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よくある質問

猫でも理解できることを目指して専門用語を使わずにお答えします。
より詳細は「トピックス」「催眠の現実」をご覧ください。



Q1.催眠に入ると意識がなくなるんですか?眠っているように見えますが違うんですか?
Q2.催眠で相手を失神させたり気絶させたりすることは可能ですか?
Q3.ズバリ、催眠ってヤラセでしょう?
Q4.催眠で前世がわかるって本当ですか?
Q5.退行催眠を使えばどんなトラウマも解決できるような気がするのですがどうですか?

Q1.催眠に入ると意識がなくなるんですか?眠っているように見えますが違うんですか?
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意識はあります
でも本やホームページにはよく「半分寝ているような感じ」と書いてありますよ。
簡潔に言ってしまえば、それは話をわかりやすくするためのウソです
どうしてそうだと言えるんですか?
睡眠と覚醒を区別する最適な指標は脳波です。脳波を見ると催眠は覚醒に近いのです。

でも実際に被験者に感想を聞くと「眠かった」などと言いますよ。
それは「リラックスする」とか「眠くなる」と暗示したからでしょう。
「眠くなる」とは一言も暗示していません。でも被験者は「眠たかった」と報告したんです。
催眠誘導の前に催眠について説明しましたか?
はい、しました。
そのときに「催眠は寝ているような状態」とか「リラックスしている状態」というような説明をしたのだと思います。すると被験者は催眠を半分寝ている状態だとイメージします。その結果、実際に催眠誘導されたときにそのイメージに合うように催眠に入るというわけです。
催眠前の言葉も催眠に影響を与えるということですか。
そのとおりです。

でも、そういった事前の説明をしていなくても「眠かった」と報告する人に出会いましたよ。
その人は「催眠は眠くなるものだ」というイメージを抱いていたのでしょう。
Q2.催眠で相手を失神させたり気絶させたりすることは可能ですか?
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無理です。ものすごい恐怖感を与えれば可能かもしれませんが可能性は低いです。
そんな怖いことしなくても「失神してしまう」とか「全身麻酔にかかった」と暗示すれば気絶するのではないですか?
気絶したようには見えるでしょう。でも本当に気絶するわけではありません。
気絶しないとわかる理由は何ですか?
きちんと暗示に反応するからです。「目を覚ます」と言えば目を覚まします。本当に気絶していれば暗示にはまったく無反応です。
「気絶します。暗示にもまったく反応しません」と暗示すれば本当に気絶するのではないですか?
外見上は気絶したように見えますが、被験者は「暗示に無反応である」という暗示をモニタリングしているわけです。ですから、例えば、非常事態が起こればすぐに目を覚まします。
じゃあ「気絶します。非常事態が起こっても無反応です。これから一切言葉は聞こえません」という暗示をすれば今度こそ本当に気絶するのではないですか?
同じことですよ(笑)。その暗示は「私は暗示する人。あなたは実現する人」という大前提(催眠・被催眠者関係)の一段下の論理タイプでモニタリングされているのですから。ちょっと難しいけどわかるかな。
Q3.ズバリ、催眠ってヤラセでしょう?
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「ヤラセ」という言葉の定義をまずしましょう。
本当はかかっていないのにかかっているフリをすることかな。
なるほど。中には明らかなヤラセもありますが、そうでないものも多いです。ただ、どこまでが催眠の効果なのかはあいまいなんですよ。
どういう意味ですか?
例を出します。あなたの友人が落ち込んでいます。そこで、気晴らしに二人で飲みにいくことにしました。お酒も入って徐々にテンションが上がってきました。さて、このときテンションが上がってきた原因は何でしょうか?
え?そりゃお酒でしょう?
そう考えがちですが、お酒以外にも考えられますよ。
うーん、場の雰囲気とか?
そうですね。それも答えの一つかもしれません。他にはありますか?
思いつきません。
二人の関係性と文脈です。友人を元気づけようとした場合、自分でも気づかないうちにいつにもない気遣いをしていたかもしれません。そして、いつも以上の気遣いの一つの結果としてテンションが上がったということもありえます。あなたと友人が協力的な関係にあるほどこの傾向は強くなるでしょう。他にも細かい要因はいろいろとあります。
お酒とか場の雰囲気とか相手との関係性とか文脈が複雑に絡み合っているんですね。
そうです。お酒を飲んだからお酒の効果だけだという単純な話ではないのです。
ところで、これと初めの質問とどう結びつくんですか?
お酒が催眠だと考えてください。
なるほど! 催眠に入って暗示に従っていても、それは催眠の効果だけとは言えないということですね。
はい。だからどこまでが催眠の効果でどこまでが他の要因の効果なのかが不明瞭なんです。もっとも、「何もかも実は催眠なんだ。場の雰囲気も関係性も文脈もね」と言ってしまうとおしまいですけどね。
Q4.催眠で前世がわかるって本当ですか?
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イメージが見えることはありますが、その前世が本当に正しいのかどうかはわかりません。もしも催眠で前世がわかるのであれば、賛否が分かれている歴史学上の問題が解決できるはずですが、そういったこともありません。
その人が知っているはずのないことを語りだすこともあるようですが、これは前世の記憶ではないのですか?
心理学に目撃証言研究という研究領域がありますが、そこでは人間の記憶がどのように変化するかが研究されています。そこでわかったことは、状況によって記憶は歪められてしまうというものです。前世については、どこかで見聞きした情報をつなぎ合わせて前世の記憶だと思い込んでいる可能性があります。
でも当時の古い地名で語ったりしているのを見たことがありますよ。本人は覚醒時に「そんな地名を覚えた記憶はない」と言っているのに。これは前世の記憶ではないのですか?
記憶したことを記憶している(メタ記憶)ことはそれほど多くありません。例えばあなたは「タモリ」を知っていると思いますが、どこでタモリという言葉を知ったかまでは覚えていないでしょう。あなたはそんな名前を覚えた記憶はありませんが実際には覚えています。(実験を掲載予定)
ところで、前世の記憶が生まれるメカニズムを詳しく教えてください。
脳というのはうまく処理できないことがあっても無理やり何らかの結果を出力して落ち着こうとします。そのときにさまざまなエラーが起こるわけです。似た記憶や無関係な記憶が結びつくこともあります。これが勘違いやデジャブや前世の記憶の正体と考えられています。
つまり前世は記憶の断片をうまく意味があるようにつなぎ合わせたものというわけですね。
このことは実際に脳をいじくっていろいろと実験されています。
このページを読んでみてください。人間が自分を納得させるために都合良く記憶を作り出すことを示す実験です。
前世で受けた傷と同じ傷跡が残っている人もいます。それはどうなんですか?
暗示によってあざや火傷の跡のようなもの(ようなものです)ができることが稀にあります。物理的な損傷を知らず知らずのうちに実際に与えている可能性もあります。

余談ですが、統合失調症や脳腫瘍の症状で前世の記憶を語り出す人もいます。「すごい!前世の記憶だ」と言って放置しておくと命に関わるので注意が必要です。
Q5.退行催眠を使えばどんなトラウマも解決できるような気がするのですがどうですか?
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解決できることもありますが解決できないこともあります。まず、前世と同様に、退行催眠で思い出した記憶は正確とは限りません。偽物の記憶でも解決につながればまだいいのですが(良くないと主張する人もいます)、それだけでなく、トラウマではないものをトラウマだと思ってしまう可能性があります。
トラウマではないものをトラウマと思ってしまうというのは例えばどんなことですか?
例えば対人恐怖の人がいたとします。退行催眠でよくあるのが「この問題の原因となった時に戻りましょう」というものですが、このように何か特定の原因があるような誘導をされると、実際にはありもしない嫌な記憶が出てくることがあります。健康な人であれば割り切れるのですが、精神的に弱っている場合にはその記憶が嫌な思い出として定着してしまうことがあります。
テレビを見ると、芸能人が退行催眠を受けてすっきりしているようですが。
愚痴を吐き出してすっきりする人もいます。しかし、それは問題をクリアしている人だからそうなのであって(テレビに出るぐらいの健康状態は保っている)、本当に援助を必要としている人の場合には、先に書いたようにより重い問題がのしかかる危険があります。
じゃあ、退行催眠は絶対やってはいけないんですか?
そういうわけではありません。退行催眠というか催眠全般に言えるのですが、いくつものレパートリーの中から催眠を使うのは合理的です。退行催眠がその問題に有効で、なおかつ他の解決方法がない場合には退行催眠を用いるのもありでしょう。
催眠といえばミルトン・エリクソンですが、彼はいつも催眠を使っていたのでは?
違います。エリクソンは催眠の技能だけが取り上げられがちですが、実際の症例を見るとそれほど催眠を使っていません。いくら催眠が上手でも、催眠を使わないほうが解決が速いと判断したときには他の方法を選択していたわけです。この柔軟性が彼の特徴です。反対に、「とりあえず催眠だ」という考え方をしているのは催眠しかできないカウンセラーやセラピストだと考えられます。



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