灰田教授「これが催眠専門家ですか」

都内に住むとある女子大生「ゆん」の父親、灰田教授。
web上で娘の日記を発見してしまった彼の行方は。


6月19日(日)

私の名前は灰田である。
心理臨床の実践および研究を行っている。
大学の医学部や教育学部で心理学教育に携わってもいる。

指導している学生の話によると、ゆんがweb上で日記を公開しているらしい。
ゆんとは私の娘である。
私は海外に研究員として長らく単身赴任していたので育児にあまり関われなかった。
(家族全員を呼ぶほどの金もなかった)
そのためだろうか、ゆんは私の思惑とは正反対の方向に育った。
今では占いや超常現象に興味をもち、怪しげなカウンセラーと交流をしている。

さて、その学生の話によると「気をつけてください。香ばしいですよ」とのことである。
香ばしいとはこれいかに。
気になるのでさっそく教えてもらったURLを打ち込む。
果たしてそこにあった。
「香ばしい」という言葉の意味を身をもって知ったのだった。
とんだ父の日である。


6月22日(水)

ひとつの決心をした。
心理臨床の倫理に従い、以後、ゆんの日記に突っ込みを入れていくことにする。
いつの日か、ゆんがこの日記を発見するだろう。
そのときに待っているのは、相互理解か、それとも対決か。


ゆんの6月5日/19日の日記へのコメント

第一回目の突っ込みでは、ゆんの日記の6月5日と19日分にコメントする。
枠内がゆんの日記の内容である。

愛こそがカウンセラーにとって一番大切!!
その愛を支えるのが人生経験なんだよね。

専門的知識や学術的研究なんて現場では役に立たないし、
頭でっかちになるからこだわっちゃいけないよ。

相手は生の人間なんだから、そんな薄っぺらい知識よりも
重厚な人生経験とクライエントを包み込む愛がなくちゃね。

この主張は専門機関で訓練を受けていないカウンセラーによく見られる。
ひどいときには数回〜数十回の講習を受ければ資格が出てしまうカウンセラー資格が世の中にはある。
そのようなところで身につけられる知識などは大したことはないし、
そもそも教える側がまともな知識を有していないという問題がある。
だから、そのような講習を行う講師は、「高度な知識は重要ではない。経験こそが重要だ」と主張する。
自分以上に高度な知識のある生徒が現れたとき、専門知識が重要だと認めると講師のメンツ丸つぶれだからだ。

専門知識を軽視して経験を重視する傾向はすべての詐欺的カウンセラーに共通する。

やっぱり経験って大事だよね。
科学だか心理学だかなんだか知らないけど、そんなのは机上の空論。
経験こそすべてだと思う。
それと「催眠は楽しむことが大事です。固い知識にこだわって楽しむことを忘れている人が多いんですよ」
とも言われました。確かに医者とかって偉そうだし、クライエントのこと何も考えてないよね。
たぶん医者になる人って勉強のしすぎで大切なことを忘れているんだろうな。

この主張のまずい点も自ずと見えてくる。
少しでもクライエントのことを考えているのなら、最新の研究動向に自然と目が向くはずである。



ゆんの7月9日の日記へのコメント

うーむ、前回は長すぎた。しかも内容がない。(ので一部書き直した)
これからは簡潔にかつポイントにしぼって突っ込もう。

心理療法を行って実際に良くなればそれで「効果がある」と言えると思うんだけど。

いかにも論理に欠けた思考である。

例えば、心因性のある症状をもったクライエントが100人いるとする。
ある治療を行った結果80人が改善したとしよう。
この場合、その治療法に効果があると言えるだろうか?

答えは「どちらとも言えない」である。
心理療法を行った場合だけを考えて、「効果がある」とか「効果がない」とかいった議論はできない。
プラシーボ効果のように、心理療法以外の部分に改善に関わる要因が多々あるからである。
古代のキリストやシャーマンの呪術的治療はこのプラシーボ効果によるところが多い。
しかし、プラシーボ効果はプラシーボ効果であり、心理療法の効果とは区別しなければならない。

(胃痛のする人に医者が「胃薬」と称して小麦粉を飲ませると治ることがある。これもプラシーボ効果である。
小麦粉で治ったからといって本物の胃薬が必要ないわけではない。
同じように、心理療法でもプラシーボの効果と真の効果を区別しなければなるまい)。

では、心理療法の本当の効果はどうすれば見ることができるのか。
この場合、順番待ちのクライエントと比較することでプラシーボ効果の要因を無視できる。
先ほどの例の場合、もしも順番待ちのクライエント100人のうち、
順番待ちをしている間に75人が治ったとしたら、実際に治療を行った群(改善80名)との差は5人となる。
5人多く治っているので「なーんだ、やっぱり治療効果はあるじゃん!」
というのも、これまた早計である。
5人の差はもしかしたら誤差の範囲内かもしれないし、十分にその可能性はある。
そこで統計的に検討するため、Fisherの直接法に基づきカイ二乗検定を行いp値を求めると、p=.39となる。
つまり、この5人の差は誤差の範囲内である可能性が非常に高い。

心理療法の効果を知ろうとするとき、「心理療法を行って実際に良くなれば、それは効果がある」
という単純な話にはならない
ことがおわかりいただけたと思う。

「クライエントは一人一人違うのだから、統計など意味はない」
という意見も考えうるが、その考えを受け入れるまともな臨床家は一人もいないだろう。
統計的な問題をクリアした治療法のほうがずっとオーダーメイドもしやすいからである。
(統計手法が発展していない時代ならともかく)

注)厳密には、順番待ち(wait list群)との比較で統制できる要因はプラシーボ効果というよりも
「もうすぐ治療を受けて楽になれる」という期待効果なのだが、細かく書くと専門的な話になるので置いておく。




ゆんの5月の日記へのコメント

少し時をさかのぼって5月の日記へツッコミを入れてみよう。

もともと私は感受性が強くて人の気持ちを察することが得意だったんだけど
それを生かしてセラピストになりたいなって思い始めたのがきっかけ。
自分で言うのもなんだけど、明るくて人見知りしないし誰とでも上手くお話できるほうだから
セラピストは天職じゃないかなって思ってる。

人の気持ちを察するのが得意だと自分で思っている人は
相手のちょっとした態度に勝手な解釈を加えて決め付けを行いやすい。
もちろん相手を観察する能力は非常に重要だが、そこから相手の内面を推測する場合、
その推測は単なる決め付けでないかを冷静に判断する能力も重要である。
つまり、相手だけではなく自分を客観的に観察する能力も重要だということだ。
「わたし感受性強いの」とか「私は人の考えていることが手に取るように分かる」
と放言するような人はたいてい自分自身を客観的に見つめる能力に欠ける。

また、明るいとか誰とでも上手く話せるというのもセラピストの能力とはあまり関係がない。
たしかに上手く話せる人ならそれは武器になるが、ただ話上手なだけでは
人を楽しませることはできても問題を解決することはできない。

すでに述べられているように、人間的に優れているとか、話に共感してくれる人が
カウンセラーやセラピストとしても有能かというとそうではない。
詐欺師になるための第一条件を思い出して欲しい。
それは、相手を批判せず何でも受け入れ、おだて、共感し、信用させることである。

この業界には、消費者がだまされたことに気づいてしまうような詐欺はあまり存在しない。
最近話題になった真光元とか摂食障害ビジネスのように、誰が見ても明らかな詐欺というのは氷山の一角でしかない。
多くの詐欺的業者は、少し勉強したくらいの人では詐欺とわからないほど巧妙な手口を取っているし、
(さらに言うと、少し勉強したくらいの人が一番引っかかりやすいとも言える。
この業界の裏事情を考えたことのない心理学専攻の大学院生なども引っかかりやすいかもしれない)
有能な詐欺師は、摘発されるかされないか程度のギリギリのラインを守って儲けにいそしんでいる。
一発大儲けを試みて摘発・逮捕されるような業者は詐欺師としては三流である。
さて、

今日インターネットでいろいろ探していたらこんなのを見つけちゃいました。

とあるが、インターネットで見つかるような所はほぼ100%金儲けのための講座だと思って良い。
「この講座は臨床心理士が主催しているから安心」と思い込む者もいるが、どこの業界にも腐った者は存在する。
世の中には悪徳弁護士もいるし悪徳教師もいるし悪徳医師もいるし悪徳臨床心理士もいる。

そういう悪徳(もしくは、悪意はないが能力もない)専門家を見分けるときには、論文による業績を見ると良い。
簡潔に言えば、5年10年とプロとして働いているのに論文の一本も出していない専門家は怪しい。
ちなみに、本を出しているかどうかは信頼性とは無関係なので注意しなければならない。
本は論文とは異なり専門家の審査を受けずに出版されるので、適当にもっともらしいことを
書いて出版すればそれなりの本ができてしまう。

催眠療法ってすごいらしいよ。
みんなすぐに「催眠なんてウソだ」って言うけど、催眠はちゃんとあるんだよ。
でも大学の先生は催眠が下手だから催眠療法は流行してないみたい。
やっぱ大学の先生なんて知識があるだけで実際には何もできないよね。
だから催眠療法で活躍しているのは催眠の修行をした特別なカウンセラーが主なんだとか。

催眠の研究者には大きく分けて3種類ある。
一つは基礎的研究を行う者。
主に脳科学や神経科学の領域から催眠のメカニズムを研究する。
この領域には脳科学的・神経科学的には素晴らしい業績を残しているけれども
催眠の対人関係論的な側面を無視して研究している人も多いように思う。
彼らの技術は多くの場合は催眠術師以下である。

もう一つは応用的研究を行う者で、彼らは学際的に催眠のメカニズムを研究する。
ここにはさまざまな人がいて、心理学のみならず人類学や言語学などからも検討を行う。
今では倫理的にありえないが、欧米では舞台催眠を頼まれる研究者もかつて存在した。

そしてもう一つは効果研究を行う者。
現場で働く臨床家や医師が主にこの研究を行う。
最近では対照研究によって催眠が特に効果的な領域は限られていることが
明らかになってきているので、催眠を用いる場面はそれほど多くない。

催眠療法で活躍しているのは催眠の修行をした特別なカウンセラーが主なんだとか。

ゆんは完全にだまされているようだ。(だまされたことにさえ気づいていない点で「完全」である)
ネットで盛んに宣伝をしている催眠療法家(民間催眠術師)の催眠に特別な修行などは必要ない。
だからこそ、化けの皮がはがれないように、催眠術師は自分の技術を特別なものだと思わせようとする。
「催眠は簡単だけど、私の催眠の技術は他とは違ってちょっと特別ですよ」という感じである。



ゆんの8月16日の日記へのコメント

学問的な心理学って当たり前の理論ばかりだし、その割に小難しいことばかり言うし
すぐに統計とか論理的思考とか言い出すし……
そんなので人間の心がわかるはずない!! 
人間の心を理解するには、直感とかひらめきとか感受性とか相手の気持ちを思いやることが必要なんだよ。

出た。勘違い催眠術師によくある勘違いが見事に集約されている。
まったくトンチンカンなことではなく、半分当たっているから厄介である。

例えば、認知心理学の研究には意外性のある面白い研究が多いが、
社会心理学の理論や研究には「そんなの当たり前じゃん」と言いたくなるものが多い。
しかし、当たり前のことを精密に検証してみたら、実は常識のほうが間違っていたということが「たまに」ある。
催眠に関する研究は「常識のほうが間違っていた」ということが結構多い。
・催眠が成功しても治療の成功率には影響しない。
・催眠の深さと暗示の成功には関係がない。
・そもそも、「催眠状態になれば暗示が効く」というのは間違いである可能性がある。
など、科学的に検証して初めてわかってきたことはいくらでもある。

「直感とかひらめきが重要」というのはその通りだが、それが正しいことを確かめるためには
論理的で客観的な科学的態度が必要なのだ。



ゆんの9月11日の日記へのコメント

「雲を消す」のではなく「雲は自然に消える」ということはゆんも理解しているらしい。
少し安心したが、逆に危険かもしれない。
その怪しい気功師を見抜いたおかげで妙な自信をつけて、
「私には正しいものを見抜く力がある」と勘違いしてしまう可能性があるからだ。

「あるある大事典とか思いッきりテレビの健康情報はデタラメばかりだ」と笑う人は多いが、
ヤフーニュースで「肥満を抑制する酵素を阪大教授らが発見」などという記事を見つけて
その論文を実際に読みもせずに「すげえすげえ」と騒ぐのは

あるある大事典や思いッきりテレビに踊らされるのと同じだ。


ちなみに、上の論文は1年ほど前にヤフーのトップに載った記事だが、
最近になってデータがねつ造された論文であったことが発覚している。
派手なねつ造だったので、しっかり論文を読み書きできる研究者や学生は
ねつ造が発覚するかなり前から「この実験は再現できない。怪しい」と見抜いていた。
これこそが真の「正しいものを見抜く力」というものであろう。

「すごく怪しいもの」を見抜くことはほとんどの人ができる。
そこで有頂天にならずに、「一見すると怪しくないけれど実は怪しいもの」を見抜くことこそが重要だ。

ゆんの9月24日の日記へのコメント

・質問したときに目線が左に向く人
・腕組みをしたとき、左腕が上になる人(右脳型の人)
・目をよく見て話す人
・「あ」という文字をたくさん書かせると「お」になる人

たまにこういったことを言い出す人がいるが、どれも根拠がない。
人には、当たっていることは印象に残り、外れたことは忘れる傾向がある。
また、当たっている事例だけに目を向け、外れている事例からは目をそらす傾向がある。
占い師はこれをうまく利用して自分を「よく当たる占い師」だと思わせるし、
ギャンブル場もこれを利用して、利用者に心地良く勘違いしてもらうことで儲けを出す。

目線が左に向くとか、腕組みで左上になるとか、もっともらしい説明を受けた後で
実際に何回かそれが当たっているケースを目撃すると、それだけで「あ、本当だ!」と信じてしまいやすい。
そして、一度そう信じてしまうと、当たっているケースばかりに目が向いてしまう。
心理学的にはこれをバイアスやヒューリスティクと呼ぶ。
実際に科学的にデータを集めるとどれも間違いだということが分かる。

左回りに回すのが正しくて右回りはいけないんだって。
なぜかというと、人間の体は左回りに合うようにできてるから。
その証拠に、陸上のトラックも左回りだよね。

一時期密かに流行った「左回り健康法」の影響だろうか・・・。
金儲けのためとはいえ、よくもまあ、あれやこれやともっともらしいことを考えるものである。
(ちなみに、左回り健康法を支持する実証的データは確認されていない)

陸上のトラックが左回りである主な理由は、カーブで右足の力を生かすためである。
当然ながら、これと回頭法を結びつけるのは強引過ぎる。
左回りと右回りを比較して左回り優位だったいうデータもない。

ゆんの10月12日の日記へのコメント

自分勝手はダメ、絶対。
自分も楽しく、相手も楽しく。こうじゃなくっちゃね!!

一見するとこの意見は善人らしいが、実は自己中心的な考えだと言える。
「相手が同意しさえすれば何をやっても良い」という考えが見え隠れするからだ。
それに、たとえ当事者同士が楽しくても、それを見た第三者がどう感じるかはわからない。
つまり、自分勝手はダメと言いながら自分が自分勝手になっているわけだ。

例えば、酒の一気飲みは盛り上がるし楽しいかもしれない(当事者間では)。
しかし、その様子をテレビで放送して「一気飲みは楽しいですねー!」などと言えば大問題となる。
「一気飲みは法律的には問題ないんですよー。ヒャッホー!」などと言ってもやはり問題となる。
酒ならまだ許されるかもしれないが、
医療現場・臨床現場で用いられる方法がこのように紹介されたら大問題であろう。
催眠も同様である。
催眠術師や商業的催眠家は自分をすごいと思わせることが大切なので、
補足的に「療法の場ではこういう使われ方はしません」と言うことはあるが、
それをメインに語ることはない。


やるな!とは言わない。やるなら極秘にやりなよ。と言いたいのである。

ゆんの10月27日の日記へのコメント

10月27日は今までの復習のような日記である。

偉い先生とは、とにかく技術があって人間的に素晴らしい人のことです。
本をたくさん書いてる人とか、テレビに出てる人とかを選べば大丈夫だと思うよ。

知名度が高ければ信用できると思いがちであるが、知名度と信用度は比例しない。
信頼できる催眠家の見つけ方を参照)
有名だから安心だとか信用できると思ってしまう先入観をヒューリスティクバイアスと呼ぶ。

偉い先生についたらとにかく経験すべし!!
理論や知識なんて最低限でオッケー。

たしかに経験を積むのは重要であるが、理論や知識を最新のものに更新し続けることも
それと同じくらいに重要である。
情報を吸収するだけでなく、論文発表により情報を発信することも専門家の役目である。
日本よりも制度がしっかりしている欧米では、学術誌に論文を書いていない者は専門家とみなされない。
(関連用語:Scientist-Practitioner Model; Evidence Based Medicine)



ゆんの11月28日の日記へのコメント

専門家の世界では研究=論文らしいです。
論文以外の研究は本当の研究ではなくて、単なる趣味の研究らしいです。
そして、研究(論文)というのは過去の研究を土台にしてそれを発展させたりするものらしいです。
そのためには過去の研究をよく知っていなくちゃいけないらしいです。

これは正しい。ゆんもできるじゃないか。これは正しい。
と思った私が甘かった。次を見てみよう。

研究というのは過去の研究のパクリにすぎないってことでしょ??
そんなの全然すごくないよ。
まったく新しい理論や技術は、過去の研究なんかを参考にしていたら絶対に生まれないよ!

本当にすごい理論や技術を生み出すのは常識にとらわれない
民間の催眠療法家や催眠術師のような人なんだと確信しました。

研究というのは過去の研究からの地道な積み重ねがあって初めて成り立つ。
何もないところからポッと画期的な理論や技術が生まれるわけではない。

例えば、アインシュタインは相対性理論を導いた。
なぜ相対性理論が生まれたのだろうか。
アインシュタインが他の研究者とはまったく違う特別な発想をもっていたからだろうか。
そうではない。
アインシュタインの考えは特別なものではなく、むしろ平凡で、相対性理論は「生まれるべくして生まれた理論」である。
実際に、相対性理論と似た理論が同時代にローレンツなどによって発表されている。
アインシュタインでなくとも、遅かれ早かれ他の研究者によって相対性理論は構築されていたはずだと言われる。

要約すると、どんなに画期的に見える理論も、他の研究の延長上にあるということだ。
過去の研究を無視して、自分だけで画期的な理論を作り出すことは残念ながらありえない。
自分では画期的な理論だと思っていても、ほとんどの場合、よく調べると他の研究者がすでに研究していたり
もっと精緻化された形で発表済みであったりする。
(私にもそのような経験がある。論文のリサーチ不足が原因である)。

ちなみに、心理学の理論構築の仕方は、物理学でいう量子力学に似ている。
どちらも自分の直観が先行しがちで、データも自分の直観に合うように解釈しがちである。
つまり、主観に陥りやすいので、専門家・研究者には客観性や論理性が求められる。
(数学者は「私の研究は論理的だろうか」などと疑問を抱くことはない。
しかし、心理学者や量子力学者は常にそのような疑問をもつ。
そうでないと、自分でも知らぬ間にとんでもない思い込みをしてしまうから)




2006年
ゆんの2月2日の日記へのコメント


ゆんの日記にコメントし始めて約半年が経過したが、
もしも私の日記を真剣に読んでくれている人がいたら心から尊敬したい。
多くの人は、「批判」という言葉を聞くだけで反射的に耳をふさいでしまうものだ。
私もできることなら批判などしたくはない。
それでもあえて批判しているのは、ゆんを笑いものにするためでは決してなく、公共の福利のためだ。

「自閉症は親のしつけの問題だ」などと言っている有名人がいるが、
その発言が大問題であるように、ゆんの言っていることも大問題なのだ。
たとえ娘の言っていることであろうと、放置しておくわけにはいかない。

記者 「呪文って何でしょうか?人を一言で思い通りにする呪文が本当にあるんですか?」
ゆん 「いいえ、それは呪文ではなく催眠です」

この事件は催眠など大して重要ではない。
詳しくは「謎の集団生活と謎の呪文の謎に迫る」を参照していただきたい。

記者 「催眠ですか・・・洗脳やマインドコントロールのことですか?」
ゆん 「そうね。洗脳やマインドコントロールも催眠ですよ」

これも違う。催眠も洗脳もマインドコントロールも別物である。
洗脳とマインドコントロールの違いは西田公昭氏がわかりやすく解説している。
催眠はそれらとはまったく別物である。
催眠を使えばマインドコントロールできるというわけではないし、
逆に、マインドコントロールのプロセスには別に催眠は必要ない。

記者 「ゆんさんなら、催眠を使って今回のようなことはできますか?」
ゆん 「はい、可能です。でも私はやりませんよ!」

まるで「やろうと思えばできる」というような書き方だが、
催眠や暗示でこの事件が起こせると思っているとしたら、それは催眠や暗示を過信しすぎであろう。
これについても「謎の集団生活と謎の呪文の謎に迫る」を参照していただきたい。



ゆんの日記を見る。