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データで見る
インターネットにおける催眠関連情報


検索エンジンgoogleにて以下のキーワードを検索し、上位200ページのデータをまとめてみました(検索時期:2005年3月)。

「催眠」の場合
「催眠療法」の場合



「催眠療法」の場合

各カテゴリーの説明
専門的セラピスト:研究能力も有する臨床家。臨床活動に加え、学術論文を著すなどの学術的貢献を行っている者。
非専門的セラピスト:研究実績を有さない臨床家。
専門商品:専門書や心理検査、専門家向けの研修といった専門家による商品・サービス等。
一般商品:一般書などの一般向けの商品・サービス。非専門家対象の研修・講習等も含む。
カテゴリー ヒット数
専門的セラピスト 3
非専門的セラピスト 76
専門商品 3
一般商品 9
ジャンクページ 109
200
データの詳細
200件中、約110件が催眠療法以外の個人サイトや海外(中国等)のページでした。それらのジャンクページを除いた催眠療法関係のページの内訳は上記のグラフに示すとおりです。

○専門的セラピスト
1件は精神科医でした。研究実績は見つかりませんでしたが、ここでは譲歩して専門的セラピストとしました。残りの2件は同一サイト内の別ページがヒットしたもので、日本催眠医学心理学会認定の催眠技能士の運営するページでした。後者のサイトでは研究実績をもつ臨床心理士をスタッフに抱えており、インターネットで検索可能な催眠療法のサイトとしては希望のもてるページでした。3件中、前世療法を受け付けているサイトは0件でした。まともなセラピストは前世療法を行っていないことがわかります。

○非専門的セラピスト
ABH(米国催眠療法協会)やAIH(米国催眠療法学院)の認定セラピストは76件中35件でした。これらは2日で取得できるお手軽な資格です。したがって、非専門的セラピストの多くはこの資格をもってプロを自称しています。日本催眠学会や日本催眠臨床学会の会員も10件前後ヒットしました。この2つの学会は日本学術会議に登録されておらず、民間の催眠術師も混在しています。調査の結果、学術論文の実績がある者は見つかりませんでした。76件中、前世療法を受け付けているサイトは47件ありました。この中で前世療法による「偽の記憶問題」を扱っているサイトは皆無でした。

○専門商品
3件とも専門書の購入ページです。

○一般商品
一般書の購入ページや原理不明の怪しげな商品の販売ページなどです。

考察
「催眠療法」で検索すると、何らかの形で催眠療法を受け付けている人のページが約45%の確率で見つかります。それらの中で専門的な知識と技能を有すると推測されるものは3〜4%です。予備知識なしで催眠療法を選ぶと、高確率で非専門家にその身を任せることになると言えます。ここで非専門家と定義しているセラピストは、当然ながら自ら「非専門家です」とは名乗りません。多くの場合、専門家を自称しています。「今は医者を選ぶ時代」と言われますが、催眠療法については「厳選する時代」と言えるのではないでしょうか。

(まともな)カウンセラーやセラピストにとっては「宣伝は行わない」というのが常識なので、普通に検索してもそういった人のページはほとんど引っかかりません。これは倫理が守られている証拠でもあります。しかし、これは同時に、インターネットが非専門家のページで埋め尽くされかねないことを意味します。専門家のページがネットの大海に埋もれてしまって非専門家のページばかりが出てくるようになると、一般の人にとってはそれが専門家のページに見えてきてしまうという危険があります。

「催眠」の場合

各カテゴリーの説明
専門的セラピスト:研究能力も有する臨床家。臨床活動に加え、学術論文を著すなどの学術的貢献を行っている者。
非専門的セラピスト:研究実績を有さない臨床家。
専門商品:専門書や心理検査、専門家向けの研修といった専門家による商品・サービス等。
一般商品:一般書などの一般向けの商品・サービス。非専門家対象の研修・講習等も含む。
公的団体:国の認定を受けた団体。
非公的団体:民間団体。
趣味・情報ページ:催眠に関する情報や趣味・嗜好のページ。
カテゴリー ヒット数
専門的セラピスト(?) 2
非専門的セラピスト 62
専門商品 0
一般商品 16
公的団体 4
非公的団体 8
趣味・情報ページ 28
ジャンクページ 80
200

データの詳細
200件中、80件が催眠とはほとんど関係のないページでした。具体的には中国などの海外サイトや催眠鎮静剤などに関するサイトでした。それらのジャンクページを除いたページの内訳は上記のグラフに示すとおりです。

○専門的セラピスト(?)
研究実績も有する専門家は0件でした。やや条件を甘くしたところ2件が該当しました。まともなセラピストは自分を宣伝しないので、一般的な単語(催眠・催眠療法)ではほとんど見つかりません。インターネットの弱点です。

○非専門的セラピスト
ABH(米国催眠療法協会)やAIH(米国催眠療法学院)の認定セラピストは62件中30件でした。キーワード「催眠療法」の場合と同様、およそ半分の非専門的セラピストがこれらの非専門的資格を有しているようです。

○専門商品
意外にも0件でした。

○一般商品
一般書籍や映画「催眠」関連の商品が多いようです。

○公的団体
日本催眠医学心理学会と日本臨床催眠学会のホームページがヒットしました。

○非公的団体
お手軽資格やお手軽講座を主催している団体が主です。

○趣味・情報ページ
非専門的セラピストに次いでヒット数が多いのがこのカテゴリーです。多くは催眠関連の業者と直接・間接に提携しているサイトです。

考察
「催眠」で検索すると、何らかの形で催眠療法を受け付けている人のページが32%の確率で見つかります。それらの中で専門的な知識と技能を有すると推測されるものは1〜2%です。キーワード「催眠療法」の場合と似た傾向だと言えそうです。

趣味・情報ページは一見すると雑多に見えますが、大きく2つに分けることができそうです。ひとつは非専門的セラピストや催眠関連の業者と提携していたりそれらを推奨していたりするサイト、ひとつは商業的に中立的なサイト(セラピストや業者にリンクしていないサイト)です。より客観的な情報を求めるのなら後者を閲覧するのが望ましいでしょう。


総合考察
インターネットの普及は誰でも手軽に必要な情報を得られることを可能にしました。しかし、その中から信頼できる情報を選択するのは至難の業です。物理学や数学、化学などのサイトには間違いがあるものは少ないのですが、心理学とか心理療法とか健康法についてのサイトになると事情は違ってきます。これらの領域は素人でも「なんとなくわかった」気になることができる上に、商売と密接に結びついているからです。催眠はその中でも最もその傾向が強いと言えます。

インターネットの普及とそれを利用した儲け主義の商売について、専門家が組織的に本腰を入れて対策を講じる時期に来たのではないでしょうか。(研究活動や臨床活動や政治活動に忙しくてネットにまで気を配る余裕がないのはよくわかるのですが・・・)。