Sound Horizon

080905

【CD】『Moira』 – 聴いた後

実を言うとまだ一周しか聴いてないのです、が……まあ、聞き込みは何度でもできるけど、最初の印象は最初にしか書けないからダダダと書いてみるよー。

とりあえず、長! CDの収録の限界に挑戦とはこのことか。っていうか曲が全部繋がってる…!? そのせいか、いわゆる曲らしい曲はあまり無いかんじ。歌うのは難しそうだね~。
音に厚みが増したと思いながらブックレット見たら、ストリングスの数がはんぱない。弦の数だけならオーケストラ並みだこ・れ。はー。
それと、コーラスワークがパワーアップしてる。梶浦さんの影響かっ、なんつって。とはいえ、相変わらずのRevo旋律なので、先の読めないメロディラインです。良い意味で。

・冥王
最初の曲だけになかなかにキャッチーな曲。るろろろるろろ~を何て歌ってるんだろって思ってたら、そのまんまだった。いや、ラララか? 最初ロック調で、その後ジャズっぽくなったり聖歌っぽくなったり――それにしてもこの冥王、ノリノリである。
Revo氏…じゃなくて、まあいいや、ともかく歌うまくなったねー。もともと好きな声だけど、もうちょっと声量があれば良いな。喉を壊さぬようにお願いいたしますね。

・人生は入れ子人形
これが初めて聞くサンホラのアルバムだったら、間違いなくここでドン引きしてるに違いない曲。しかしファンなら動じない。むしろ大喜びするところ、ってことで、じまんぐ氏がノリノリなミュージカル曲。
しかしギリシア神話と何の関係が? と思ってて、自重してた感想サイトをチラッと見たらうっかり判明。いや、しかしそうか。そうだよな……ロシアに関係がある人だったのかー。とはいえ、実際彼が掘り当てたのは、それよりもずっと後の時代の遺跡だったんだっけ。確か。

・神話
ここからギリシアのターン。女性コーラスが贅沢な曲。
しかしギリシア神話をあまり知らないので困った……誰が誰やらわからない。

・雷神域の英雄
TMN世代なのにほとんど曲を聴いたことがないので、ウツノミヤ氏の声はとても新鮮。レボさんの声に似てるけど、さすが本職なのでうまいっす。
ちょっとヒーローものの主題歌っぽい。

・死と嘆きの風の都
変態神官さまに続けー!

・聖なる詩人の島
えーっと、レズビアンの元ネタ、レスボス島の歌だから内容もそういうのかと思ったのだが、違った。

・星女神の巫女
歌を聴きながら、ブックレットのイラストをずーっと見てた。この深い青が好き。

・奴隷たちの英雄→死せる英雄たちの戦い
ラストバトル的なノリを感じる。かなり詰め込まれてるので、一回聴いただけじゃ、どういう曲なのかちょっとわかららないです……

・神話の終焉
お? そう来るか。レボフェウスの再来希望~。そして唐突に終了。はて、どこに繋がるのやら。

テーマ的には『Roman』に近いのかな。ロマンが生で、ミラが死。というか、ロマンが生きるために死ぬ物語で、ミラが死ぬために生きる物語。まあどっちも表裏一体ていうか一緒っていうか。
つーか、Revo氏によるStory CDの中心テーマはクロセカからあんま変わってないと自分は思っていて、曲の違いやら表現の違いはあるけど、基本は生と死と永遠についての物語だから、ミラだってそうなのは当然っちゃ当然なんだけど。

『優れた表現者は一つのことしか書かない』

誰が言ったのか忘れたけど、結構コレ当たってると思う。
恋愛こそ至上! な人は恋愛もの書くだろうし、人間心理とかパズル的な面白さが好きなら推理物だし、生命とか人間とかこの世界の不思議に興味があればSFになる。神林長平は何十冊もSF小説書いてるけど、基本は「人間と機械/言葉について」しか書いてないもんね。
Revoさんの場合は「生と死と永遠について」がソレに当たるんじゃないっかってことで。6作を費やして語るに足るテーマだと思うし、いやいやもっといけるでしょー? とも思ってます。