞いてたが、ありゃあなかなか大変なお仕事だよ!


【11/26】

【日常】ニューデザインパラダイス

フジテレビの深夜にやってるニューデザインパラダイスという番組がある。
例えば「紙コップ」だとか「横断歩道」だとか、「もうその形以外に無いんじゃ?」というモノをあえて“ニューデザイン”してしまおう、という内容だ。完成品については、毎回毎回ネタなのか本気なのかギリギリのところが、おもしろおかしくて良いと思う。
とは言っても、服飾デザイナー以外のデザイナー(インテリア・グラフィック・プロダクトその他)にスポットライトが当たることなんぞ、そうは無いのでなかなか貴重かもしれない。

そういえばその昔、駅のコンコースを歩いていて不意に、身の回りのありとあらゆるものは、デザインされているんだということに気付き、「おおっ!」と思ったことがあった。ちょっとした驚きだった。
目に見えるあらゆる人工物は、すべからく人の手を経て今ここにあると。完成形に至るまでの時間と労力、日の目を見ることなく闇に葬られた、あらゆる試作品の数々を思うと、ちょっとめまいがする。

良く見てごらんなさい。あなたが今見ているであろうモニターを、握っているマウスを。ブラウザの枠の1ドットを! そしてそれらを表示させるために使われている技術の数々を……。
もしピンと来ない方がおられるようでしたら、紙とペンを用意して「僕の考えたオリジナル超人の絵」でも描いてみるがよろしかろうと思います。ただそれだけのことでも結構苦労するはずなのです。
いわんや、人が「お金を払ってでも欲しい」と思うものを作ろうとする場合、一体どれほどの苦労があるだろう。

そしてその試行錯誤と選別の結果が、私達が目にするあらゆる人工物なのだ……というわけなんだなぁ。


【10/1】

【ネット】ライブドアが新球団の名を募集……そして伝説へ。

ライブドアが新球団の名前募集をweb上でやっていたらしいが(過去形)、二重投稿が可能だったため、お祭り状態に。(結局ページは削除されたのでリンクとかは貼りません)

ちなみに削除前の球団名候補としては、

「仙台ジェンキンス」
「仙台ギャラクシーエンジェルス」
「仙台・オブ・ジョイトイ」
「カントリー娘。に堀江貴文(ライブドア) 」
「楽天」

など。


【9/30】

【仕事話】I can fly.

屋上がプールになってる学校ってあるじゃないですか。私が通ってた小・中学もそうなんですけど。
で、今日会社のお昼休みに「屋上のプールに“あめんぼ”がいるのはなぜか」という話になったんですよ。

私なりに一生懸命考えた末に、「水道水のなかに卵だか幼虫だかがまぎれていて、塩素消毒に勝ったやつが孵化した。生命の神秘!」という密室トリックを思いつき、一人悦に入っていたところ、農大出身の魚博士(←マニアの意味)S君が一言。

「……あめんぼ、羽ありますよ?」

な、なんだってー!?

ま、あんまり飛ばないらしいですが。
知らなかった。


【9/8】

【兄弟愛】ステータス

携帯から弟へ電話をする。

姉:「おい、今日は夜ご飯いらない、って言っといて」
弟:「ぅお、ぉ、オレ、俺ぁ……もう……腹、いっぱ、一杯」

……誰もおまえのステータスは聞いていないよ。


【7/28】

【仕事話】幻を追いかける

ダメ出しを喰らう。
お客サマが言うことには「これ、あなたなら何点つけます?」だった。「気にいらないから直して欲しい」と言われるのは納得出来る。
お客さんのイメージに近づけるために最初から努力はするけど、食い違いがあったり、イメージが伝わってなかったりする。もちろん出てくる結果がすべてだから、修正個所が出てくるのはあたりまえのこと。そこをなんとか上手くすり合わせていくのが、腕のミセドコロなんである。

ただ「本気でやってんの?」的セリフを出されると悲しい。なんだ、信用してもらってなかったんか、とがっかりする。
あんまりがっかりしたので、家帰ってゴハン食べて皿洗ってたら、いきなり目から水がボトボト落ちてきてびっくりしました。

そういうわけで、この間読んだメールマガジン「日刊デジタルクリエイターズ」の「幻(Vision)」というコラムを読み返したりした。

ああ、でもただ一言「いいですね」って言われると、それだけで有頂天になる時もあるんだよ。
とにかくその一瞬の脳内麻薬の見せる幻は、私だけに与えられる目に見えない報酬なんだよ。


【7/28】

【仕事話】三十路の男が怖がるモノ

Mさん:「あ、S君。帰りにゴミ出しといてね」
S氏:「えっ、いやっ、だめです。あそこゴキブリ出るじゃないですか!」
私:「あー。私、出しときますよ」
S氏:「いや、……じゃあオレが近くまで持って行くから、ゴミ捨て場に置くところだけやってくれる?」

ヘタレS氏、31歳(イケメン)に萌え。


【7/22】

【驚】「トリニティ・ブラッド」の「吉田 直」氏、7/15に逝去されていたって本当ですか

角川書店公式サイトの訃報記事
うえぇー!? 「トリニティ・ブラッド」(角川スニーカー文庫)実は全部買ってましたよ。
内容としてはどこかで見たような感じだし、キャラクターも突出してすごい、ってのも無かったんですが、なんか買ってましたよ。とは言っても長編の最新刊のラストは今までと若干違っていて、おや、なんか面白くなったかもと思ってちょっと楽しみにはしていた今日この頃なんですが。

アニメ化するって話で(制作:GONZO)盛り上がっていた矢先、作者が入院したりとかで大変だなあと思っていたのですが、亡くなられるとは。なんてこった参った。
享年34歳、死因は肺梗塞……いわゆる「エコノミークラス症候群」みたいなものらしい。入院した理由になった病気のほうは良くなっていたらしいので、合併症を起こしてしまったとういことなのか。

今後、(秋頃?)最新作が一冊出版されるらしいですが、それが未完の最終巻になるんでしょう。
ともかくも、吉田 直という人を通してのみ、私達が垣間見ることを許されていた世界は、もう永遠に見ることは出来ないんだなぁと思うと残念です。
ご冥福をお祈りします。


【6/29】

【仕事話】会社の女子トイレに「謎のお札」が貼ってある件について

トイレ、それは会社の憩いの場。
我が社のトイレは狭いながらも広くて清潔で、結構私は気に入ってるんですが、常々謎に思っていることがあるのです。
それは「便座の真向かいの壁の、手の届かない所に謎のお札が貼ってある」こと。

二年ほど前にこのビルへ引越ししてきた時から気付いていたのですが、何かそういう「決まり」――よく店の前などにある塩の山=「盛り塩(客を呼ぶための縁起かつぎらしい)」みたいな類――だろうと思っていたのです。が、どうも他の階の女子トイレに行ってもそんなもの無いので、今日たまたま私と、もう一人の女性社員(Mさん)二人が残ったところで聞いてみたのです。

私:「あの、ずっと気になってることがあるんですけど。……あ、やっぱいいです」
Mさん:「やだ、ちょっと。何なに」
私:「いや、女子トイレなんですけど、なんか変なお札貼ってあるじゃないですか。あれ他の階の女子トイレには無いんですよ。男子トイレってどうなんですかね?」

何も言わずに男子トイレに突進するMさん、即実行。その態度が頼もしい。……結果、男子トイレにも無いことが判明。

私:「や、無いですね。……じゃ、私これで帰りますんで」

時は21:30過ぎ。「ちょっと! 私トイレ行こうと思ってたのに!」と絶叫するMさんを一人残して、帰る私であった。
帰り際に見えたのは、事務所を借りている人(知り合い)に必死で電話をかけていたMさんの後姿でした。お札の謎は解けたのでしょうか。
ま、今まで何もなかったんだから大丈夫ですよ。(……解決編へ続く)


【6/30】

【仕事話】会社の女子トイレに「謎のお札」が貼ってある件について(解決編)

「隣の事務所の人が風水に凝っているらしく、その一貫でトイレにもお札を貼っていた」というのが真相。

私:「いやぁ、結構事実ってあっけないものですね」
社長:「でも昔、隣のビルで発砲事件があったのは本当らしいよ」 へ、へぇ……。